幼稚園教諭の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
幼稚園教諭の年収は?待遇は?これから働く人からすると、不安は尽きないことでしょう。
本記事では、「幼稚園教諭」の年収や初任給から仕事に必要なスキルなどを詳しく解説しています。
これから幼稚園教諭になりたいと考えている人は、是非参考にしてみて下さいね。
幼稚園教諭の平均年収300万円が相場
園の運営形態にもよるため、一概にも平均で300万円が年収として決まるというわけでもありません。
私立の幼稚園であれば、給料も待遇も園の裁量に任せているため、公立よりも若干の差は生まれます。
幼稚園教諭の初任給はどのぐらい?
初任給は月22万前後、短大卒で月17万円~18万円です。
サラリーマンとさほど変わりがないと言えます。
アルバイトや派遣だと平均時給は1,000円~1,200円ですが、これらは働く幼稚園の規模や年齢、経験によって収入の差があるため、月19万円前後が実際の収入となると考えておくと良いでしょう。
幼稚園教諭の年収・給料の構成要素
幼稚園教諭の年収・給料の構成要素は次の通りです。
- 手当を除く基本の賃金、基本給
- 行事、イベントなどの特殊業務に対して支払われる、特殊業務手当
- 残業代の一部として定額を支払われる場合や勤続年数で変わるなどの調整手当
- 役職を持つ人に支払われる管理職(主任)手当
- 通勤にかかる通勤手当
- 職場によって用意されている扶養手当や住宅手当
以上6点が挙げられますが、これらは基本的なもので、職場によっては他にも手当や能力給などの手当もあります。
税金などで天引きされるものは次の通りです。
- 健康保険料
- 介護保険料
- 厚生年金保険料
- 所得税
- 住民税
- 財形貯蓄・会費
以上ですが、これら以外にも園によっては天引きされることもあるでしょう。
財形貯蓄は給料から天引きをして貯金をすることができるシステムのことを言います。
園によってある場合とない場合があります。
そしてどこの園にもあるとされることが多い天引きは「会費」です。
職員のみでの研修や、職員会、組合があった場合には会費から天引きされます。
幼稚園教諭の雇用形態別の年収を見る
幼稚園教諭の雇用形態は、正規雇用と非正規雇用の2タイプです。
正規雇用では月給制ですが、非正規雇用は時給制になっています。
正規雇用の場合の幼稚園教諭の年収
正規雇用の場合、時給や月給で判断をするのではなく、「年収」を見て判断をします。
なぜなら月給だと本当に貰える給与が不透明であり、判断ができないためです。
年収から見ることで、月額はどれくらいなのか、税金は?基本給は?などの逆算もできることから、ほとんどの学校でも年収から見て就職活動をしましょうと教えています。
幼稚園教諭の場合、正規雇用の年収は多くが平均的に約290万円前後であるとされています。
月給換算をするとおおよそ25万円程度ですが、ここから税金なども引かれるため、その金額によっては手取りは15万円程度になることもあるでしょう。
初任給の場合は月約22万円とも言われているため、手取りはおおよそ15万円前後であると考えておくと良いですね。
正規雇用の場合の待遇は次の通りです。
- 公立の幼稚園であれば定期的な昇給があること
- 土日の休みや長期休暇は比較的とりやすいこと
- ボーナスがあることが多く、雇用的にも安定していること
などが挙げられますが、正規雇用としても公立か私立、四大卒か短大卒など様々な条件により待遇も変わってくるため、就職前のリサーチが重要とも言えます。
非正規雇用の場合の幼稚園教諭の年収
非正規雇用の場合、時給900円~1,200円前後でおおよそ年収200万円となります。
非正規雇用としてあげられる雇用形態はパート・アルバイト・派遣ですが、中には嘱託(しょくたく)というような契約社員のような形態もあります。
非正規雇用の待遇としては、
- 働く期間が決められていること
- 働く事においての希望条件が通されやすいこと
- 応募から就業に繋がりやすいこと
以上が挙げられることが多いです。
希望条件が通されやすいという点においては、時短勤務、出勤日数・時間を調整することもできるため、必ず毎時、毎日いないといけないという正社員に比べると働きやすさはあるでしょう。
しかし、非正規雇用は期間が決められている、契約更新時に契約解除になることも少なからずあるため、正規雇用の方が安定していると言えます。
どういった働き先だと年収が高くなるのか?
園にもよりますが、「手当が充実している園」であれば年収アップの見込みはあるでしょう。
住宅手当や資格手当、資格取得のための手当など福利厚生の充実している幼稚園であれば、給与アップが現実的になるとも言えるためです。
しかし非正規雇用となると、給与アップは多少難しいところがあるでしょう。
正規雇用の正社員に比べると勤務時間も短く、福利厚生などの待遇も少なくなってしまうためです。
非正規雇用で年収アップを見込みたい場合は、「法定外福利厚生」での優遇をしてくれる幼稚園の求人を探しましょう。
もう一点、年収が高くなるポイントとして、都心であることが挙げられます。
北海道や東北、地方などの田舎にある園では時給900円前後が少なくありません。
都心付近では、比較的時給が高めになります。
幼稚園教諭が、年収をアップさせるには?
年収をアップさせるためには、以下の条件が必要になります。
- 専修、一種、二種のいずれかの資格を取得すること(特に専修は大学院の学位なため、優遇されます)
- 幼稚園教諭、保育士資格の両方を取得していること
- 園独自の手当や、国による手当を受けること
- 園長先生になること
- 勤続年数を長く保つこと
中でもすぐに年収アップを図れる方法は、園独自の手当てや国による手当を受けることでしょう。
園独自の手当ては、それぞれの施設で受けられるかどうか変わってくるため、予め求人情報を読んだりするなどのリサーチが必要です。
国による手当というものは「処遇改善等加算制度Ⅰ・Ⅱ」というものです。
これらは、国が保育環境充実を図るために補助金支給制度として定めた法律であるため、行政に確認をしましょう。
幼稚園教諭で年収が高い人の条件・特徴は?
専修士であることや管理職であることが挙げられます。
年収が高い人の条件として挙げられる点は、
- 大学院を卒業した、専修士であること
- 園長や役職などに就いていること
- 園の待遇が良いこと
などになります。
大学院に関しては、児童学、人間学研究科などのカリキュラムがある大学院に進学をして卒業すると得ることができます。
もう1点条件として挙げられるものは「園長や役職に就いていること」という点ですが、現在、求人情報には園長先生を募集している園が少なからずあるのです。
園長先生は年収400万円以上であることがほとんど。
1種の免許を取得していれば、5年程度で園長先生を目指すこともできます。
学校教育法において定められている園長先生になる条件としては次の通りです。
- 1種教員免許を持ち、5年以上教育に携わっている
- 10年以上、教育に携わっている(無資格でもOKです)
つまり、年収UPを目指したい、キャリアアップをしたいという先生の中で、1種免許取得、5年経過されている方は目指すことが可能ということです。
園長先生の仕事は、一般の幼稚園教諭とは違う責任の重さ、業務内容が加わります。
そこには園の運営も加わってくるため、非常にやりがいのある役割とも言えるため、ある程度勤めたら園長先生にキャリアアップを図るのも良い方法とも言えるでしょう。
最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
園長先生の年収で400万円程度まで上がることはありますが、それ以上ともなるとそれぞれの施設によって変わってくるため、正確な年収を出すのは難しいとも言えます。
しかし、最も高いと言われている年収は、富裕層や有名人が通う人気のある私立園で勤続年数が長い人などは年収1000万円ほどであり、高めの年収を目指せる可能性も高いでしょう。
これから幼稚園教諭になる人へのアドバイス
幼稚園教諭は、保育士と比べると時間の融通がききやすいところがメリットとも言える職種と言えますが、状況に応じることができる臨機応変な対応が常に求められる難しい仕事でもあります。
しかし、各自治体での幼稚園教諭不足からの影響で待遇が良くなりつつあるため、幼稚園で働こうと考えている志望者も増えていることは事実です。
保育園や幼稚園を職として就職活動を行う際は、「園の特徴」「役職の有無」と「納得のいく待遇」をしっかり確認して、幼稚園教諭を目指して下さいね。
さいごに
未就学児を預かる幼稚園は、現代の日本社会で必要不可欠とも言える社会的役割を担っています。
幼稚園は、子どもを安心して預けられ教育を受けられる重要な場所で、幼稚園教諭は非常にやりがいのある仕事と言えます。
この記事が、幼稚園教諭を目指している方の参考になれば幸いです。
最終更新日:2020年7月6日