役員秘書の年収を徹底解説|給料・年収の決まり方や年収アップのポイント
役員のパートナーとして、様々な面から会社を支える「役員秘書」、その年収相場はどのくらいなのでしょうか。
役員秘書は細やかな気遣いが必要であり、複数の業務を同時に進行したり調整する業務が多い職種です。
その業務内容は非常に多岐に渡ります。
今回は、役員秘書が年収を上げるために必要なことや知っておいた方が良いことなど、秘書の年収事情についてご紹介いたします。
役員秘書の年収相場はどのくらい?
役員秘書の年収はどのくらいが相場なのでしょうか。
ここでは、新人秘書とベテラン秘書に分けて、その相場を見ていきましょう。
新人秘書の年収相場
新人の役員秘書の場合、年収のボリュームゾーンは280万円~350万円ほどになります。
ただ、新人秘書といっても様々なパターンがあります。
職場や規模によって違いがあり、英会話や業種独自の専門的なスキルなど特別なスキルが要求される場合もありますが、役員秘書の場合は、部署の中で昇進や報酬のアップというのはなかなかありません。
担当人数そのものが少ないうえ、独立した業務体系の場合が多く、社内での昇給は厳しいと言えるでしょう。
ベテラン秘書の年収相場
経験やスキルが相応に積み重ねられていきベテランの役員秘書という立場になれば、部内でのチーフやリーダーというポジションに昇格する可能性もあります。
それに伴い、年収にも何らかの形で反映されることでしょう。
年収が450万円~500万円程の役員秘書も少なくありません。
また、役員秘書固有の臨機応変さがより迅速かつ正確な場合には、更に需要が見込まれる可能性が高いため、求められる仕事の精度が上がるほど、年収に反映することもあり得ます。
役員秘書の年収の決まり方
役員秘書の年収はどのように決定されるのでしょうか。
ここでは、役員秘書の年収の決まり方について解説いたします。
社内の事務職からの引き抜きされた場合
新卒で役員秘書に選任されるというケースはまずありません。
役員秘書は上司である役員に就いて仕事をこなしていくため、社内独自のルールや仕組み、社会人としての一般常識や基礎知識など、いろいろなスキルや経験が必要です。
そのため、他部署で様々な経験や勉強をした後で、気配りや有事の際の咄嗟の対応能力など秘書に向いていると判断された人が抜擢されて役員秘書へと異動することが多いのです。
役員秘書として配属された場合の年収は、所属する会社によって異なりますが、普通の従業員と同じ程度であると言えるでしょう。
役員秘書経験者が転職する場合
キャリアやスキルによって異なりますが、年収400万円程度~の募集となっている会社が多いようです。
経験者の場合即戦力を求められるので、転職するまでにどういう経験やスキルを身につけるか、がカギとなります。
役員秘書の年収を上げるためにやりたいこと
役員秘書としてベースアップするためにやっておきたいことには、どのようなものがあるのでしょうか。
役員秘書の年収を上げるために、身につけておくべき必要なことを幾つか挙げてみます。
経験・実績を積む
役員の仕事が円滑に進むように陰でサポートするのが役員秘書の主な業務なので、パソコンスキルや一般常識、社会人としての基本マナーだけではなく、柔らかな物腰や丁寧な言葉遣い、また細かな気配りが、一般事務や営業事務と異なる秘書独自の仕事です。
それらは一朝一夕で身につくものではなく、また上司となる役員によっても業務バランスが左右される細かくて繊細な業務のため、様々な経験や実績を積むことが年収を上げるための第一歩となります。
ハイレベルの語学を身につける
役員秘書として更なるベースアップを図りたいと考えている場合には、外資系企業がおすすめです。
そのためには、外国語能力はマストアイテムといえるでしょう。
外国語での文書作成や電話や来客対応はもちろんのこと、依頼された時には即座に通訳や翻訳が問題なくできる能力を持っているようであれば、より年収が上がります。
専門分野の知識を身につける
役員秘書は、他企業の重要なポジションにいる人や上級役員と接する機会も非常に多い、いわば会社の顔とでもいえる存在です。
上司である役員の仕事を裏から支えるだけではなく、自身が所属している会社についてもきちんと把握しておく必要があります。
営業職や企画広報担当と同等の能力までは求められませんが、その会社が開発販売している商品の利点やアピールポイント、売れ筋路線の把握、業界内におけるその会社の位置づけやストリームラインなども把握して、自然と話すことができるようにしておく必要があります。
役員が言葉に詰まってしまったり忘れてしまって困惑している際に、後ろからそっとサポートできる体制を常に整えておくことは、最終的に自分のポジションや価値を上げると同時に、年収にも反映される可能性を秘めています。
転職する
転職するにあたり、役員秘書の年収を決定づける要因は大まかに二つあります。
一つ目は、経験レベルです。
転職する場合は、前職の会社の規模や経験、キャリアの深さ、今回転職を希望している会社と同業性があるかどうかなどから判断されます。
そしてもう一つの要因は、ヒューマンスキルです。
役員秘書は、社内の他部署の人々だけではなく、社外の重役たちとも接する機会が多いです。
その対外的な顔となる仕事の特性から、明るさや機敏さ、物腰の柔らかさなどがあるかどうか、画一的な判断に終始することなく柔軟な考え方ができるかどうか、対応が冷静で的確かどうかを客観的に判断されます。
これは、役員秘書という仕事の特性ゆえに、実務能力とは別に求められる能力となります。
大企業への転職
役員秘書としてのステップアップの一つに、大企業への転職があります。
前職よりも規模が大きい企業への転職は、必然的に年収面のアップにもつながります。
通常であれば、役員秘書の年収の相場は、その企業の一般職の社員と同程度と考えられます。
しかし中には、年収が1000万円以上の秘書も存在します。
注意点
役員秘書としての給料が年収1000万円以上となる場合も、あるにはあります。
しかし、役員秘書の年収が1000万円以上となると、その上司である役員の年収は当然、1千万円を超えています。
役員の年収が数千万円から億単位となるような大企業は、かなり限られます。
そのため、役員秘書という職種に限定して言うと、募集だけでも滅多に出てこないといえるでしょう。
外資系企業への転職
外資系企業の役員秘書は、日本企業と比較すると年収が高い傾向があります。
外資系に限らず、グローバル企業の役員秘書は通訳や翻訳も兼務することが多いです。
また逆のパターンもあり、通訳のポジションの人が秘書を兼務する場合もあります。
注意点
日本企業と外資系企業の役員秘書の業務は、異なる場合が多いです。
多くの日本企業の役員秘書は、役員のスケジュール管理をメインとして出張の手続きや社内外の取引先との会食セッティング、手土産などの用意もする必要があります。
しかし外資系企業の役員秘書、特に役員が外国人だったり取引先が外国人だった場合、メインは通訳となることが多いです。
また外資系企業の役員ははっきりと自身の意思を伝えてくるタイプが多く、それが時には役員秘書にとっては無理難題に聞こえることもあります。
難しいと感じることがあっても、前向きに問題を解決する能力が必要となるでしょう。
専門性を重視する企業への転職
専門性を重要視する企業へ役員秘書として転職する場合には、役員秘書のスキルはもちろんですが、それ以上に専門的なスキルが必要となる場合があります。
その分、年収は他企業と比較すると高めの設定となっているところが多いです。
注意点
役員秘書としての転職が前提となるため前職までのキャリアやスキルが十分かを判断されるのは当然ですが、専門性が高い企業の場合はそれだけではありません。
特に法律事務所など専門性の高い分野への役員秘書としての転職は、法律的な知識も求められます。
それを踏まえた上で採用・不採用が判断されるので、ベースアップは約束されますが、求められるスキルも相応に高いものとなるのは覚悟してください。
秘書グループが存在する企業への転職
企業によっては、役員1人につき専属秘書1人がつく場合もありますが、複数の役員を秘書グループとして全体でサポートしていく企業も数多くあります。
企業によっての形態の違いのため、自身で選択できる自由はありません。
そのため面接などで質問をして、事前に形態を把握しておく必要があるでしょう。
注意点
グループセクレタリーを置いている企業の場合、それぞれの役員の仕事をサポートすることだけが役員秘書の業務ではありません。
グループ全体や担当組織が効率的に機能できるように、他の役員秘書の人々と情報を共有したり洞察力や想像力を常に磨くなど、上司である役員だけではなく他の役員秘書たちをアシストする役割も同時に担っていることを忘れないように心がけましょう。
様々なことに興味を持つ
役員秘書は、ルーチンワークをこなすだけが仕事ではありません。
突発的なハプニングや問題が発生した時にも冷静に対処し、最善の方策を選択することを迫られます。
また、社外の役員や重要なポジションにいる人々と話す機会も多いです。
そのため、常にアンテナを張り巡らせ、新しいことや時事ネタなどに興味を持つようにしておきましょう。
役員同士の接待のレストランの予約を任せられた時には、相応の格式の場所やセッティング、会食メニューなどにも気を配らなければなりません。
また、手土産を事前に用意しなければならない場合には、相手方の人数や背景に合わせて手土産の量や数も上手く調整して、相応しいものを準備しておく必要もあります。
必要となった時に慌てないように常日頃からイメージトレーニングをして、いざ依頼された時に即座に相応のものを手配できるような知識や情報のストックを持っておくようにしましょう。
資格を得る
役員秘書になるための資格というのは、基本的には必要ありません。
しかし、「秘書検定」や「パソコン検定」などの資格は、基礎知識の取得として自分なりに受けておいた方がビジネスマナーや基本的な知識などで足りていなかった部分を補完することができスキルアップに繋がる、という意味で軽視はできません。
資格を取るのが目的ではなく、自身のステップアップや現在のポジションを知る目的として非常に重要となりますのでおすすめです。
また語学などのスキルの場合は資格取得が一種の客観的な基準値にもなり得るので、企業によっては重要視される場合もあります。
役員秘書の「お金」について、他にも知っておきたいこと
役員秘書の「お金」にまつわる事柄について、他にも知っておくべきことはあるでしょうか。。
役員秘書のランチについて
企業にもよりますが、女性の役員秘書に限定してランチ事情を考慮すると、自宅からお弁当を持参する役員秘書が、全体の3分の1の割合を占めます。
他にはコンビニやスーパー、デパ地下などでランチを購入する人の割合も4分の1ほど居ます。
多忙な役員につく役員秘書という立場からなのか、なかなか席を外せないという状況が反映されているのか、外食派は他の職種に比べて少なく、あまりゆっくりしたランチタイムがとれない秘書が多いのかもしれません。
雇用形態について
未経験で役員秘書に抜擢されるという状況は少ないと思います。
正社員ならば他部署での経験やキャリアを経た後に役員秘書となることが圧倒的に多いですが、転職を考慮しても、秘書経験があるかどうかは重要な判断材料となります。
秘書経験がない状態で、それでも秘書になりたいと考えている場合は、まずは雇用形態にこだわらずに経験値を稼ぐ、という発想の転換が必要かもしれません。
派遣社員や契約社員であれば、秘書経験がない人でも門戸が開いている可能性があります。
すぐに年収アップに繋がるわけではありませんが、少なくとも派遣社員や契約社員で秘書として働いた経験はキャリアアップになるので、次のステップアップやベースアップのためと割り切って、まずは経験値を重要視することも視野に入れる必要があるでしょう。
地域性について
役員秘書の年収は働く地域によっても変わってきます。
首都圏がオフィス拠点の場合には、地方の企業よりも年収ベースは高い場合が多いです。
また企業によっては、役員について早朝出勤や残業が発生することもあります。
残業代がつくと結果的に年収アップにはなりますが、通勤時間がかかる場合には日々の生活や健康に支障が生じる可能性もあるので、自分が通える範囲で地域性を考慮して企業を選ぶことも必要となるでしょう。
まとめ
今回は、役員秘書の年収事情について詳しくご紹介いたしました。
役員秘書に限らず、どの職種にもいえることですが、経験やスキル、知識があってこそのベースアップです。
日々努力を重ね、勉強をしてスキルを上げることが年収を上げる最短の方法と心得て、頑張ってくださいね。
最終更新日:2019年8月21日