ライターの年収を徹底解説|給料の構成要素や年収を上げる方法
言葉で表現することを仕事にしている人のことを「ライター」と言います。
文字を書くことを生業にするという意味では、ライターという職業は平安時代から存在していたとも言えるでしょう。
一概にライターと言っても、「シナリオライター」から「コピーライター」に至るまで、文章のジャンルの数だけ様々なライターがいます。
インターネットの普及によって、最近では「webライター」という新たな職種も登場しました。
今回はそんなライターの年収について徹底解説します!
ライターの平均年収の相場とは?
数ある職種の中でもライターは圧倒的にフリーランスの割合が高くなりました。
平均月収15万円~20万円、年収にして200万円前後と意外と低めです。
新聞や雑誌という従来のメディアにインターネットが加わったことで、また情報を提供する媒体そのものが全体的に飽和傾向にあることで、機動力が高くてテーマに合う案件のときだけ召喚できるフリーランスのライターが重宝されている状況とも言えます。
ライターの年収・給料を構成する要素とは?
ライターの中でも特に需要が高い「コピーライター」「シナリオライター」「メディアの記事執筆ライター」についてご説明します。
コピーライター
企業がモノやサービスを宣伝するときに分かりやすく文案を考えるライターです。
これといった資格は必要ないものの人の心に響く言葉選びのセンスが問われるため、文学的な実力や業界に対する専門知識を要します。
コンペ形式で仕事を獲得することがほとんどですが、ライターとして名前が売れるまではコンペに勝つことは容易ではありません。
地方の案件であれば1件成約で1万円から5万円程度、大企業(多額の予算があるという意味で)の案件であれば1件あたり30万円以上を獲得することもあります。
「そうだ、京都へ行こう。」や「選ばれたのは綾鷹でした」など万人の印象に残るキャッチフレーズを残せたら、コピーライター冥利に尽きるとも言えます。
シナリオライター
ドラマや映画の物語を書くライターのことです。
日本ではアニメの脚本やゲームの脚本が特にホットだという特徴もあります。
また昨今では、小話をYouTubeに掲載することが一つのムーブメントになったことで、ネット動画用のシナリオライターも需要が高まってきました。
単価で言うと、ドラマや映画のシナリオはとても単価が高い分、書き手のブランドによっても値段が大きく変わります。
全国公開の映画やドラマのシナリオでは1本500万円を超えることも。
1年間に3本の執筆で1500万円を売り上げるライターも実在します。
逆に言うと、ある程度の実績ができるまではなかなか素人では採用されにくいのが現状です。
一方YouTubeのシナリオライターは、シナリオの規模にも左右されますが平均単価は1本あたり5,000円とも言われています。
本業の傍ら趣味で物語を書いてみたいという兼業ライターが多いことも、特徴の一つです。
最近ではクラウドソーシングサービスの台頭により、副業でシナリオライターを始め月に5万円~10万円を売り上げる人も増えています。
メディアの記事執筆ライター
紙媒体では新聞や雑誌、ウェブ媒体では様々なネットメディアに寄稿するライターです。
文字数によって価格が決まるほか、文字数が少なくても長期連載であれば単価が上がることが特徴です。
また、専門的な知識が必要な分野になればなるほど高単価であるため、法律の知識がある弁護士や医療従事者、人よりも特化した特技や了見がある人は1記事(1,000文字前後を想定)で3万円前後の収入になることもあります。
また、ブログを書くことでアフィリエイト収入を得る個人事業主が増えている今、「正しい日本語さえ使うことができればライターになれる」とも言えるでしょう。
専門知識がなくても、自身の体験を活かした育児日記や趣味について面白おかしく執筆・寄稿することで収入を得ることも、ライターの仕事の一つになってきました。
ネットというメディアの性質上、大量の情報が求められるために単価は1文字1.0円~2.5円あたりが相場です。
ライターの雇用形態別の年収とは?
企業専属のライターの場合の年収
ライターを多く抱えている大手企業「株式会社電通」を例にとっても新卒採用で平均年収350万円~750万円と、最低年収から最高年収まで2倍の差があることが分かります。
企業専属ライターの場合、勤務時間を超過した分の残業手当が支給されるため、このような金額差が出てきます。
担当するクライアントや案件の規模によっても残業時間は様々で、年間通してずっと残業が多いかというとそうでもなく、クライアントの要望に合わせて勤務時間が変化することが特徴です。
狭き門ではあるものの、大企業の場合は案件獲得営業は専門のセクションが担当していることがほとんどのため、ライターとしてはひたすらライティングに専念できる環境が用意されているということが大きなメリットだと言えます。
フリーランスの場合の年収
冒頭でも述べた通り、年収は平均200万円前後です。
それでも兼業ライターの場合は本業収入に200万円がプラスされれば副収入としては充分な金額になりますし、専業主婦でコツコツと記事を書いて完全在宅でありながら年収200万円を達成する人も珍しくないため、200万円という金額が一概に低いとも言えないのが現状です。
文字数やシナリオ・記事の規模にもよりますが、デメリットとして時給換算ではなく案件数で金額が決まることが挙げられますが、残業が嫌で独立したライターや専門ジャンルのみの執筆作業をしたくて独立したライターが多いため、皆ある程度許容した上で仕事をしています。
ライターは最高でどれくらいの年収を目指せるか?
私の知人で年収2000万円を達成したライターがいます。
もともとは大手広告代理店でコピーライターを務め、趣味の映画鑑賞を仕事にしたいとフリーランスのライターとして独立。
フリーペーパーで最新映画の評論コーナーの連載をしていたところ、執筆した文章が映画監督の目に留まったことで映画の宣伝コピー等を担当するようになりました。
広告代理店で勤務していたときよりも遥かに忙しそうですが、界隈で名前が売れ始めたことで1件あたりの単価が上がり、高年収に繋がったようです。
ライターはどうすれば、年収が高くなるか?
手っ取り早いのは、専門スキルを身につけてジャンルを絞って執筆することです。
法律に関する知識や医療に関する知識がある人はもちろんのこと、ライフスタイル全般に関しても専門スキルがあったほうが仕事を獲得しやすいです。
一例ですがファッションが好きでオシャレについてライティングをしようとする場合、カラーコーディネーターとして色彩検定などの資格を持っていればより説得力のある記事を書くことができます。
更にSNSで多くのファン(フォロワー)を獲得していればそれも充分な強みの一つです。
1日24時間しかない中で、文字を書くことで稼ぐことには限界があります。
できるだけ1件1件の単価を上げる、そのために資格を身につけて高単価の仕事を獲得することが年収アップの秘訣です。
これからライターになる人へのアドバイス
ライターとは、正しい日本語が使えれば誰でもなれる職業です。
きっかけは意外と身近にあるもので、自身の経験を活かした体験談で稼ぐことだって可能です。
いきなり高単価で稼ぎまくるようなシンデレラストーリーは少ないですが、好きなことでコツコツと稼ぐことができる、そして自分の考えを世に発信できるという楽しい職業でもあります。
あまり考えすぎず、ライターを目指してみたくなったらノートにメモ書きを残すことから始めたって良いのです。
ぜひ気軽にスタートしてみてください。
さいごに
インターネットの台頭で、ライターという職業は近年ますます多様化してきました。
書いている内に視野が広くなった、人に伝わって共感を得たことで自己肯定感が高くなったと、モノを書くことでお金以外にも得られるメリットがあります。
人に「伝える」ことの面白さをぜひ実感してみてください。
最終更新日:2020年7月2日