登録販売者の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
実際に登録販売者として仕事をする場合、どのくらいのお給料が貰えるか気になるところです。
登録販売者とは、2009年に誕生した『風邪薬や鎮痛剤など一般用医薬品(第2類・第3類などに限る)販売を行うための専門資格』であり、薬剤師やMRなどに次ぐ、薬のスペシャリストです。
この記事ではそんな登録販売者の給与を、社員やパート・アルバイトなど雇用形態別にに分けてそれぞれご紹介していきます。
また、登録販売者として働く上でのポイントもいくつかご紹介していきます。
登録販売者の年収は290万円~360万円が相場
登録販売者として勤務するということは医薬品を取り扱うお店の中で、医薬品のプロとして働くことに値します。
医薬品のプロとして登録販売者の資格を持っていると、それだけでも給与にプラスして報酬が貰えます。
実際にどのくらいの給料になるのかというと、1ヶ月あたり21万円~25万円くらいが平均です。
年2回のボーナスが加算され、年収は290万円~360万円程が相場と言われています。
登録販売者の年収・給料の構成要素
登録販売者の年収につきましては先ほどご紹介しました。
では具体的な内訳はどのようになっているかをここでご紹介していきます。
登録販売者の年収は、「基本給」「能力給」「歩合」「ボーナス」「各種手当」の構成になっている場合が多くあります。
基本給・能力給・歩合はどれくらい?
登録販売者の基本給は18万円というのが平均的です。
こちらは会社にもよりますが月に16万円~22万円の間で基本給を設定している場合がほとんどです。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
気になる賞与についてですが、こちらは年1回もしくは年2回支給されます。
ボーナスの金額は給与の1ヶ月分~2ヶ月分というのが基本です。
また賞与については、役職や期間中の実績、売上や利益、予算達成の項目などにより変動していきます。
給与総額の1.5ヶ月分と考えると1回あたりの賞与平均金額は37万円くらいではないでしょうか。
年間で2回賞与を貰える会社もありますので、その場合は74万円を年間で貰える計算です。
各種手当はどういったものがある?
各種手当には様々なものが該当します。
まずは登録販売者の資格を取得した場合に貰える「資格取得手当」です。
こちらの「資格取得手当」は、5,000円程度の金額を毎月給与に加算される場合と、基本給が若干上がる場合があります。
その他には、「役職手当」や「交通費支給」「時間外手当」「家族手当」「住宅手当」などがあります。
「役職手当」は正社員として入社したところから、役職によって給与に手当が加算されていきます。
例えば主任なら3万円プラス、店長手当なら5万円プラスといった具合です。
登録販売者の年収を新卒や雇用形態別に見る
ここでは、新卒で入社した場合や雇用形態別に年収を見ていきます。
新卒の場合の登録販売者の年収
新卒で入社した場合は、年収にプラスして賞与が年に2回1ヶ月分という場合が多いです。
例えば基本給の18万円として年間で216万円。
賞与は18万円×1か月分が年に2回なので36万円。
合計して年収は252万円というのが新卒入社の平均的な年収ではないでしょうか。
社会人が転職する場合の登録販売者の年収(正社員)
社会人が転職した場合についてですが、その人が医薬品の知識があるのか、資格を持っているかによって変わります。
医薬品の知識や登録販売者の資格を取得している場合は、即戦力として働けます。
企業側からしても、教育するコストが減るというメリットがあるため、採用される場合が多いです。
その場合は新卒の年収よりも若干給与が増えます。
年収として300万円くらい~が平均的ではないでしょうか。
パート・アルバイトの場合の登録販売者の年収
パートやアルバイトの場合の年収についてご紹介していきます。
パートとアルバイトとでは、そこまで給与に大きな差はありません。
パートの場合は勤務実績や日ごろの勤務態度などによって基本給が増額・減額される制度をとっている会社もあります。
また、パートの場合は交通費が加算されることもあるので、アルバイトよりは少し給与が増える場合があります。
ドラッグストアを例にして年収を計算していきます。
基本時給は850円として1日あたり5時間の勤務。
1ヶ月に22日出勤と考えて単純計算すると、1ヶ月の給与は93,500円です。
年間で112万円程がアルバイトの年収と言えるでしょう。
とは言え、もちろん勤務時間や勤務場所によってその年収には幅が出てくるため、一概には言えません。
登録販売者は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
登録販売者としての最高年収についてご紹介していきます。
企業に入社した場合で考えると年収800万円くらいではないでしょうか。
店長職までは、賞与を最大限に貰えたとして年収600万円くらいまで目指せます。
更に昇格してSV(スーパーバイザー)などの本部社員として勤務した場合は年俸制です。
その場合、年収として800万円くらいは目指すことができます。
また、登録販売者を持っていると自営業をすることもできるので、その場合は売上次第では年収に上限はありません。
登録販売者はどういった勤務先だと年収が高くなるか?
勤務先で一番最初に考えられるのがドラッグストアです。
ドラッグストアと一口に言っても、どこが経営しているのかや勤務地などによっても年収が変わってきますが、基本的には他社とあまり差はありません。
年収を上げようと考えるなら、薬局や製薬会社で勤務すると、その可能性は出てきます。
ドラッグストアで働く場合の年収
ドラッグストアで働く場合は、冒頭でお伝えした通り年収290万円~360万円というのが平均です。
店長職となると更に毎月の給与に役職手当がついてくるので年収400万円を超える金額となります。
薬局で働く場合の年収
こちらは個人で経営されている薬局なのか大手の会社が経営する薬局なのかによっても変わってきます。
登録販売者の資格を持っていることが前提の仕事です。
1ヶ月あたり22万円~30万円と仮定して、更に賞与が支給された場合は420万円~450万円くらいの年収になります。
コンビニエンスストアで働く場合の年収
コンビニエンスストアでは、ここ数年で医薬品を展開する店舗が増えてきています。
それに伴って登録販売者の資格取得者の確保が必須になってきます。
コンビニエンスストアで働く登録販売者の場合、給与が他社よりも高く設定されています。
年収にして300万円前後から、高い所では500万円という年収も期待できます。
医薬品を取り扱ってみたいがドラッグストアのように商品が多いのは自信がない、という人には特におすすめのお仕事です。
登録販売者の年収の決まり方や、年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
登録販売者として勤務していく上で、やはり同じ時間勤務するなら少しでも多く給与を頂きたいものです。
では、どのようにしたら給与が増えていくかについてご紹介していきます。
ドラックストアの年収査定で大事なのは、特に「予算達成」「管理項目の達成」。
医薬品や多数の商品を扱っているというところ、そしてお客様が来店することがあるため店内の美観はとても大切です。
常日頃から清潔感を保ちながら営業を行っていくことが大切になってきます。
定期的に本部からのチェックが入ります。
会社で定められた管理項目に基づいてチェックが入り、その結果に応じて点数がつけられます。
点数によって賞与の査定額が変動してきます。
また、会社で定めた予算に対してどの程度達成しているかを求められます。
それは、管理者として売上を上げながら余計な支出は削減して最大限の利益を確保していくことが、店舗を存続できるかどうかに関わってくるからです。
予算項目の中には、売上金額はもちろんのこと、それに伴う客数の変動、離反客数やキャンペーン商品の売れ行きなど細かく設定されています。
もちろん、この結果に応じて賞与の金額も変わってきます。
予算を達成していて内容も優れていれば賞与は上がりますし、予算達成できず内容も悪ければ減額される場合もあります。
登録販売者として年収をアップさせたい人がやるべき5個のこと
年収をアップさせるために具体的にどうすれば良いのかをいくつかポイントを上げてご説明していきます。
これらを実践することでより年収アップに繋がるので、参考にしてみてください。
社内で年収が高い人にアドバイスを貰う
実際に結果を出している人からアドバイスをもらうことが一番の近道ですね。
できる人に話を聞けば何が良くて何が駄目なのかがすぐに分かります。
成功している人が具体的に何を実践しているのかを直接聞いて、ぜひ参考にしましょう。
そして、それにプラスした内容を実践して成功したら、それはあなた自身のオリジナルになり働く上で大きな強みになります。
資格取得
登録販売者として医薬品の知識を身につけたら次のステップを目指しましょう。
調剤薬局で勤務したい場合には調剤事務の資格を、会社の経営に興味がある場合やお店の運営に興味がある場合は経営の資格を取りましょう。
本部社員などを目指していきたいのであれば、経験や実績だけでなくマーケティングの勉強も必要になります。
コミュニケーション能力を上げる
人と接する仕事であり、他のスタッフがいる職場である以上、コミュニケーション能力は最低限必要になってきます。
同じ職場で働くスタッフとのコミュニケーションが取れていないと、今後昇格する上での障害となる場合があります。
昇格試験の際に他のスタッフからの評判を聞かれたりすることもありますし、店舗で仕事をしている場合に他のスタッフとコミュニケーションが取れていない場合、連携が上手くいかずに無駄な時間が発生してしまう場合があります。
最低限のコミュニケーション能力は身につけておく必要があります。
転職を検討する
入社してこれまで仕事を続けてきて、会社の未来が見えない場合やある程度技術を身につけたのに評価してもらえない場合、更に高い目標を見つけた場合など、転職を検討しても良いでしょう。
これまでの実績を活かして評価をしてくれる会社があるかもしれません。
今の職場で成果を出す
仕事をするからにはやはり最後までやりきろうと考えるのは良いことです。
「結果が全て」という言葉があるように、結果=評価に繋がります。
成果を出すためにはどのようにすれば良いか、各項目についてしっかりと調べて下準備をし、結果を出すべき時に出していけるようになりましょう。
会社や店舗ではイベントや決算時期など年に数回結果を求められるチャンスがあります。
その時にしっかりと成果を出せれば間違いなく評価をしてもらえますし、結果として給料がアップします。
やり方さえ間違えなければ結果を出すのは意外と簡単にできます。
これから登録販売者になる人へのアドバイス
登録販売者の資格というのはあくまで通過点と考え、今後の目標を立ててください。
登録販売者になった上で、その先の可能性は一気に広がります。
それだけ、この登録販売者の資格を持っているということには大きな意味があります。
ドラッグストアや薬局、製薬会社や化粧品会社などで勤務するのでも良いですし、独立して店舗販売業としてお店を開くこともできます。
また、登録販売者の資格を取れたということは勉強方法に関しても充分に分かっているはずですので、今後登録販売者を目指す人のサポートもできます。
登録販売者の育成として講師の仕事もできるということです。
筆者は登録販売者の資格を取得した上で、ドラッグストアや化粧品販売などを経験して店舗販売業としてお店を出しました。
しかしながら、今後まだまだやりたいことは沢山あるので、これでもまだ通過点に過ぎません。
これからも登録販売者の仕事というのは全国各地で求められてきます。
あなたのやりたいことや働き方に合った仕事を選択して、好きなことを仕事にしてくことをおすすめします。
最後に
今回は、登録販売者の仕事をしてどのくらいの年収が見込めるのか、職業や勤務形態などに分けてご紹介してきました。
私自身、以前は登録販売者として会社に所属しておりましたが、今は独立しています。
独立する前に勤務していて過去一度もマイナス査定となったことがありません。
最低限できること、しなければならないことを優先順位をつけて実行していければ、問題なく目標も達成できるはずです。
まずはあなたがしたいことを見つけて、その目標に向かって少しずつでも良いので実績や経験を残していけると、大きな自信・強みになってきます。
それが結果として年収のアップにも繋がっていくことでしょう。
最終更新日:2019年9月19日