テニスコーチの年収を徹底解説|給料・初任給手取り・年収の決まり方や年収アップ術
世界で活躍するテニスプレイヤーの増加に伴い注目を浴びる機会も増えてきたテニスコーチ、その年収事情に関してはあまりよく知られていません。
仕事をする目的は人それぞれですが、「お金を稼ぐため」という人もやはり少なくないと思います。
しかし、テニスコーチを仕事に選ぶ人は、「お金」よりも「テニスができる=自分の好きなことを仕事にできる」ということに魅力を感じているのではないでしょうか。
とは言っても、やはり年収は高ければ高い程嬉しいのもまた事実です。
それでは、なかなか推測し難い「テニスコーチ」の年収相場はどれくらいなのでしょうか。
テニスコーチとして働きつつ年収をアップさせるための方法と併せてご紹介していきたいと思います。
テニスコーチの年収相場はどのくらい?
テニスコーチの給与の支給方法は雇用形態によって異なり、アルバイトや契約社員などはワンレッスン毎の単価制、正社員は月給制のことが多いです。
アルバイトや契約社員は、受け持つレッスン数によって年収に大きな差が出てきます。
テニススクールで教えるような一般的な正社員のテニスコーチの場合は、他の職業に比べて決して年収が高いとは言えません。
平均して年収250万円~300万円と言われています。
年齢別や雇用形態別の年収はこの後説明していきます。
また、テニスコーチは体が資本で体力を必要とする仕事です。
加齢や怪我で仕事ができなくなる恐れもあるので、ある程度働いたら別業種に転職する人も少なくありません。
テニススクールで働き続けるとしても、「定年までバリバリの現役テニスコーチ」ではなく、ある程度の年齢になってくるとスクールの運営などにシフトしていくことになるでしょう。
ここまではアマチュア対象のテニスコーチの話ですが、一部例外があります。
プロのテニスプレイヤーと契約するようなテニスコーチの場合は、年収1,000万円を超えるような人や、契約したプロ選手が試合に勝つごとに報酬を得るような人もいます。
しかしプロと契約できるようなテニスコーチは、自身もプロで活躍した人だとか、かなり名の通ったコーチなど、ほんの一握りの人しかいません。
新卒採用のテニスコーチの年収相場
テニスコーチになる道は、学生時にいわゆる「就職活動」をして新卒採用として働く、という企業に多く見られる就職パターンとは異なることが多いです。
アルバイトなどでアシスタントコーチとして始め、経験を積んでから正社員として採用されたり、契約社員でいくつかのテニススクールを掛け持ちするような雇用形態が多くなっています。
ですので、「新卒採用」という括りで項目分けするのは少し難しいのですが、アルバイト含め新卒と同じくらいの年代(20年代前半)でテニスコーチをしている人の年収はだいたい150万円~300万円、契約社員で年収200万円~250万円くらいです。
月給制の正社員の場合、初任給はだいたい月収にして18万円くらいからということになりますので、初任給に限って言うと一般企業並みかもしれません。
しかしその後の年代別でみると、20代で月収22万円、30代で月収24万円、40代で月収28万円というのがテニスコーチの給与相場で、年収にすると320万円~560万円ほどです。
同世代の年収と比べると、決して高いとは言えないのが実状です。
中途採用のテニスコーチの年収相場
アルバイトや契約社員で働いていたのが正社員として採用となったり、他のテニススクールに転職したりという形は「中途採用」ということになりますが、テニスコーチの場合はキャリアアップや年収アップのために違うテニススクールに転職するというのはレアケースかもしれません。
スポーツ用品店やスポーツジムで働いていたところ、テニスコーチをやりたくなって転職するというケースなどは考えられます。
この場合も、年収に魅力を感じてテニスコーチに転職するという人はあまり多くはありません。
したがって、「転職する理由になるほどの高い年収をもらえる仕事とは言えない」ということになるでしょう。
アルバイトのテニスコーチの年収相場
先に述べたように、テニスコーチはアルバイトから始めることが少なくありません。
アルバイトの場合は、レッスン毎の単価で支給され、その額は企業によっても違いますが、1週間に4レッスンを行ったとして、月額は3万円~5万円ほどにしかなりません。
しかし、考えようによっては、自分の頑張り次第でどんどん年収を上げることも可能となります。
テニスコーチの年収の決まり方
テニスコーチはアルバイトが多く、ワンレッスンあたりの単価はアシスタントコーチ→メインコーチ→ヘッドコーチとなるごとに上がっていきます。
特にアシスタントコーチはほぼアルバイトがやるので、正社員はメインコーチか、そのコーチたちをまとめるヘッドコーチの役割が与えられます。
その役割と、働いているテニススクールでの経験年数やテニスの技術レベルに応じて年収が変わってきます。
また、コーチとしてテニスを教える業務だけでなく、テニススクールの運営やイベントの企画などにも携わるようになると、その分年収も上がっていきます。
賞与や昇給
アルバイトには基本的に賞与は出ません。
正社員は他業種と同様、企業によるところが大きいのですが、僅かながらも支給されるところは少なくありません。
ただ、賞与支給には「企業にどれほどの成果をもたらしたか」というのが重視されるので、まずはテニスコーチとしての腕を磨き、生徒さんを増やす、というのが条件となります。
昇給に関しても、コーチとしてのレベルが上がらなければ望めないため、スキルアップを図ることが何よりの近道となるでしょう。
各種手当
残業手当など気になるところですが、これも企業によって異なります。
ただし、何度も述べているように、レッスン毎で単価が決まっているアルバイトのテニスコーチに関しては、どれだけ前準備や後片づけに時間をかけようと得られる収入は
変わらないため、残業手当は皆無と言えます。
安定性を求めるならば、やはり正社員をおすすめします。
テニスコーチの年収を上げるためにやりたい7個のこと
それでは、テニスコーチの年収を上げるためにはどんなことをすればいいのでしょうか。
アルバイトや正社員などの雇用形態によって違ってきますが、具体的にどのような方法があるのかを見ていきましょう。
たくさんレッスンに入る
アルバイトや契約社員の場合は、給与はワンレッスン毎に出るので、単純にたくさんのレッスンを受け持つことができれば、その分収入を得られることになります。
しかしテニスコーチは体力があってこその仕事であり、夏の猛暑の日でも、冬の寒い日でも同じように動き回らなければなりません。
「疲れた」というのを理由にして手を抜くことはできないので、たくさんレッスンを受け持つと言っても限度があります。
ある程度時間や体力に余裕を持ちながらレッスンを組まなければならないということを覚えておきましょう。
アルバイトや契約社員なら、いくつかのテニススクールをかけもちする
一つのテニススクールで自分の希望するだけレッスンを受け持たせてくれるほど余裕のある(生徒数が多い、コート数が多くてレッスン数が多いなど)というテニススクールはそう多くはありません。
そのため、収入をたくさん得るためにはテニススクールをかけもちして、レッスンに入る量を増やすことで総年収額をアップさせる方法が近道です。
正社員の場合はかけもちをするということ自体できないので、この方法は使えません。
テニスの技術レベルを上げ、ヘッドコーチや上級者クラスなどを受け持ってワンレッスンあたりの単価を上げる
アシスタントコーチではなくメインコーチ、さらにはヘッドコーチ、とランクが上がっていけば、それに伴ってワンレッスンあたりの単価も上がっていくので、そうすることで年収を増やすことができます。
そのためにはまずテニスの技術レベルを上げなければなりません。
テニスだけうまくなればいいというわけでもなく、レッスンを盛り上げたり練習メニューを円滑に効率よく進められるような、教える立場としての経験なども必要となってきます。
正社員になる
アルバイトや契約社員は、レッスン間の休憩時間、準備や片づけ、自主練習など、レッスン外の時間の給与は出ません。
つまり、拘束時間が長くてもその分全てに給与が発生するとは限らないのです。
正社員となることでこの問題はなくなり、ワンレッスンの単価ではなく、月給制となり安定に繋がります。
また、残業代や賞与などが支給されるようになる企業も少なくありません。
テニススクールの企画や運営にも携わる
先ほども少しご説明しましたが、テニスコーチとしてレッスンで教えるだけでなく、所属するテニススクールの運営、イベントの企画、集客(会員やスクール生)を増やすための戦略の立案などにも携わるようになると、年収がアップしていきます。
しかしそうなるとテニスをする時間は自ずと減ってしまうので、テニスがしたくてテニスコーチの仕事をしているという人にとっては、そこで働く意義や目的とは少し違ってきてしまうかもしれません。
大まかに「テニスと関わる」という括りではテニスに関する仕事と言えますが、この仕事にも興味ややりがいを見いだせるかは個人によって違ってきます。
年収アップを望んでいる人は、そのあたりも踏まえて考えてみるといいでしょう。
専属コーチになる
プロではなく、アマチュアの選手または趣味でテニスをしている人でも、契約を結んで専属コーチになることができます。
もちろん、コーチとしての経験や実績が問われたり、結果を出せるかにもよりますが、テニススクールに所属するよりも高い報酬を得ることができる可能性が高くなります。
また、テニススクールで契約社員として働きながらでも可能であったり、何人かかけもちしたりすることもできるので、手元に入る収入はアップするでしょう。
最終手段、プロまたは個人のテニスプレイヤーと専属契約
これまではアマチュア対象のテニスコーチの年収の上げ方をご紹介しましたが、こちらは最終手段とも言える方法です。
プロまたは個人のテニスプレイヤーと専属契約を結ぶことができれば、年収は一気に上がります。
しかし、そのためにはテニスの技術はかなりのものでなければいけませんし、テニス以外の知識(スポーツ科学やフィジカルに関係する知識など)も必要になってきます。
場合によっては日本体育協会の公認スポーツ指導員などの資格が必要なこともあります。
大幅な年収アップを望むなら、大きな努力や苦労も伴う、というのは他業種とも通じるでしょう。
私はこれで年収が上がりました。年収アップの体験談。
例えば営業で契約をたくさん取るとか、販売店で売り上げをアップさせるといった目に見える成果が出る仕事とは違うので、テニスコーチで年収をアップさせるのはなかなか難しいことと言えるかもしれません。
それでも中には年収がアップしたという人もいるので、その体験談をご紹介します。
アルバイトから正社員へ
上記にもある通り、アルバイトはレッスン毎の単価は他の仕事に比べても高いかもしれませんが、実際はレッスンの30分前には到着して準備をし、終わってからも片づけをしたり、レッスン間の休憩中だったりという時間は給与は発生しないので、拘束時間を支給される額で割って時給計算すると、かなり低くなってしまいます。
学生のアルバイトとしてやっている間はテニスが好きで趣味の延長としてやっていたため不満はありませんでしたが、それをライスワークとして捉えると、やっていける自信がありませんでした。
アルバイトをしていたテニススクールより以前から打診があったこともあり、大学を卒業したら改めて正社員として採用してもらえるようお願いしたところ、了承を得られました。
正社員になるとやらなければいけない仕事も増え、責任感も必要となりましたが、決して多いとは言えないものの、安定した給与に賞与、福利厚生ができたことで安心して働けるようになりました。
今は自分の好きなことを仕事にすることができているので満足しています。
予約が取れないくらいの人気コーチになって賞与アップ
テニススクールのレッスンは、練習内容はもちろんのこと、雰囲気は担当するコーチによって違ってきます。
「教えるのが上手」「いつも練習が楽しい」というコーチは当然人気も高く、そのコーチが担当するレッスンは定員いっぱいだったり、予約が取れないこともあります。
そういうコーチがテニススクールにいると生徒数や会員数が増えたりすることもあり、その貢献度が賞与として反映されることもあります。
なので、人気コーチになると月収自体は変わらなくても賞与がが増え、結果として年収がアップすることがあります。
ありふれた練習メニューで毎レッスンを無難に教えるのは確かに慣れてしまえば楽です。
ですが、人気コーチとなるために、「すべてのレッスンで気合を入れ全力でボールを追いかける」「どうしたら上手く教えることができるのか研究する」「レッスン以外でも積極的に会員さんに話しかける」など、自分のコーチとしてのスキルを上げていって、少しずつ自分のファンを増やしていきました。
その努力が実って、今では受け持つレッスンがほとんど定員いっぱいになり、その評価を賞与という形で支給してもらうことができました。
セレブが通うテニススクールや都心で働く
どの仕事でも言えることですが、やはり都内のテニススクールの方ががワンレッスンあたりの単価や基本給が高い傾向があります。
偶然、セレブな人が通うようなテニススクールでテニスコーチの募集があり、そこで採用してもらうことができました。
基本給が上がったので、手取りの給与は以前のテニススクールで働いていたときよりもアップしました。
勤務地などの条件によって給与が上がることもあるので、今のテニススクールの居心地がいいからと居座るのではなく、年収アップを望むならこまめに求人情報をチェックすることも必要だと思います。
まとめ
テニスコーチの仕事は目に見えて分かりやすい成果が出るわけではないので、仕事の結果や努力、情熱がそのまま年収に反映されるわけではありません。
それでもやはり意識やモチベーションを高く持って仕事に臨むことで、それが年収という形で評価されることもあります。
テニスコーチをしている人は、もともと仕事に対する意識やモチベーションは高い人が多いので、周りに負けないように仕事に打ち込む姿勢を見せることが年収アップに繋がるのではないでしょうか。
この記事がその指標の一つとなれば嬉しいです。
最終更新日:2019年6月25日