理学療法士の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
高齢化が進む中でますます需要が高まるリハビリのプロ「理学療法士」の年収を一挙公開!
現在、理学療法士を目指している方、関心がある方はもちろん、プロとして勤務しているという方にも読んでいただきたい内容となっています。
スキルアップしてより高い給与を貰うために必要なことや勤務先によって異なる報酬制度の内容なども含めて、複数の職場を経験した現役の理学療法士がお伝えします。
️理学療法士の平均年収は約410万円が相場
厚生労働省の統計によると、理学療法士の平均年収は約410万円となっています。
あくまで平均年収なので、勤務先や継続年数、能力によって差は生じます。
男女比率は約6:4とあまり差がなく、平均年齢は32.9歳と比較的若い方が多いのも特徴ですね。
では、他の企業と比較するとどうなの?ということについてですが、理学療法士の年収である約410万円は全体の平均年収と大きな差はありません。
能力、職場によっても差がありますが、基本的に初任給が高く設定されている代わりに給与の上がり幅が少ない職業であると認識していただいて構いません。
ただ、理学療法士は医療の専門的な職業の一つですので、基本給の他にも各種手当がつく職場が多いので、確認しておきましょう!
️理学療法士の年収・給料の構成要素
理学療法士の平均年収について前述しましたが、その中には基本給だけでなく、資格手当や能力給、歩合給が含まれています。
ここでは、各種手当がどのような意味を持ち、どの程度貰うことができるのかについて記載します。
転職を考えている方や、これから理学療法士として職場に勤務する予定のある方は特にチェックしていただき項目になりますので、ぜひ最後までご覧ください!
基本給・能力給・歩合はどれくらい?
理学療法士として勤務する上で必ずチェックしたいのが、給与の中にどのような報酬が含まれているのかですよね?
募集条件を見ても給与の詳細まで記載されている所は思ったより少なく、不明なままとなっている方も多いはず。
ここで記載する報酬額はあくまで平均的な値であること、どの職場でも適応されるものではないということを念頭に置いてください。
基本給は賞与(ボーナス)の大元ともなることの多い給与のことですが、平均すると月20万円ほどとなっています。
こう見ると「思っていたよりも低い」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、一般的には前述した資格手当や能力給が上乗せされていく職業です。
規模の大きさや勤務体制にもよりますが、資格手当が約1万円~2万円、そこに能力に合った報酬や活動量(歩合報酬)が加算されます。
ただ、能力給制度を取っている場所は少なく、基本的には資格手当と歩合、そこに残業代が加算されたものが給与となる形だと思ってください。
経験年数に応じて基本給や能力給が上がっていく年功序列形式をベースに、働き方に合わせた歩合給がついてくるという言い方が最も適しているかと思います。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
賞与は、基本給の約3ヶ月~5ヶ月となっている場所が多いですが、全ての勤務先に該当するわけではありません。
平均すると、理学療法士の平均賞与は約64万円となっています。
賞与は必ずしも保証されているお金ではないため、勤務先の業績や規模によっても変動が出ます。
では、大きい病院に就職するのが良いのかと問われると、一概にそうとは言えません。
小さい病院であっても理学療法士の需要があり、経営が安定していたら賞与が出ますし、逆に大きい病院であったとしても、何かしらの理由で業績が悪化した場合は賞与が貰えないこともあります。
事前に賞与の有無や実際にどの程度出ているのかということを把握できれば良いのですが、ホームページには記載されていないことが多く、なかなか判断しにくいですよね。
ただ、賞与はモチベーションや生活に関係することだとは思いますので、転職やこれから就職を考えている方は、担当者に直接確認してみるのも良いかと思います。
️理学療法士の年収を新卒や雇用形態別に見る
理学療法士を目指している方や、中途採用、パートやアルバイトとして勤務したいと思っている方へ向けた内容をこちらでご説明します。
正社員としてではなく、資格を活かした働き方をすることができるのも理学療法士の魅力の一つですので、知らなかったという方はぜひ参考にしてみてくださいね!
新卒の場合の理学療法士の年収
新卒の場合の年収は約260万円となっています。
少ないと感じた方も多いのでは?
それには理由があります。
- 新卒は賞与(ボーナス)の支給額が少ない
- 歩合報酬や残業代が反映されにくい
新卒で勤務される方は、上記2点は押さえておきましょう。
例えば、年に3回(春、夏、冬)に分けて賞与を支給する勤務先に就職したとします。
多くの場合4月が入職ですので、夏のボーナスを受け取るまでの勤務日数、時間が短くごく僅かしか反映されない、もしくは反映されないということがあります。
新卒の方が満額貰うことができるのは冬のボーナスからになるということです。
就職先によっても差がありますが、入職した当初は先輩の見学につき、治療の勉強や残業なしで帰宅する方針を取っている場所も多いので、最初の数ヶ月は残業手当や歩合報酬がつかないことがあります。
場所によっては入職当初から複数の患者さんを持ち歩合報酬や残業代が反映されることもありますので、事前に確認が必要ですね。
新卒の方が気になることの一つに、他の新卒と比較して理学療法士の初任給はどうなの?ということがあるかと思います。
分かりやすく月収でお伝えすると
- 新卒のサラリーマンの平均月収 約20万円
- 新卒の理学療法士の平均月収 約23万円
となっています。
これを見てどう捉えるかはあなた次第となりますが、基本給に国家資格であるという資格手当が加算されている給与であるということが大きいですね。
新卒の場合でも、夏や秋になれば担当患者さんが増え、残業申請や場所によっては歩合報酬を加算する形で活動させてもらえるようになってくるかと思いますので、努力次第で更に報酬アップが期待できますよ!
社会人が転職する場合の年収(正社員)
現在、社会人で専門学校や大学に通いながら資格の取得を目指しているという方もいらっしゃるかと思います。
結論から申しますと、社会人を経験されてから理学療法士になった場合も新卒と同様の報酬となります。
ただ、例えば前職が医療関連職であった、他の医療関連資格を取得しているなどの場合は勤務先によって優遇される面もあるかと思います。
理学療法士は専門的な資格であるということ、経験や実績で給与が上がっていく職業の1つであるため、資格を取得し勤務した年齢によって優遇されるということはあまりありません。
パート・アルバイトの場合の理学療法士の年収
理学療法士は正社員以外にもパートやアルバイトとして勤務する体制を選択することもできます。
小さなお子様がいらっしゃる方や自由な働き方を希望される方などが該当しますが、基本的には時給制となるか、一時的に「時短」という正社員の勤務時間をあなた個人の働き方に合わせて短くする仕組みをとる場所が多いです。
週に数回、特定の病院やクリニックで勤務をするのであれば「時給×勤務時間」となり、「時短」を選択するのであれば、正社員の給与から時間分を換算して引かれる形をとります。
個人の勤務内容や時間によっても大きな差がありますので、年収を割り出すことはできませんが、同勤務年数の方の給与、勤務時間からおおまかに算出することはできますね。
場所によって差がありますが、アルバイト勤務する場合時給換算は約1,500円~2,500円と、専門的な資格であるだけに高く設定されていますので、参考にしてください。
経験年数や実績によっては時給に加え能力給を給与に加えている場所もあります。
️理学療法士はどういった勤務先だと年収が高くなるか?
理学療法士の勤務先には大きく分けて「大学病院やリハビリテーション病院」「訪問リハビリ・看護ステーション」「介護ステーション」「クリニック」があります。
それぞれの勤務先での年収はどの程度異なるのでしょうか。
気になる業務内容や休暇情報なども踏まえてお伝えします。
大学病院・リハビリテーション病院で働く場合
大学病院、リハビリテーション病院の主な業務内容は患者さんのリハビリ(外来含む)や入退院手続き(資料作成など)です。
病院により異なるものの、基本的には8:30~17:00をベースし、残業手当が報酬に加わる形です。
土日祝日が固定給の場所からシフト制で勤務する形態の場所までありますが、両者共に同勤務年数であれば大きな収入の差はありません。
収入アップを目指すのであれば
- 役職、管理職に就く
- 病院で訪問リハビリを行っていれば、訪問部署へと異動する
- 多くの仕事を任せてもらえるようになり残業に力を入れる
上記の三つのいずれかが必要です。
新卒の方がいきなり収入アップを目指すのはなかなか難しいのですが、ある程度の経験を積まれていて実績のある方は積極的にチャレンジしてみてください!
訪問リハビリ、看護ステーションで働く場合
病院での勤務と比較して、少人数で業務をこなすため残業が多くなる傾向にあります。
休暇の日数も、場所によっては固定の週1回に加えて自由に休暇希望を出せる場所から、患者さんの状況に合わせてシフトが決まる場所まで幅広いです。
基本的には患者さんから依頼があって仕事をする形となるため、収入アップに繋げるためにはリハビリの技術はもちろん、接客力や営業力も必要だと思います。
そのため、他の勤務先と比較すると実績豊富なスタッフで構成されている場合も多く、募集要件にも「実務経験数年以上」と記載がある場合もあります。
理学療法士の実務の勤務体制の中では最も高収入が期待できる分野でもあるため、関心を持つ方が多いですね。
介護ステーションで働く場合
介護施設で勤務する理学療法士は一つの施設につき数名なので、多忙な日も多くなります。
他の勤務体制と比較すると、患者さん1人あたりのリハビリ時間を短くし複数の方のリハビリをするということになります。
休日は他の勤務体制と同様にシフト制が一般的です。
給与面で見ると、病院勤務とほとんど変わりありません。
多くの患者さんを看たいという希望がある方の就職が多いですね。
収入アップを目指すのであれば、実績を元に訪問リハビリへの異動や役職を目指すという方法があります。
クリニック勤務の場合
クリニックとはいわゆる「外来専門のリハビリ」のことです。
比較的、身体能力の高い患者さんに治療を行います。
短時間で効果を出すことが求められるため、より繊細な能力が求められることもありハードルは高いといってよいでしょう。
その分、給与含めた待遇面が良いとして実績を積んだ理学療法士がクリニックへ異動することも。
訪問ステーションと同様に少人数で業務を遂行するため、病院と比較すると勤務時間が長くなる傾向にあります。
️理学療法士は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
理学療法士として勤務する上で「最高でどのくらいまでの年収を目指せるのか」ということが気になる方も多いのではないでしょうか。
結論から申しますと、あなた次第でいくらでも伸びます。
理学療法士は自らの経験や腕を武器に実力を伸ばしていくことのできる職業です。
そのため、あなたが頑張った分だけ給与を伸ばすことができるのです。
では、一体どのようにして収入を伸ばしていけば良いのでしょうか。
答えは一つではありませんが、収入をアップさせている理学療法士が実際に取り組んでいることや意識していることを以下でご説明しますので、参考にしてください!
️理学療法士で年収をアップさせたい人がやってほしい3つのこと
理学療法士として活躍し、実績、スキルをアップさせ収入へと繋げるために取り組んでいただきたいことを述べます。
現在、記事を読んでくださっているあなたが理学療法士を目指す学生さんや関心のある方であっても、就職して間もない新人さん、キャリアのある方であっても皆さんに取り組んでいただける内容、もしくは目を通していただきたい内容となっています。
ここでは、キャリアアップに必要な三つの要素をお伝えします。
積極的に勉強会やスキルアップ講座に参加する
現役の理学療法士の方であればご存知かと思いますが、あらゆる場所でスキルを磨くための講習会や実技会が行われています。
費用がかかることもあり多くの参加が難しいという方も、関心の深い分野や専門性を高めたい分野の講習会には可能な限り積極的に参加してみましょう。
身についた技術を高め活かしていくことができれば、理学療法士としてできることの幅も広がり、収入アップへ繋がる手段となります。
役職や管理職を目指す
勤務年数に必ずしも比例するわけではありませんが、信頼が厚くなると仕事を任されることが多くなります。
理学療法士の仕事はリハビリだけでなく書類業務や患者さんとの関係構築など目に見えない部分も評価されますので、人間性を磨き、いち早く役職につけるよう努力すると、自ずと収入もついてきます。
人数の多い場所で勤務しているとそれだけ競争率が高くなるため、ある程度の経験を積んだら実績を活かせる職場に異動し、そこで役職に就くという方も多いですよ!
収入アップに捉われるのではなく、今何をすべきかを考えて行動する
これは、挙げた三つの中で最も重要なことであると思います。
理学療法士は患者さんを病気や怪我の状態から回復へと繋げる仕事であり、信頼関係が大切になります。
目の前の患者さんのことを第一に考えて常に行動している理学療法士は誰から見ても尊敬できますし、人間として立派です。
そのような考えを持って行動している方は特別なことをしなくても自然と認められ、仕事を任せてもらえるようになります。
収入は大切ですが、それ以上に理学療法士として求められる行動ができる方が最も収入アップのチャンスを掴めるのです。
️これから理学療法士になる人へのアドバイス
理学療法士に関心のある方、現在、学生の方にお伝えしたいことを述べます。
理学療法士は患者さんが病気や怪我から回復までをサポートすることのできる非常にやりがいのある仕事です。
あなたが目標としている理学療法士はどのような方でしょうか?
真摯に患者さんと向き合い自らの技術を磨いている理学療法士は、筆者を含む現役の理学療法士からも見ても、患者さんやご家族さんから見ても立派です。
収入面が気になるという方も多いようですが、前述したようにあなたの意志、行動次第でいくらでも収入アップが期待できますし、活躍できる幅も広くなりつつなります。
あなたの立派な志で多くの患者さんの健康をサポートしてください。
️まとめ
理学療法士の給与やその他手当、収入アップの方法について述べました。
筆者の主張をまとめます。
- 理学療法士の給与は場所によって大きく異なるものの、その他の職業の平均年収と同水準にある
- 病院、クリニック、訪問ステーションなど勤務先によって業務内容や求められるスキルが異なり、収入も僅かに差があるため、要チェック!
- あなたの努力次第で収入に繋がるのが理学療法士!患者さんのためにできることを精一杯やろう
上記を踏まえて、あなたらしい理学療法士として活動してください!ご活躍を心よりお祈り申し上げます。
最終更新日:2020年4月20日