ラノベ作家の年収を徹底解説|給料・初任給・年収が高い人の特徴や年収アップ方法
さて、今回はラノベ作家の年収を紹介します。
そもそもラノベ作家とは?という方に簡単にご説明しますと、ラノベ作家とはライトノベル作家の略です。
ライトノベルとは小説の1ジャンルのことで、主に対象年齢は未成年です。
最近ではアニメ化やコミカライズ化など多数のメディアミックスも展開しており、代表的な作家を挙げると『マルドゥック・スクランブル』の冲方丁先生や、2015年にドラマ化もされた『掟上今日子の備忘録』でお馴染みの西尾維新先生などが有名ですかね。
前置きが長くなりましたが、そんな小説の中でも一風変わったラノベ作家の年収について、今回は取り上げたいと思います。
ラノベ作家の平均年収は200万円~300万円が相場
ラノベ作家の平均年収は200万円~300万円が相場とは言ったものの、この「平均」という計算方法には思わぬ落とし穴が存在するのです。
さっそく、それを説明していきましょう。
今回の作家のような職業の場合、最底層と中堅層と最高位層の年収金額が離れているためにどうしても平均が吊り上がってしまいます。
売れっ子作家の年収金額を計算に使用している時点で、統計としては使えません。
まったくの嘘八百になります。
より事実に沿った年収金額を知りたいのならば、年収金額の少ないほうから数えた真ん中…すなわち中央値を参考にするべきです。
中央値の年収金額であれば、より正確で現実的な数字に近くなります。
ラノベ作家の年収・給料の構成要素
次に、どういう仕事内容から収入を得ているのかについて紹介します。
では、以下の収入源について解説します。
- 原稿料
- 印税
- その他(講演活動やグッズ関係や権利収入など)
ラノベ作家の原稿料
小説家・ラノベ作家の原稿料は、文芸誌などの連載で発生します。
原稿料は、400文字原稿用紙に換算しての1枚の値段です。
有名作家の原稿料
- 小説雑誌 :原稿用紙1枚4,000円~6,000円
- 新聞の連載小説 :1回分5万円
- ウェブサイトの投稿:300文字5,000円
- 文庫本の解説 :原稿用紙5枚~10枚約10万円
- 帯の推薦文 :2万円~3万円
原稿料は、作家の知名度によって変動します。
あくまでこれは売れっ子作家の場合なので、底辺の作家はもっと下がると考えましょう。
芥川賞受賞の羽田圭介先生の場合、デビューしたての雑誌原稿料は、1枚で300円でした。
そこから原稿料は上がっていき、芥川賞の受賞前は約4,000円、受賞後には5,000円近くまでなったそうです。
(小説家・ラノベ作家の収入源&年収|印税や原稿料を具体的に解説!から引用)
基本給はどれくらい?
ラノベ作家の印税率は大体8%~14%の間と言われています。
電子書籍については、印税の15%~30%が相場です。
そして電子書籍の売り上げ部数は、紙媒体の売り上げ部数の2割だそうです。
ラノベ作家の印税以外の収入源としては、講演・テレビ・ラジオの出演、またグッズ販売による権利収入となります。
【刷り部数契約】
刷った部数だけ印税が支払われる契約。
例え売れ行きが悪くても刷った部数は保証されるので、作者に有利と言えます。
【実売部数契約】
本が実際に売れた部数により印税金額が計算され、作家へ支払われます。
売り上げ部数の集計期間は様々で、出版社によって違うようです。
作家は本が売れなければ印税収入を得られません。
しかし、初版保証というものもあり、初版の40%~70%を刷ったのち部数契約で印税が支払われる、いわゆる救済措置も存在します。
電子書籍の場合は、実際に売れた部数により印税が計算されます。
ラノベ作家の収入源
ベーシックは無報酬であり、高くても10万円です。ファンサービスの面が大きい。
森博嗣先生の場合、1本40万円。作家以外の有名人について調べますと、基本は5万円~10万円。インフルエンサーで20万円~30万円。テレビにひっぱりだこの有名人は50万円~200万円になります。
ふたりで話すなど、イベント感が強い。宣伝活動のため、基本的に謝礼はでない。貰えて10万円といったところです。
森博嗣先生がNHKにご出演した際は、時給で10万円~20万円だそうです。
謝礼程度。
著作権使用料は、1話で10万円~20万円が相場。
著作権使用料は、1時間の放送で50万円。
著作権使用料は、約数百万円。
原作者と漫画家で、利益をちょうど半々で分けることが多くなります。
ゲーム化された際の著作権使用料は、ゲーム売り上げの3%だそうです。
ラノベ作家の初任給はどのぐらい?
ライトノベル作家の年収については、売れっ子作家と売れない作家では、雲泥の差があります。
具体的には300万円以下と1億円越えの超格差です。
村上春樹先生や東野圭吾先生のような最高位の作家は、何億という年収を稼いでいます。
打って変わって底辺~中堅の作家は、年収100万円~300万円といったところです。
『新人作家で年収150万円なら売れている部類』というのが常識だそうです。
新人賞を獲得した場合は、100万円~300万円が大賞賞金として贈られますが、それを差し引いても作家として筆一本で食べていくのは厳しいのが現実のようです。
ラノベ作家は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
さて、ラノベ作家の最高年収はいくらなのか?
みなさんも1番興味があるのではないでしょうか。
では早速見ていきましょう。
一大ラノベブームを巻き起こした谷川流著の『涼宮ハルヒの憂鬱』は、累計850万部。
850万部×70円=約5億9500万円
2003年~2011年の8年とすると、年収は7437万円。
月収は619万円となります。
お次は、神坂一著の『スレイヤーズ』で2000万部。
そして、今はお亡くなりになった栗本薫著の『グインサーガ』はなんと3000万部。
単純計算で『スレイヤーズ』は2000万部×70円=14億円
『グインサーガ』は3000万部×70円=21億円
税金で半分持っていかれたとしても、一生遊んで暮らせますね。
これだけ聞くと夢のある職業です。
ラノベ作家の年収の決まり方や、年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
1.「過去に売れた作品がある」
実績というのはどこの世界でも重要だと思います。
それはラノベ業界でも同じことで、過去にアニメ化やコミカライズでヒットを飛ばした作家はやはり強いです。
編集者からの信頼も厚いでしょうし、それを何年、何十年と続けていけば大先生と呼ばれ、印税契約のパーセンテージも上がっていくことでしょう。
2.「ラノベの骨子となる世界観」
壮大な世界観を作るためにはどうすれば良いのか?
その答えは、まず世界を知ることからでしょう。
例えば知識とは、小説に類する知識ということだけではなく、世間一般における様々な知識のことを言います。要するに博識であるということが作家としてはすごく強みになるのです。
小説というのは、多数の作品がフィクションですが、作者は想像のみで小説を書くことはできません。
これまでの人生で経験してきたこと、その経験から得た情報を頭脳に落としこんで物語を書きあげるのです。
例えば野球を経験したことのない者に本格的な野球の物語を書けというのは酷な話です。
知識不足により誤った情報や常識のないなことを書いてしまわないためにも、常日頃から知識を記憶する意識を持っていましょう。
これにつきましても本を読むという方法が1番身近で有意義な方法でしょう。
3.「ラノベの皮膚となる文章力」
小説家のスキルとしては、やはり文章力は外せないでしょう。
文章力があり表現の豊かな小説というのは感情移入もしやすいですよね。
文章表現に魅了され瞬く間に物語に引き込まれてしまうなんていう経験もあるかと思います。
文章力とは、どれだけの小説を読んで書いたかで決まるものです。
これに尽きます。
例えば小説の最もありきたりな表現方法である比喩などは、上手い作家の文章を見ることで使うタイミングがつかめてきたりもします。
魅惑的な文章力で、ぜひ読者を虜にしてしまいましょう。
4.「ラノベの頭脳となる構成力」
読者に対しての物語の魅せ方も、やはり重要です。
小説が生き物だとすれば、命と言い換えても良いかもしれません。
小説に限らず、物語作品において構成というのは命の源泉そのものです。
構成がぐちゃぐちゃで因果関係もおかしくなっていたりする物語は、途中で読む気がなくなってしまうものです。
誰にでもそのような経験があると思います。
しかしラノベの頭脳となる構成力がしっかりしていれば、スラスラと読み進めることができますね。
またそこに急展開がいくつも盛りこまれていたりしたら、更に読者は物語に没入していくはずです。
構成力は小説の頭脳であり、基本だと思います。
まとめ
ラノベ作家の年収査定で大事なのは、特に「友情」「努力」「勝利」!
ここまで書いたことはどこへやら…と思われるかもしれませんが、ラノベは一般文芸というより少年マンガイズムを強く継承しています。
読者層は若いのです。
あなたよりもおそらく年下でしょう。
枝葉末節など、プロになってから気にすれば良いのです。
デビューするまでは人に言われたことなど気にせずに、好きな題材を勢いよく書き上げることが最も大切なのです。
雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けず、時には怠惰な自分をひっぱたいてでも、とりあえず書くことです。
ラノベ作家が年収を上げるためにできることとは?
とにかく小説を読む
ラノベ作家のように自分の内からアイディアや人物を産みだす仕事をするにはインプットが大切です。
様々な作品・ジャンルの小説を読み漁り「こんな表現もできるのか」「文章の言い回しが見事」「物語の構成が秀逸」など考えながら読書すると、自分が小説を書くときに便利です。
ニュースや新聞を読む
世間一般で起こっている情勢を知っておくことも、小説家には必要なことです。
ニュース・新聞などには世間一般が持っている常識や意見が多くあります。
ですから、自分と意見が合わないと感じても知っておくことで、小説の中の人物の思考をよりリアルに書けます。
またニュース・新聞を読むと、自らがどんな分野に興味を引かれるのか分かり、小説の題材を発見することにもきっと繋がるでしょう。
取材をする/自ら体験する
読書はリアルな物語・言葉に興味があります。
ですので、現実に物事を体験した人の本心を物語に反映できれば、非常に魅力的な小説になるでしょう。
そして作家本人が経験したことを書くことで読者も場面を想像しやすくなり、物語に奥行きがでます。
専門分野の勉強をする
一つの分野について深掘りしていくと意外な驚きがありますので、自身の小説に生かせば読者も面白いと感じてくれるはずです。
上手く作品にするには、その分野のことを分かりやすく読者に伝えなければなりません。
分かりやすく、違和感を抱かせないためには、まず作家自身がその専門分野の情報を吸収する必要があるのです。
一つの分野を専門にして出版している出版社もあるので、専門知識を身につけたい場合はそこの書籍を濫読するというのもおすすめです。
面白くて他人には書けない物語が書きたいと思うのでしたら、ぜひ専門分野について一度勉強してみましょう。
辞書を読んでみる
意味を調べるときに活躍する辞書。
つまり言葉の宝箱であるとも言えるでしょう。
最初から最後まで読む必要はありませんが、ページをめくって「綺麗だな」と思う言葉を記憶しておくと、文章を書くときに便利です。
様々な小説を読み、好きな文体をインプットしておくことで、日常生活の文章を書く機会においても助けになることでしょう。
辞書は出版社ごとに説明や言葉が若干違うので、その違いを見つけるのも面白いかもしれませんね。
さいごに
ここまで読んでいただいて察しの良い方はすでにお気づきだと思いますが、昨今の出版業界は斜陽産業です。
これからラノベ作家を目指す人は厳しい戦いに憂き身をやつすことになるでしょう。
しかし私は、それは今に始まったことではない気がするのです。
そもそも人間、娯楽など何でも良いのですから。
落語でもテレビでもゲームでも。
今で言えば代表的なものでYouTubeが挙げられますでしょうか。
それでも、紫式部の『源氏物語』は千年も前から現代まで読み継がれています。
それは逆説的に、小説でしか満たされない人間の中にある不思議な欲望の証明ではないでしょうか。
読むにせよ、書くにせよ。
その欲望に耳を傾けてみれば、小説の神様の声が聴こえるかもしれませんね。
そしてきっと、そのお方はこう仰っているはずです。
あなたのライトノベルが世界を変える。
皆さんはこの記事をご覧になって、何を感じられたのでしょうか?
少しでも皆さんの人生の役に立てばと思います。
最終更新日:2020年8月6日