パソコンインストラクターの年収を徹底解説|給料・初任給手取り・手当・年収アップのポイント
PC(パーソナルコンピューター)の使い方を指導したり教えたりする「パソコンインストラクター」の年収の相場はどのくらいなのでしょうか。
現代社会においてパソコンは、仕事だけでなくプライベートでも無くてはならないものの一つとなっています。
高齢者がパソコンを使う機会も増え、パソコンインストラクターの需要も高まるばかりです。
この記事では、そんなパソコンインストラクターの「年収相場」「年収の決まり方」「年収アップの為の秘訣」などについてご紹介していきます。
パソコンインストラクターの年収の相場はどのくらい?
パソコンインストラクターと一口に言っても、正社員かアルバイトかなどによっても、その年収や待遇は異なってきます。
ここでは、パソコンインストラクターの年収相場を雇用形態別に見ていきましょう。
正社員で新卒入社したパソコンインストラクターの年収相場
パソコンインストラクターの平均年収の範囲は、おおよそ200万円台~300万円台が相場と言えます。
パソコンについての知識はもちろん必要ですが、人に教えるための指導者としての資質を身につけることも重要です。
生徒さんは一人一人動機も目的も異なるので、それぞれに向き合って問題点や要望を見つける観察力と、分かりやすく丁寧な説明をするためのコミュニケーション能力が必要となります。
正社員で転職したパソコンインストラクターの年収相場
キャリアを積んで転職した場合、大体年収は上がる傾向にあります。
場合によっては年収が500万円台~600万円台までアップすることもあります。
その場合はパソコンの指導スキルだけではなく、教育者としての資質や組織内でのマネジメント能力なども評価される可能性が高いので、求人の要望により年収の幅も大きくなります。
パート・アルバイトのパソコンインストラクターの年収相場
アルバイトやパートでパソコンインストラクターの仕事をする場合は、時給制が基本です。
勤務地域の最低賃金基準により、時給額は変動します。
大体900円〜1,500円が平均的な時給と思われます。
年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?
賞与
賞与に間しては、正社員のインストラクターにしか支給されないことが多いようです。
勤務先の規定に応じて、各種保険加入や手当支給の対象となります。
賞与に関しても勤務先規定に準じる形となります。
昇給
正社員のインストラクターの場合は、勤務先の規定に応じて、キャリアや役職ごとに昇給する仕組みとなっています。
中には、パート・アルバイトでも昇給があるところもあるようです。
各種手当
正社員インストラクターの場合は、勤務先の規定に応じて交通費や福利厚生などの各種手当が支給されます。
パート・アルバイトは出ないことも多いようです。
年収が高い人は何が違うの?
パソコンインストラクターの仕事をする上で、年収の違いは何によって決まるのでしょうか。
パソコンストラクターで年収の高い人の特徴を見てみましょう。
スキルが高い
パソコンインストラクターはパソコンについて指導したり教えたりするので、パソコンスキルを持ち合わせているのは当然ですが、生徒側のレベルやニーズによっても講師の必須スキルは変わってきます。
パソコンスキルを客観的に証明する資格としては「パソコン技能検定」や「パソコンインストラクター資格認定試験」「MOS/MCAS(Microsoft Office Specialist)」などの資格があります。
それに加えてOffice系、Web系、DTP系、IT系などさまざまな系統が存在します。
それらは大体、WordやExcelの他にAccessやOutlookがベースです。
また、「アドビ認定アソシエイト(ACA)」の資格を取得すれば、PhotoshopやIllustratorなどのクリエイティブ系を指導することも可能となります。
さらに、DreamweaverやディレクションスキルがあればWebサイト制作を教えることもできますし、CADのスキルがあれば建築系にも強くなります。
役職に就いている
勤務先や所属組織により異なりますが、複数のパソコンインストラクターをまとめるマネジメント的な立場を任されるようになると、リーダーとしての役職に就くと共に年収にも相応の額が反映されることになります。
勤続年数が長い
他の職業と同様に、パソコンインストラクターもキャリアにより昇格や昇給が変わってきます。
勤続年数だけが基準ではありませんが、勤続年数をキャリアとしてある程度参考にする企業は多いと思われます。
需要の多い地域で働いている
エリアでの違いは当然ながら存在します。
やはり首都圏は年収が高いです。
東京、大阪の他に愛知、福岡などの地方都市も比較的年収が高くなります。
パソコンインストラクターで年収を上げるためにやるべき7個のこと
ここまでは年収の決まり方について述べてきましたが、実際にパソコンインストラクターの仕事を続ける上で、年収を上げるためには何をすれば良いのでしょうか。
以下に、年収を上げるためにやるべき事項を7点挙げてみます。
今の勤務先でできること
年収アップの交渉をしてみる
最もストレートな方法は、年収アップの交渉をすることです。
ただし交渉するには、希望額に見合ったスキルを提示できなければお話になりません。
資格を身につけたり、生徒数を増やすなど、第三者が見ても明確に分かるようなエビデンスの提示が必要です。
スキルアップを図る
パソコンインストラクターの仕事は、単にパソコンの使い方を教えるだけではありません。
生徒に直接指導をすることから、接客業でもあると言えます。
幅広い年齢層の生徒を相手にする必要があり、コミュニケーション能力はマストです。
また、難しいパソコンの専門用語を、誰もが理解できるように伝える国語力や語学力も必要となります。
もちろん、自身が担当していない系統のソフト・アプリを習得し、教えられるようになることも、良いスキルアップとなります。
コミュニケーションスキルを身につける
パソコンインストラクターは、生徒の隣で常に説明することが仕事なので、汚れた身なりや雑な話し方では生徒も来なくなってしまいます。
きちんとした身なりを心がけ、丁寧に接するだけではなく、授業を飽きないように改善したり、独自の分かりやすい教え方で指導してみたりと積極的に改善を図り、生徒とのコミュニケーションを高める必要があります。
また何か悩んでいる生徒に対しては親身になって寄り添い、一緒に解決してあげられることならば解決策を模索したりし、信頼感を獲得できるように努力することも大切です。
思い切って転職する
今の勤務先での年収アップは難しい、という場合は、思い切って転職するのも一つの方法です。
その場合には、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。
転職先の選び方について解説します。
転職先の選び方1:幅広く事業を展開する規模の大きな教室を選ぶ
個人経営のPC教室ではなく、幅広く事業がある中でPC教室も運営しているような会社があります。
そのような場であれば、プログラミングスキルや開発プロジェクトの進め方などに携わることで、単なるパソコンの使い方を教えるというだけではなく、SE並みの経験や知識も身につけられることでしょう。
スキルの幅が広がるので、それに伴い年収アップの可能性も高くなります。
また、それだけの規模の会社であれば、最初から基本給が高く設定されていることも考えられます。
転職先の選び方2:正社員の求人にこだわる
正社員として雇用されれば、社会保険と年金に加入できますし、また福利厚生や年休などその企業の規定内での待遇は確保され、安定した収入を得られるので安心です。
パソコンインストラクターとしてのキャリアや経験があるならば、そのこと自体が強い味方となりますが、「正社員」という安定性はやはり大きな魅力です。
独立する
パソコンインストラクターとして大幅な年収アップを望むのならば、独立するのも一つの手です。
フリーのパソコンインストラクターとして活動する
パソコンインストラクターは、フリーでも活動できることが最大の魅力です。
自分が動ける時間と教えられる範囲内で仕事を請け負い、自分自身で自由に仕事を組み立てることが可能となります。
収入はスキルと活動時間数、教えられる受講人数に比例しますが、時給換算で2,000円から1万円程になります。
パソコン教室を開校する
自らが経営者となりパソコン教室を開校すれば、大きな収益が期待できます。
自分が教えられる範囲での事業方針でスタートすることが多いため、開校方法は様々です。
また事業規模についても、自宅の空いたスペースを使って開校したり、教室を使わず遠隔操作で授業を行ったり、営業をかけて相手のところに出向いて講師をすることが可能です。
他にも、商業施設やベットタウンに隣接した場所に教室を構えて開校するなど、あらゆる方法があります。
収入は開校方法や事業規模により変動しますが、大体月収30万円~100万円程を得られるでしょう。
年収をアップさせるための求人の選び方
では、パソコンインストラクターの仕事をする上で、年収をアップさせるためには、どのような点に注意して求人を探せば良いのでしょうか。
重視すべきポイントをいくつかご紹介します。
年収相場が今よりも高いところを探そう
先にも述べたように、個人経営のパソコン教室よりは大規模な経営を展開しているパソコン教室の方が、年収相場は総じて高い傾向にあります。
また、パソコン教室の講師よりも、企業向け研修の講師の方が更に年収相場は高いです。
ただ、企業向け研修の講師をする場合は、お年寄りにメールの使い方やワープロソフトの使い方を教えるのとは訳が違い、受講する人たちもそれなりに知識を持っていますので、講師はそれ以上の知識を必要とされ、求められるレベルは格段に上がります。
賞与や昇給制度をチェック
正社員としての求人の場合は、企業の社員として働くことになるので、その企業の規定に準じた賞与や昇給制度となります。
あらかじめ賞与や昇給制度を確認するか、面談の時などに思い切って聞いておくことが望ましいでしょう。
残業代はちゃんと出る?
残業代が出るかどうかも事前に聞いておくべき必要があります。
パソコンインストラクターは生徒がいてこその職業のため、勤務時間も生徒が多く集まる夜などに集中することが多いです。
そのため、勤務時間が不定期になることは否めません。
それを踏まえた上での残業となりますので、企業により、また個人のスキルやキャリアにより、残業代が支払われる基準は異なると思われます。
交通費や福利厚生は?
正社員としての求人の場合は、その企業の規定に準じた交通費が支給されたり、福利厚生を受けることができます。
パート・アルバイトは通常あまり期待できない事項ですが、企業によっては交通費や福利厚生が保障されているところもあります。。
企業により大きく異なるので、面談の時にあらかじめ聞いておく様にしましょう。
この働き方は、こんな人におすすめ!
雇用形態によって、メリット・デメリットはそれぞれ異なります。
ここでは、それぞれの特徴に触れながら、雇用形態別に向いている人・おすすめな人をご紹介します。
正社員
正社員として雇用された場合、他の雇用形態よりも年収が高く、厚生年金や福利厚生もしっかりとしているので、安定した給与を得ることができます。
安定した給与や待遇を要望しているならば、正社員がおすすめです。
ただ正社員だからといってあぐらをかいていると、あっという間に日々のパソコン進化についていけなくなります。
生徒集客のノルマが課せられたり、企業内部の庶務・雑務などをしなければならないこともあります。
常に自身も努力や勉強を重ねる必要があります。
契約社員
契約社員も社員としての雇用形態になるので、安定した給与を得ることができます。
それでいて、正社員とは異なり、ノルマが少なかったり課せられなかったりすることもあります。
ただし、契約社員として常に契約が更新されれば問題はありませんが、経営状況により契約が更新されない場合は、職を失うことになるというデメリットも生じます。
企業に縛られず、現在の自分に見合った勤務形態や勤務時間を必要とするならば、契約社員がおすすめです。
パート・アルバイト
自分の自由な時間の範囲内で業務をすることができ、またノルマなどは課せられないので気軽に請け負うことができます。
しかし、パート・アルバイトという立場上、いつ職を失ってもおかしくはない状態であり、また場合により自分の思うようにシフトに入れない可能性もあるので、勤務先の状況によるところが大きいでしょう。
学生や主婦など本業が他にあり、空いている時間を利用して稼ぎたい人ならば、パートやアルバイトという形でパソコンインストラクターをするのはおすすめです。
派遣
パソコンインストラクターは、派遣社員が最も多い雇用形態となります。
正規雇用の正社員でも新卒採用はほとんどなく、中途採用が圧倒的なため、まずはスキルアップやキャリアを目指して、派遣社員からスタートすることも珍しくはありません。
キャリアアップやスキルアップを目指してパソコンインストラクターをするならば、派遣社員がおすすめです。
派遣社員としてさまざまな経験を積み、自分に合った職業か見極めながら多くの仕事を経験していきましょう。
パソコンインストラクターの働く場所と環境
年収の面でも軽く触れましたが、パソコンインストラクターとして働くには、どのような職場があるのでしょうか。
最後に、パソコンインストラクターの大まかな勤務先を解説します。
パソコン教室の講師
仕事で初めてパソコンを使うことになったミドルやシニアのビジネスパーソン、趣味で使ってみたいという年配の方を対象に、街のパソコン教室や自治体が主催する市民講座の講師としてパソコンの使い方を教えます。
初心者向けなので、パソコンを触ったことがない人にも分かるように、専門用語を使わず簡単な言い回しで説明する気遣いが必要となります。
また講義だけではなく、何が分からないのか分からないという受講者に対して、個別にカウンセリングを行うこともあります。
教室の規模や場所などにより、年収は大きく異なります。
企業向けの研修
商工会や自治体が主催する企業向けの研修で、中小企業や個人事業主に対して、企業経営に役立つパソコンの使い方を教えます。
文書作成だけではなく在庫管理や売上表作成、プレゼン用の資料作成など、ビジネス的なスキルが必要となり、また実用向けの活用方法を解説・応用できるよう理解しておく必要があります。
相手方の企業の規模や指導範囲、また自治体により年収も大きく変わります。
教育機関の職員
学校や大学などのIT関連部署に所属し、学生に対して学内パソコンの利用法を指導します。
主に、レポート作成や学内ネットワークに必要な講習、SNSに関する基本的なリテラシーやマナー、ルールなどを講義します。
教育機関の職員となるため、機関により年収も異なります。
まとめ
今回はパソコンインストラクターの年収について、様々な視点から解説しました。
パソコンスキルはもちろんのこと、生徒あっての職業なので、コミュニケーションや話し方、語学力など、他にも身につけておかなければならないスキルはたくさんあります。
信頼されるパソコンインストラクターになれるよう、日々の努力を重ねることが大事です。
パソコンインストラクターとして自身のキャリアアップを考える際に、この記事が一つの参考となれば嬉しいです。
最終更新日:2019年7月10日