パチンコホールの給料を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
パチンコホールで働く場合の給料を徹底解説してみたいと思います。
駅前や商店街、市街地に立地しているパチンコホール。
そこで働く人たちは、どの程度の給料を貰っていて、その給与の形態はどうなっているのでしょうか。
一般的に、職業自体の格付けで言うと低位に位置する風潮があり、職業分類上も「その他のサービス業」に属するパチンコホール事業者では、あまり稼げないと思っている人も少なくないようです。
しかし一方では、一般民間のサービス業でこれほどの売上金額を上げて利益も多額という業種はありません。
そこで、パチンコホールで働く人々の給与の内実を徹底解剖してみましょう。
パチンコホールの平均年収は533万円前後が相場
パチンコホールで働く正社員の場合、平均年収は533万円となっています。
店長ともなれば平均で601万円という結果を、パチンコ業界で採用支援サービスを行っている民間企業が発表しています。(2018年4月公表)
この調査結果では、パチンコホール従業員の年収を他産業と比較するため、同時期にいくつかの産業を選び比較しています。
その結果、「不動産・物品賃貸業」で529万円、「製造業」で509万円、「卸売業・小売業」で499万円、「建設業」で488万円、「運輸業・郵便業」で469万円、「飲食サービス業」347万円となっており、パチンコホールの年収がいかに高額であるかが分かります。
また、別の調査では、2017年職種別年収ランキングで130職種中22位となっています。
では、これほどの給与を支給される構成要素についてご紹介しましょう。
パチンコホールの年収・給料の構成要素
パチンコホール従業員の年収は、「基本給」「各種手当」「各種補助」「ボーナス」の構成になっている場合が多いようです。
しかし一方では、これだけの大きな業界であるにもかかわらず、業界標準では一定した賃金体系が統一されていないという点があります。
会社や店によって構成要素が変わるのも面白い業界だと言えます。
例えば基本給に能力給が含まれていたりします。
また、別の法人では、各種手当に能力給や役職手当が含まれたりしています。
共通するものとしては、一般的には上にお示ししましたように「基本給」「手当」「各種補助」「ボーナス」となっているものの、パチンコホール事業者に統一使用される共通した給与項目は無いということです。
基本給・能力給・歩合はどれくらい?
それでは、一般的な話で進めたいと思います。
会社によって著しい違いがある場合には、都度その旨注釈を入れますので、ご注意ください。
まず基本給ですが、これは一般的にボーナスの支給基準になる部分です。
基本給+能力給では最初のスタート時ではどのようになっているのでしょうか?
業界を代表する最大手のマルハンにおける2020年度新卒者募集では、大学・大学院卒で月に22万9,350円となっています。
短大卒、専門学校卒業では月に21万9,350円となっています。
その後、歩合や手当といった名目で休日出勤手当、超過勤務手当、役職手当等が付加されることになります。
これも各ホール会社によって千差万別です。
手当類も遊技台を調整する役職の人や、来店客に接客するホール担当者、景品交換カウンターでの業務に特化した人の場合等があります。
こうした人たちに対して、それぞれに手当がつくホール企業もあります。
詳細は下にご紹介しますので参照ください。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
それでは、賞与(ボーナス)などのような形になっているのでしょう?
賞与はほとんどのホール企業で年2回、夏と冬に支給されるのが一般的です。
概ねこの支給基準金額も大きく異なり、年間月給の2ヵ月~4ヵ月分ほどが一般的となります。
しかし筆者の知る限りでは、月給支給額を低く抑え、賞与の支給月数を多くしているようなホール企業もあります。
入社前にそうした内容もしっかりと確認しておくことをおすすめします。
各種手当てはどういったものがある?
先ほども基本給他の項でご紹介しましたように、パチンコホール事業者では、各種の手当があります。
中には「社長特別手当」というような不可思議な手当が存在する会社もあります。
多くは、「店長手当」「副店長手当」「主任手当」「副主任手当等役職階級」に属する手当が一般的です。
その他、「ホール担当手当」「カウンター担当手当」等、就く仕事に付随した手当を付けている会社もあります。
さらに一般的なものに、「時間外超過勤務手当」「休日出勤手当」「繁忙期手当」「業績連動手当」等が存在します。
業界独自の手当として、「遊技台入替手当」等があり、新台の入替等に参加すると貰える仕組みになっているところが多いようです。
ただし、多くの手当類は営業(パチンコホール店)に従業している社員に対して、より厚くなっている場合が多く、本社などの間接部門では薄くなっているような会社が多いです。
パチンコホールの年収を新卒や雇用形態別に見る
ここでは、パチンコホール事業者の年収を新卒や雇用形態別に見ていきます。
新卒の場合のパチンコホールの年収
新卒者の場合、初任給としては月給換算では大卒で20万円~23万円、短大卒で20万円~22万円、高卒で18万円~21万円というのが平均です。
つまり、一般的大卒年収額は240万円~280万円になり、これに賞与がプラスされます。
概ね月給の2~3ヵ月分ですから、入社1年では年収300万円強といったところが多いようです。
社会人が転職する場合のパチンコホールの年収(正社員)
当然、経験者採用も活発に行われている業界ですが、同業他社からの転職の場合はある程度役職スライドして給与を支払ってくれます。
しかし、全く異業種からの転職の場合には、プロパー(新卒として入った人)の方々の年齢的給与と比べると若干少なくなります。
つまり、主任職には入社後3年~5年で昇格するのが一般的です。
その場合、月給は概ね35万円(支給額)になります。
異業種から同年の方々が転職されてきた場合ですと32万円~33万円が上限で、さらに直ぐに役職に就任することはありません。
しかし、その後の働き方次第ではプロパー社員を抜くことも簡単ですので一概に差別的な取り扱いを受けるようなことはありません。
パート・アルバイトの場合のパチンコホールの年収
それでは、パチンコホールで働くパート・アルバイトの場合の収入をご紹介しましょう。
当然パート・アルバイトですから時給で働くことになります。
役職が上ったり手当が増えるということはほとんどありません。
ただし企業によっては、各種仕事の内容に応じて「手当」を付けている所もあります。
では、時給はどのようになっているのでしょう。
大都会の駅前繁盛店では1,500円を上限に1,200円~というのが一般的です。
田舎の国道沿いのような場所では1,000円~1,200円が相場のようです。
パート・アルバイトは、その地域のサービス業の中では最も高単価な時給が提示しされている風潮があります。
また、入社祝い金や完全寮完備などを謳っているところも多いようです。
昔は中高年のパート・アルバイトが多かったようですが、今では高卒の方々で卒後数年という方やシングルマザーの方等も多いようです。
また、勤務は概ね正社員の場合と変わらず、1日8時間労働、週5勤が多いようです。
早番、遅番の違いはありますが、月間シフトに組み込まれますので都度決定すると言って良いでしょう。
その結果、年収としては200万円~300万円の間くらいになります。
時給のアップは中々ないのが実情で、上がっても時給10円程度のアップになる場合が多いようです。
パチンコホールでは、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
パチンコホール事業者の従業員にとって嬉しいのが、年齢や学歴に対して、あまり昇進昇格が左右されないことです。
一般的な営業関係の方々の歩む道は、社員(新卒)→副主任→主任→副店長→店長となります。
また、複数店舗を展開しているパチンコホール事業者では、この後エリアマネージャー→ブロック長→営業部長→役員と進みます。
若くして役員にまで到達するホール企業も多く役員クラスになれば、年収で1,500万円~2,000万円は約束されます。
さらに同族経営の多いパチンコホール事業者ですが、次第にサラリーマン社長も出始めており、社長までいくと年収3,000万円以上も夢ではない業界です。
パチンコホールではどういった勤務先だと年収が高くなるか?
パチンコ事業者は、お客さんが「来て」「遊んで」どれだけお金を落としてくれるかが勝負になります。
どの商売も同じですが、客入り(稼働率と言います)が問題になります。
粗利(売上総利益額)は、貸玉レートに沿ってお客さんに貸玉をし、その貸玉を使って遊技し、玉数が増えるか減るかで売上利益が変わります。
概ね繁盛店の場合、粗利率は15%~20%程度に設定されています。
つまり、その日に来た客の支払った貸玉料金の総額の80%~85%はお客様に還元していることになります。
これは店全体で見た場合で、個々の客から見た場合は当然勝ち負けはあります。
では、こうしたパチンコホールの従業員として働く場合には、どのような経営戦略の会社を選べば良いのかを以下にご紹介しましょう。
低貸専門路線の店舗で働く場合の年収
パチンコという遊技には、「通常貸玉」と「低貸玉」という二種類があります。
簡単に紹介しますと、パチンコで1玉4円で貸玉することを「通常貸玉」と言います。
一方、それ以下の価格で貸玉する場合は「低貸玉」です。
多くは、「1パチ」という言葉に代表されるように1円で1玉貸し出す場合等が当てはまります。
どのような商売でも同じですが、単価が高いほど儲けが大きくなります。
つまり客単価が上るということです。
こうした中、低貸専門のパチンコホールの中には儲けが上らないことが多いようです。
近隣に有力パチンコホール事業者が進出してくると、すぐに閉店してしまう店が多くあります。
したがって、このような低貸専門路線で進む店の従業員は、年収が上らず疲弊してしまうケースが多いようです。
中には10年間全く給料が上がらないというような人もいるほどです。
チェーン店で働く場合(積極出店企業)の年収
有名チェーン店が何社かあります。
企業規模としても大きく、安定した給与を稼ぐこともでき、また福利厚生制度も安定して供給される会社が多いようです。
近年、大手パチンコチェーン店の中には、積極戦略で次から次に新店を出している会社があったりします。
一方で、次に紹介するような堅実に不採算店舗を切り捨てることで利益率確保に努めている会社もあります。
そうした中、ある一定上の規模のチェーン店であれば倒産の危険はまずありません。
また、積極的な出店を行っているチェーン企業であれば、年収自体も比較的順調に伸びていくものと考えられます。
さらに、この類の会社であればポストも拡大することから、自然と昇進昇格のチャンスが多くなることは間違いありません。
チェーン店で働く場合(不採算店舗閉鎖企業)の年収
上に示しました大手パチンコチェーン店の中にも不採算店舗を閉鎖していっている会社が何社かあります。
こうした会社は、全社的な採算性を考えていますので、会社業績としての利益率は若干ですが上がります。
しかし、従業員としての立場からは、その閉鎖店舗で働いていた人員が他店に異動になり人員のだぶつきによる過当競争が発生します。
そのため、年収アップには相当な努力と苦労が必要となります。
転勤のないパチンコ店で働く場合の年収
昔はパチンコ店と言えば1店1会社といった形態の店が多かったのですが、今や数百店舗を全国展開するような会社も出ています。
そうした中、小規模パチンコホールであれば転勤の心配はありません。
しかし、現在パチンコ業界は縮小傾向にあり、1店舗、2店舗の経営だけでは自然と逼塞していく運命にあります。
従業員としてもそうした右肩下がりの産業ですので、年収も低く抑えられてしまう可能性が高くなります。
これからパチンコホールに就職する人へのアドバイス
先ほども少し触れましたが、パチンコ産業としては「射幸性問題」、それに連なる「ギャンブル依存性」の問題等を抱えています。
昔は駅前商店街で賑やかに軍艦マーチをかき鳴らしながら個人営業のような業態でした。
しかし、今や大手チェーン会社が日本国中隅々まで進出してきているのが現状です。
これからパチンコホール企業に就職する人たちには、大手のチェーン店舗を展開する会社を選んでほしいと思います。
現在業界でよく言われるのが、「残存者利益」という言葉です。
生き残った者が得をする世界なのです。
20年先、30年先を見据えた場合には、現在の資金力・営業力のある会社を選ばれた方が無難で良いということになります。
最終更新日:2019年7月26日