お笑い芸人の年収を徹底解説|年収相場や主な4つの収入源
今や「将来就きたい職業」のランキング上位常連となった「お笑い芸人」。
活躍の場は劇場公演やお笑いライブに留まらず、テレビでお笑い芸人を見ない日はありません。
そんなお笑い芸人の年収はどのくらいなのか、また、どんなことが収入に繋がっているのか、今回はお笑い芸人のお金事情について徹底解説します。
お笑い芸人の平均年収の相場は?
お笑い芸人と一口に言っても所属事務所によって年収は大幅に異なるため、ひとくくりで平均年収を挙げることは意外と困難です。
というのも、仮に同じ事務所に所属している芸人でも、営業先がテレビやラジオといったメディアなのか、お笑いライブなどのオフラインの場はがメインなのかによって年収は大きく異なります。
コンビのお笑い芸人だからと言って、2人の年収が同じとも限りません。
若手芸人…と言っても若くしていきなりヒットを飛ばす芸人もいるため、平均年収をご紹介するためにここではあえて「まだ全国的なヒットまではしていないが単独ライブが成立するクラスの芸人」を若手芸人として例に出すと、年収は低くて180万円前後、高くて300万円前後が相場です。
お笑い芸人の年収・給料の構成要素
お笑い芸人の給与形態はどうなっているの?
お笑い芸人の収入は、どんな事務所に所属しようとも仕事量に応じた歩合給です。
基本給・能力給・ボーナスといった固定給が発生しないため、営業が1件も取れなかった月は芸人としての月収がゼロということも珍しい話ではありません。
お笑い芸人の給料を構成する4つの要素
お笑い芸人の歩合給として挙げられる収入元は「メディア出演料」「CM契約料」「イベント出演料」「グッズ、CD・DVD、本などの印税収入」の主に四つです。
メディア出演料はどのくらい?
「告知のためのメディア出演」や「単発のゲスト出演」の場合、出演料はほとんどの場合0円です。
中には、番組に出演させてもらうために広告代理店がクライアントから預かった広告費をテレビ局に支払って芸人を出演させるケースもあるほど。
テレビ局から人気芸人の出演依頼があった際、若手芸人を売り出すために事務所側で人気芸人と若手芸人をセットにして出演交渉をすることもよくある話です(業界用語で「バーター出演」と言います、語源は「束にする」という意)。
メディア出演料としてお金になるのは「冠番組」「MCやひな壇、コメンテーターとして継続した出演が約束されている番組」「特番」の場合です。
これらは名前が売れていて人気を得ていることが大前提であり、とても倍率が高いポジションと言えるでしょう。
キー局とローカル局で単価は大幅に異なりますが、キー局の場合でメインMCを1年間務めることでの契約料は、高くて1億円と言われています。
そのくらい貰わないとスケジュールを開けることができないクラスの芸人ということです。
ロケ出演の場合は1日拘束でキー局の場合20万円、ローカル局の場合5万円~10万円が相場です。
ほとんどの芸人にとってメディア出演料はお金になりませんが、知名度を上げる最も手早い手段としてまずは露出することが求められます。
CM契約料はどのくらい?
お笑い芸人として人気が出ると、企業の商品やサービスの広告塔としてCM契約を結ぶことも多々あります。
「イメージキャラクター」「〇〇大使」といった肩書も、このカテゴリーに含まれます。
大口の案件(大手企業との契約)だと年間契約で3,000円~5,000万円、小口の案件(ローカル企業との契約)だと年間契約で300万円ほどです。
地方と関東では予算が10倍違うと言われています。
芸人にとっては固定給代わりの安定した収入がこのCM契約料です。
イベント出演料はどのくらい?
お笑い芸人はメディア出演で知名度を上げ、イベント出演料で稼ぐことが一般的です。
業界では「テレビギャラ」「イベントギャラ」とギャラの形態を区別されることが多く、イベントギャラはテレビギャラの4倍~5倍ほど高いことがほとんどです。
例えばテレビ出演1回につき10万で契約している芸人の場合、イベントのゲスト出演の契約は1日50万円前後のことが多いと言えます。
また、結婚式や企業の忘年会・新年会の司会業や余興(ネタ見せ)、成人式などのゲスト登壇といった仕事の依頼料もイベント出演料に含まれます。
結婚式の司会業は安くて30万円、高くて100万円ほどです。
忘年会・新年会シーズンに余興の依頼料で半年分の収入を荒稼ぎするお笑い芸人もいます。
グッズ、CD・DVD、本などの印税収入はどのくらい?
販売したグッズの物販収入や、歌を歌う芸人であればCDなどの収入、最近ではエッセイや自叙伝、グルメ本などを出版して印税を稼ぐ芸人も増えてきました。
近年注目を浴びている「YouTube配信による広告収入」もこちらに含めます。
出版による印税収入は書籍代の1割~2割が一般的です。
2,000円の本を出した場合は1冊あたり平均200円、1万部売れれば大ヒットと言われる世界ですからMAX200万円ほどが現実的なところです。
ただし、1冊の本を作るために執筆や打ち合わせで半年から1年かかることを考慮すると、芸人誰もが簡単に稼げるコンテンツではないと言えます。
お笑い芸人のバイト収入はどのくらい?
現状、芸人のほとんどは上記四つの仕事の合間に副収入としてバイトをしています。
バイトとは言え、芸人にとっては突然依頼が入るメディア出演など顔を売ることが日常で最優先となるため長期的なバイトをすることはなかなか難しく、バイト料が高い配送業やシフトの融通が利きやすい飲食店やコンビニのバイトを選ぶ芸人が多いです。
売れていない芸人ほど平日も土日も休む暇なく働かざるを得ないのも、芸人の世界のリアルと言えます。
お笑い芸人の雇用形態別の年収を見る
事務所所属のお笑い芸人の場合の年収
事務所によって芸人の取り分の割合は様々です。
大手事務所ほど各所にコネがあるため大なり小なり仕事は入りやすい一方で、マネージャーや営業などを含めた組織全体が大きいため芸人の取り分は良くて半分、少ない時は2割以下とも言われます。
売れれば年収1億円を越える芸人もいますし、新人や若手であれば100万円~300万円が相場です。
個人事務所のお笑い芸人の場合の年収
事務所の取り分がないため事務所所属芸人よりも収入が高いかというと、一概にそうとも言えません。
ツテやコネがものを言う芸能界、俳優や歌手・アイドルと違ってお笑い芸人の場合個人事務所に所属している芸人はまだまだ少ないと言えます。
事務所模索中の若手芸人か、仕事が安定している超のつく大御所芸人の場合がほとんどです。
お笑い芸人はどんなスキルを身につければ、年収が高くなるか?
お笑い芸人として笑いのセンスを磨くことはもちろんですが、漫才や一発芸だけが年収に繋がるわけではありません。
ジャンルが多様化した今、司法試験に合格した実績をもとに法律を面白おかしく紹介する「法律芸人」や、料理人の経験を活かしてレシピを紹介する「お料理芸人」など、得意とすることで笑いをとるスタイルが定着してきました。
中にはYouTubeから注目を浴びた「YouTuber芸人」というのも令和ならではのトレンドと言えます。
自分の興味を強く持てることを突き詰める、特技をPRするための資格を取ることがより多くの仕事に、ひいては年収に繋がります。
タテ社会でもあるため、先輩芸人に可愛がってもらうスキルも意外と欠かせません。
お笑い芸人は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
最高額を挙げると、ずばり大御所クラスの1億円以上です。
若手芸人だったとしても、芸人の登竜門M-1グランプリで注目を浴びた翌年は休みなく仕事が舞い込み、年収200万円~300万円だった芸人がいきなり億万長者になった実績もあります。
お笑い芸人になる人へのアドバイス
実力が全てではなく運の要素も大きく関係する芸能界を目指すことに、ほとんどの人が周囲の人から一度は反対されたことでしょう。
多くの人が芸人を志しては厳しさ故に道半ばで去ってゆく世界ですが、目指さないことには何も始まりません。
勇気を持って踏み出したことが遅かれ早かれ自分の財産になる、と断言します。
さいごに
お笑い「第七世代」が注目を浴び、令和の時代になってますます人気が加速していくお笑い界。
次に億万長者になるのはもしかするとアナタかもしれません!
今回、厳しい金銭事情をご紹介しましたが、夢のある職業であることは変わりありません。
ぜひ強い意志を持って、はじめの一歩を踏み出してみてください。
最終更新日:2020年9月1日