日本語教師の年収を徹底解説|給料・手当・年収が高い人の違いや年収アップのコツ
日本語教師の仕事に興味を持ったけど、どうやってなったらいいのか分からない、最近需要の高い日本語教師は年収をどれくらいもらえるのか気になる、などの日本語教師に対する疑問を持つ方も少なくないかもしれません。
中でも一番多いのは日本語教師で生計が立てれるのかどうかではないでしょうか?
今回は、日本語教師の年収事情についてご紹介していきます。
日本語教師の年収の相場はどのくらい?
日本語教師の仕事は、メディアなどで取り上げられたこともあり、認知度は高まっていますし、外国人を相手に自分の母国語である日本語を教えることに興味のある人も多いことでしょう。
ただ、日本語教師の年収事情は意外と知らない人が多く、日本語教師が幾らもらっているのか、日本語教師の仕事だけで生計が立てられるのかは気になるところです。
日本語教師全体の平均年収は300万円前後と言われていますが、常勤か非常勤かによっても事情は変わってきます。
ここでは、雇用形態別に分けた年収相場についてまとめてみました。
正社員の日本語教師として新卒入社した場合の年収相場
日本語教師が新卒採用されることはまずありません。
それは、新卒者を採用して育成していくための余裕がない学校ばかりというのが理由です。
学校運営において日本語教育だけの学校はあまり存在せず、多くは色々な言語が学べる語学学校や大学の中の日本語学科・日本語コースになるため、学校運営側は余分に人を雇って育成をするというよりは、中途採用で経験のある人を即戦力として雇ってすぐに授業のコマ数を増やしたり、授業を行える準備を整えたりしたいからです。
日本語教師として正社員で転職した場合の年収相場
常勤の日本語教師として転職した場合、年収は200万円から300万円と言われています。
新卒採用枠がほぼなく、中途採用がほとんどの日本語教師の仕事ですが、社会人経験を経て日本語教師になると年収が以前勤めていたところより下がることがほとんどです。
最初の数年間は決して高くはない年収で頑張らなければなりません。
非常勤の日本語教師として勤務した場合の年収相場
契約社員やアルバイトという形に近いですが、日本語教師は、非常勤講師としてパートタイムで働くことも可能です。
非常勤講師の場合は、年収が50万円から150万円と言われています。
年収だけに目を向けてしまうと、非常勤講師は不利に見えてしまいますが、実はこの非常勤講師が多いというのも日本語教師の特徴の一つと言えます。
年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?
賞与
日本語教師の仕事は常勤でも非常勤でも賞与が支給されているところがほとんどありません。
基本的には基本給のみとなります。
昇給
日本語教師にも昇給はありますが、一般企業のように大きく利益を出して社員に還元というようなものではなく、実績などに応じて数%上がるくらいです。
ただ、民間企業の昇給幅とは異なるため、大幅な昇給は望めません。
各種手当
常勤の日本語教師の場合は、雇用保険関係と有給、交通費支給、学校によっては住宅手当などがあります。
ただ、非常勤の日本語教師の場合は、雇用保険関係や有給などの支給は無いこともあります。
年収が高い人は何が違うの?
同じ「日本語教師」でも、年収の高い人とそうでない人の違いは何でしょうか?
日本語教師の仕事がしたい、将来的に日本語教師で生計を立てたい、という人は多いため、年収の差が生まれるのはどのような理由なのか、とても気になるところです。
ここでは、年収の高い日本語教師は何が違うのかについて見ていきましょう。
授業のオリジナリティー
日本語教師は、スキルというより、授業でいかにオリジナリティーを出せるかが大切です。
日本語の授業をしてただ文法を教えるだけでは生徒に人気は出ませんし、生徒の出席率が低いと最悪の場合解雇にも繋がりかねません。
また、日本語を習いたい人は、日本の文化や今日本で使える実践的な日本語などを学びたい人も多いため、テキストの内容だけを教えるのではなくオリジナリティーを出すことにより生徒からの人気を集められ、年収のベースアップの評価材料となります。
日本語教師の経験が豊富である
勤続年数というよりは「経験年数」は年収査定に大きく関わってきます。
新卒採用があまり無く中途採用の多い日本語教師の仕事は、どれくらい日本語教育の経験があるかについてが非常に重要なポイントなのです。
日本語教育だけでなく社会人生活などにおいても経験が豊富であればあるほど高い評価をしてもらえる可能性があります。
地域
他業種と同様、働くエリアは大切です。
日本語教師の場合は、勤務地は日本だけに留まりません。
海外で日本語教師を募集しているケースもあります。
日本より物価の安い国で日本語教師としての仕事を得られたら結果として日本語教師で生計を立てることも可能になりますし、逆に日本語人気のない国で日本語教師をしても需要が無いため、年収どころか仕事がもらえるかも怪しくなります。
日本語教師の年収の決まり方
雇用形態
先にも述べた様に、日本語教師の年収は常勤か非常勤かによって大きく異なります。
常勤の場合は、一定額の給与をもらうことができますが、非常勤の場合には一コマあたり幾らという設定が多く、授業を受け持たなければ給与も発生しない完全出来高制となっているため、雇用形態によって年収が変わってきます。
授業の人気度
授業の人気度に応じても年収が変わります。
非常勤の日本語教師だとしても、授業の人気が高まることで授業のコマ数を増やしてもらったり、生徒からの信頼が厚かったりすると常勤への道も開けますし、授業のコマ数が増えたら、完全出来高制の非常勤は年収が上がるチャンスになります。
日本語教師で年収を上げるためにやるべきこと
日本語教師は総じて年収が低いと言われています。
現役の日本語教師からは、対価に見合わないなどという声もよく聞きます。
日本語教師として年収を上げることは難しいのでしょうか?
年収を上げるために日本語教師が出来ることは何なのか、幾つか挙げてみます。
今の勤務先でできること
給与アップの交渉をしてみる
ダメ元にはなってしまうかもしれませんが、ベースアップの交渉はしてみるべきです。
ただ、やみくもに年収を上げてほしいと言ったところで学校運営側からは傲慢な従業員としか思われず、最悪の場合は仕事を辞めなくてはいけなくなりますので、学校側にベースアップを認めてもらえるだけの判断材料をしっかりと用意する必要があります。
例えば、生徒の出席率や習熟度、授業のコマ数など、自身の実績や功績を元にベースアップ交渉をしてみましょう。
ダブルワークも選択肢に入れる
日本語教師の仕事だけでは生計がどうしても立てられないという場合には、ダブルワークを検討してみるのも一つの手です。
勤務している学校での仕事が終わった後、SNSを使って副業をしてみたり、アルバイトをしたり、個人的に生徒をとってプライベートレッスンをするなど、ダブルワークをすることで年収全体を上げることができます。
思い切って転職する
日本語教師として生計を立てることはなかなかすぐにはできず、ある程度の年数は下積みとして経験を積んでいくしかありませんが、同じ日本語教師の仕事でも学校によって雇用条件が変わってきますし、年収ベースも当然ながら異なってきます。
人気の高い語学学校なら教師の年収ベースもいいですし、人気のあまりない語学学校では当然期待できません。
ある程度の実績や日本語教師としての経験を積んだら、転職して別の環境に身を置くことも年収を上げるための方法です。
年収をアップさせるための求人の選び方
実際に日本語教師として年収を上げるために転職することを選択する人も少なくありません。
では、転職したり、日本語教師の仕事を探したりする際にどういうポイントに注意をすれば年収アップに繋がるのでしょうか?
ここでは年収アップを見込める求人の選び方についてまとめてみました。
給与相場が今よりも高いところを探そう
まずは求人広告などをよく見比べて条件が良いところを探しましょう。
給与相場が今より高いところは何処なのか、日本なのか海外なのか、基本給だけでなく福利厚生等はしっかりしているのか、など細かく見比べてみましょう。
地方での日本語教師よりも都市部の日本語教師の方が平均して年収は高いですし、海外でも日本語学習が人気の国だともっと年収が高くなる可能性があります。
転職エージェントを活用する
「自分で探すとなると何から始めたら良いのか、何をポイントにしたら良いのか分からない」「探したいけど今の仕事に追われてなかなか時間を見つけることができない」という人は、転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントには学校関連の求人を得意としているところもあり、今より条件の良いところをしっかりと探してきてもらえます。
転職のノウハウもなく、転職に費やす時間がなかなか確保できないという人には転職エージェントの活用をおすすめします。
交通費や福利厚生も大事なチェックポイント
福利厚生がしっかりしているのは基本的に常勤の日本語教師で、非常勤の日本語教師の場合はせいぜい交通費が支給されるくらいのところが多いです。
しかし、学校によっては、非常勤の日本語教師の福利厚生制度を整えているところもあるので、基本給以外の手当などがしっかりと支給されるところかどうかはチェックが必要です。
年収以外における良い点と悪い点
日本語教師の仕事をするにあたり、年収以外の良い部分と悪い部分は何なのか知りたい人もいることでしょう。
日本語教師になったことがない人向けに、良い点・悪い点を簡単にご紹介します。
良い点
良い点は、生徒が日本への理解や日本語の習熟度が上がっていると実感した時です。
日本語教師は一教師なので、生徒の成長は非常に嬉しく思える瞬間です。
悪い点
悪い点は、学校により雇用条件や年収事情が異なるところです。
また、日本語教師の仕事は需要が国やエリアにより異なるため、しっかりと稼げる仕事ではないという点です。
まとめ
今回は日本語教師の年収事情についてまとめてみました。
日本語教師の仕事があることは知っている人でも、その年収事情に関しては知らなかったという人も多いのではないかと思います。
日本語教師の仕事はここ数年人気が高まっており、勤務場所は日本だけに留まらず海外にもその活躍の場を拡げている職業です。
日本語を習いたいと考えている人の需要は根強く、近年は仕事をするためにアジアから来日する人や、日本の文化を学びたい外国人、法改正により海外からの人材を受け入れる企業も増えてきています。
日本は、単一民族国家なので、基本的に多くの日本人はビジネスの場でも日本語での対応を重視します。
そのため、外国人が日本で働くためには「日本語が理解できる」ということは必須条件で、逆に日本語を扱えることで獲得できる仕事の幅が広がるため、チャンスが増えます。
日本語教師は、そんな方たちの手助けを出来る、大変やりがいのある仕事です。
今後ますますグローバルな展開が予想される中、将来的に日本語を海外に広めたい人や、日本語教師として外国人に日本語を教えたいと考えている人にとって、この記事が参考になれば嬉しく思います。
最終更新日:2019年6月25日