内閣総理大臣の年収を徹底解説|給料・賞与(ボーナス)・各種手当
「三権分立」の原則を定めている日本国憲法では、国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)という三つの機関が互いに抑制し合ってバランスを保っています。
中でも国民から最も注目されるポストにあるのが、内閣の首長として行政各部を指揮監督する内閣総理大臣です。
日本国民の皆さん。
内閣総理大臣の年収が一体いくらくらいあるのかご存じですか?
手取りやボーナス、手当はどれくらいもらっているのでしょう?
今回は、私たちが最も気になる内閣総理大臣の懐事情を徹底的にご紹介します!
内閣総理大臣の平均年収は総額約4049万円以上です
結論からズバリご紹介します。
内閣総理大臣の平均年収は約4049万円以上(非課税分を含めると約5249万円以上)です。
内閣総理大臣の収入源は主に三つあります。
- 国会議員としての報酬
- 個人収入
- 文書通信交通滞在費(非課税:月100万円)
内閣官房が「主な特別職の職員の給与(令和2年1月7日現在)https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/20200107tokubetsushoku_kyuyo.pdf」で公表している内閣総理大臣の平均年収は約4049万円です。
約4049万円という額は国会議員としての報酬になるので、個人収入、文書通信交通滞在費(非課税:年間1200万円)も合わせれば、当然額面が上がります。
個人収入については議員によって違いがある(株式保有など)ので、誰が内閣総理大臣になるのかによって年収金額に大きな違いが発生します。
従って、単純に約4049万円に年間文書通信交通滞在費1200万円を合計した約5249万円以上という額が、内閣総理大臣の年収ということになります。
ちなみに安倍総理の場合、平成30年4月1日に公表された国会議員としての報酬額が約4015万円で、衆参議員が発表する「所得等報告書(2018年度)」での所得額が約4028万円となっていたことから、個人収入はほぼゼロに近い状態でした(文書通信交通滞在費は含まれていません)。
内閣総理大臣の月収、手当、賞与(ボーナス)はどれくらい?
内閣総理大臣のボーナスは、約1154万6,000円です。
毎年6月と12月の年2回、それぞれ約577万3,000円支給されます。
内閣官房が「主な特別職の職員の給与(令和2年1月7日現在)」で発表している内閣総理大臣の収入詳細は下記の通りです。
- 俸給月額:201万円
- 地域手当(20%):40万2,000円
- 年間給与額:約4049万円
※年間賞与額には期末手当が含まれる。
従って、内閣総理大臣は俸給月額(月収)201万円に20%の地域手当40万2,000円がプラスされた241万2,000円が月々の収入額になり、単純に年間給与額4049万円から月々の収入額を差し引いた約1154万6,000円が1年間で内閣総理大臣が得るボーナス額ということになります。
実際、安倍総理が2020年6月末に手にしたボーナス額577万円、更には国会議員1人あたりのボーナス平均額(約320万円)がコロナ対策支援額に全く及ばないということで、当時マスコミが大きく話題にしていました。
各種手当にはどういったものがある?
内閣総理大臣の手当には、下記の通り様々なものがあります。
- 文書通信交通滞在費
- 退職金
- 旅費
- 期末手当
- JR特殊乗車券、国内定期航空運送事業に係る航空券の交付
- 審査・調査のための派遣旅費日当
- 議会雑費
- 人事官弾劾の追訴にかかる実費の支給
- 弔慰金・特別弔慰金の支給
- 公務上の災害に対する補償
- 立法事務費
よく私たちがマスコミなどを通して耳にするのが、第二の給与と言われている「文書通信交通滞在費」や「旅費」、「JR特殊乗車券、国内定期航空運送事業に係る航空券の交付」などではないでしょうか。
内閣総理大臣をはじめとした国会議員になると、文書通信交通滞在費が100万円(月額・非課税)が支給されるほか、公務に関わる旅行費用、移動に使用する新幹線・飛行機などの無料チケットが支給されるなど様々な手当てを受けることができるようになっています。
内閣総理大臣は長く勤めれば年収はアップする?
内閣総理大臣の年収については「特別職の職員の給与に関する法律」で定められているので、初めて就任した場合、就任期間が長くなった場合を問わず定められた金額が支払われることになっています。
内閣総理大臣の退職金はいくら?
内閣総理大臣の退職金は、内閣官房のホームページで確認する限り下記のような計算式で算出することができます。
【内閣総理大臣の退職金を算出する計算式】
退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額
- 退職日の俸給月額:退職をする月の給与額です
- 退職理由別・勤続期間別支給率×調整率:0.5022(1年あたりの支給率)×勤続年数
- 調整額:基本額の8.3/100
2020年8月28日に健康問題から辞任を発表した安倍総理の場合、在任期間は94ヶ月(2012年12月~2020年9月)ということで、勤続年数は8年です(6ヶ月以上1年未満は1年とみなします)。
上記計算式に数値を当てはめると、安倍総理の退職金は約875万円ということが分かります。
【安倍総理退職金の具体的算出式】
201万円×0.5022×8+(201万円×0.5022×8)×0.083=8,745,632
内閣総理大臣をはじめ国会議員で所得が多い人は誰?
内閣総理大臣をはじめとした国会議員の上位所得者とその年収は下記の通りです(2018年度)。
上位5名までご紹介します。
- 1位:鳩山二郎 17億4490万円
- 2位:元栄太一郎 4億9998万円
- 3位:逢沢一郎 3億1166万円
- 4位:渡邉美樹 9844万円
- 5位:中西健治 8681万円
ちなみに当時、安倍総理は4028万円で27位でした。
内閣総理大臣の年収は各国首脳の中では17位
OECDに加盟している国のトップが得ている基本給について、イギリスのIGグループがまとめたデータによると、安倍総理の年収は各国首脳の中で17位という結果になっています。
ちなみに1位~5位は下記の通り。
- 1位:マルコム・ターンブル(オーストラリア) 52万7,854ドル
- 2位:アラン・ベルセ(スイス) 48万2,958ドル
- 3位:ドナルド・トランプ(アメリカ) 40万ドル
- 4位:アンゲラ・メルケル(ドイツ) 36万9,727ドル
- 5位:シャルル・ミシェル(ベルギー) 35万8,635ドル
安倍総理は、17位の20万2,700ドル。
トランプ大統領に比べると、約2分の1程度の年収だということが分かります。
内閣総理大臣への道のりと主な仕事内容
皆さんもご存じの通り、内閣総理大臣になるためには、まず国会議員に選出され国会で「内閣総理大臣」に指名される必要があります(その後、天皇陛下から内閣総理大臣に任命される)。
内閣総理大臣の主な仕事は下記五つ。
- 内閣のメンバーを決定する
- 内閣を率いて政策を決定する
- 国会で説明する
- 外交を行う
- 日本の安全を守る
また、内閣総理大臣には「内閣を代表し、自衛隊の最高指揮監督権を有する」など、数多くの権限が与えられています。
さいごに
内閣総理大臣の年収やボーナスなど、私たちが気になる懐事情をご紹介しました。
マスコミなどで内閣総理大臣のボーナスなどが報道されると、ついつい高額報酬を受け取っているように感じてしまいがちです。
しかし、明確な勤務時間がなく24時間職務を全うしなければいけない立場であることを考えると、一概に「高い」とは言い切れないかもしれませんね。
最終更新日:2020年10月29日