マッサージ師の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
現代の日本は経済的に豊かになってきて、科学の技術も発達し、人々はより便利で快適な生活が過ごせるようになりました。
しかし、便利になった一方でストレス社会とも言われ、現代人は様々なストレスを抱えるようになったのです。
そこで、癒しを求めてマッサージに行かれる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、国家資格と民間資格のマッサージ師について紹介していきます。
マッサージ師とは?
マッサージ師と聞くと、おおむね何をしている人かは分かりますが、詳しくは知らない人が多いと思います。
マッサージ師とは名前の通り身体をマッサージする人ですが、資格は大きく分けて国家資格と民間資格の2種類があります。
国家資格で代表的なのは「あん摩マッサージ指圧師」です。
あん摩マッサージ指圧師は、厚生労働省が認定した養成校に3年~4年通学し、国家試験に合格しなければなりません。
その代わり国家資格であるため、医師の同意があれば健康保険を使ってマッサージをすることができます。
また独立開業をすることができ、自分のお店を開くことも可能です。
民間資格では、「整体師」と「認定エステティシャン」があります。
どちらの資格も受講や試験を受けなければなりませんが、そこまで資格を取得するのは難しくありません。
整体師は手技により骨格の歪みを調整していく資格で、認定エステティシャンはエステや脱毛、痩身などを行う美容系の資格です。
マッサージ師の平均年収は370万円が相場
マッサージ師の平均年収の相場は、370万円です。
これはあくまで平均ですので、当然低い人と高い人がおり、注意が必要です。
マッサージ師は正社員や自営業だけでなくパートやアルバイトの人も多く働いていますので、平均が低めになっている可能性が考えられます。
マッサージ師の年収・給料の構成要素
マッサージ師の給料の構成は、「基本給」「能力給」「歩合」「ボーナス」になっている場合が多いです。
基本給・能力給などはどうなっているの?
基本給とは年齢や勤続年数等によって算定される賃金のことで、給料の中で根本的なものです。
手当を除いた基本の賃金で、変動のない手当が含まれている場合が多いです。
マッサージ師の場合、基本給は手当の賃金が多い傾向にあるため、給料の7割~8割程度になります。
能力給とは、マッサージの技術や事務作業などの能力に応じて支給される賃金です。
能力給は更に細分化されていることが多く、一つの項目ができたら能力給が上がるシステムが一般的です。
なぜ能力給があるかと言いますと、マッサージやエステ等の技術を習得しお客さんに実際に行うことでマッサージ師の達成意欲を刺激し、モチベーションのアップになるためです
賞与(ボーナス)はどれくらい?
賞与は年1回~2回が一般的で、賃金は1.5ヶ月~2ヶ月分ぐらいのところが多いと思います。
また、歩合をボーナスにして支給しているところもあります。
各種手当はどういったものがある?
歩合
マッサージ師の職場のほとんどにある手当が「歩合」です。
歩合とは、1日何人にマッサージしたか、何人のお客さんを管理しているか、1人でどれだけの売り上げを上げているか等、マッサージ師の実績により与えられる賃金です。
歩合制度の内容は様々ですが、大抵は上記のようなものになっています。
資格手当
マッサージ師は国家資格か民間資格であるため、資格取得により手当があります。
なぜなら、学生などの無資格者が勤務していたり、資格の中でも国家資格と民間資格があったりするので、それぞれに差を付けるためです。
資格を取得するには、それなりに勉強と費用、そして時間が掛かります。
その対価として手当を設けているところが多いです。
また職場としても、資格を取得してくれたらメリットがあります。
時間外手当
あまりないケースですが、営業時間外にマッサージをすることがあれば時間外手当があります。
一般企業では、残業手当と同じ意味です。
営業時間のギリギリにお客さんが来られて営業時間を越えるような時間が長いマッサージメニューを希望された場合、越えた分を時間外として手当で支給されます。
マッサージ師の雇用形態別の年収を見る
先程は平均年収について述べましたが、次は雇用形態別に年収を紹介していきます。
それぞれの雇用形態によって特徴があります。
正社員の場合のマッサージ師の年収
正社員の場合シフト制でフルタイムの勤務になるため、年収は高くなります。
平均年収ぐらいの300万円~400万円前後は見込めるでしょう。
また、フルタイムで勤務しているとお客さんにマッサージをする機会が多くなると思いますので、歩合も多くなります。
更に勤続年数が長くなると基本給も上がっていき、日々の研修によりマッサージの技術が向上して能力給も上がっていきます。
もっと立場が上になり、チーフやマネージャー、店長のような役職が付くと、自ずと年収が上がります。
これらにより、正社員の場合は平均年収以上の年収になる可能性が充分にあります。
アルバイトの場合のマッサージ師の年収
アルバイトの場合そこまで高い年収は期待できませんが、肉体労働になりますので、時給は1,000~1,200円ほどはあります。
なぜなら、時給が1,000円で週5日の1日5時間、それを4週間働いたとしても月の給料は10万円で、12ヶ月で120万円です。
都道府県、市町村によって時給は変わってきますが、国家資格があったとしても1,500円ほどなので、アルバイトだけで生活しようとしている人には厳しいでしょう。
しかし、子育て中の方や資格勉強中の学生の方には、空いた時間に働くことができますのでとてもメリットがある雇用形態だと思います。
自営業の場合のマッサージ師の年収
自営業、つまり自分でお店を開業してマッサージを提供している場合、年収はピンからキリまであります。
開業して最初の頃は、年収は当然正社員より低くなります。
そこからもしあまり繁盛しなければ、そのままの年収になったり、それより低くなったりする可能性があります。
逆にマッサージの評判が上がりどんどん業績が上がっていくと、平均年収を越えて高い年収になることもあります。
自営業のため、年収は個人の成績です。
マッサージの技術が良く、お客さんの対応も良く、広告宣伝が上手くできれば、年収はどんどん上がっていくでしょう。
マッサージ師は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
マッサージ師は、やり方次第で最高1000万円を目指すことが可能です。
その理由は、正社員でも店長になり大きな売り上げを上げたり、自分でお店を開業して売り上げを上げたりすると1000万円の年収になる可能性があるためです。
また、チェーン店のように何店舗もお店があり、店長ではなく複数店舗のマネジメントを行うようなマネージャーをしている人は、年収が高い場合があります。
いずれにしても、しっかりとした技術や人間力、広告宣伝する能力がなければ高い年収にはなりません。
マッサージ師の、勤務先別の年収を紹介!
それでは、それぞれの勤務先別の年収の詳細を見ていきましょう。
リラクゼーションサロン・整体院で働く場合の年収
リラクゼーションサロンとは主に癒しを目的としたサロンで、マッサージだけでなくエステやアロマなどを取り入れています。
マッサージもしたいが、美容にも興味があり学びたいという人に適しています。
整体院とはカイロプラクティック等の矯正療法を中心に行っているところで、それぞれの整体院で様々な方法があります。
骨や骨格に興味があり、マッサージだけでなく矯正療法などの手技を学びたい人におすすめです。
最近は、リラクゼーションサロンも整体院もチェーン店化しているところが多いため、年収も高めの傾向にあります。
おおよそ年収300万円以上は見込めるでしょう。
このような勤務先は研修制度や教育制度、技術マニュアルがしっかりしているので、初めてでも安心して勤務できるのが特徴です。
個人で経営しているリラクゼーションサロンや整体院は、チェーン店に比べて年収は低くなるでしょう。
介護施設で働く場合の年収
ショートステイ(短期入所生活介護)やデイサービス(通所介護)等の介護施設は年収が高い傾向にあります。
なぜなら、介護施設は比較的年収が割高になっているためです。
平均年収以上の330万円ほどはあるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師の資格は、介護分野で「機能訓練指導員」として高齢者に対して機能訓練を行います。
マッサージなどの手技により身体の不調を改善したり、身体を軽くしたりしていきます。
また介護施設の特徴として、業務が夕方の5時ぐらいには終了するところです
他の勤務先ではどうしても仕事終わりの方をターゲットにしているので、業務が終了する時間が遅くなってしまいます。
遅い勤務先では営業終了時間が22時のところもあるため、ギリギリに予約が入り片付け等をしていると23時になることもあります。
それに比べて介護施設は遅くなることが少ないため、業務終了後は自分の時間を作ることができます。
訪問マッサージ施設で働く場合の年収
あん摩マッサージ指圧師は、訪問マッサージをすることができます。
訪問マッサージとは、歩行困難や寝たきり等の理由により通院ができない方に対して、自宅にあん摩マッサージ指圧師が訪問してマッサージや機能訓練を行うものです。
医師の同意により健康保険を用いて行っていて、訪問マッサージの報酬は比較的高いため、年収が高いと考えられます。
年収は300万円~350万円ほどで、訪問した実績により更に見込める可能性があります。
普通のリラクゼーションサロンや整体院、マッサージ院は来られたお客さんを対応していきますが、訪問マッサージは自分自身が出向くため、ある程度自分自身のペースでマッサージをすることができます。
エステサロン
認定エステティシャンの資格を取得した場合は、本格的なエステサロンに就職するのがおすすめです。
リラクゼーションサロンよりも美容、特にエステ分野に特化しているため、様々なメニューがあり、技術を習得することができます。
特に全国展開をしているエステサロンは高額なエステ機器を使用しコース料金も高額になりますので、給料がしっかりしていて年収が高い傾向にあります。
最初は250万円程度ですが、勤務年数増加・技術の習得により300万円以上になっていきます。
エステ業界は勤続年数だけでなく実力社会ですので、技術練習や研修は時間が掛かり大変ですが、技術習得しエステ効果を出すことができれば年収アップに繋がります。
これからマッサージ師になる人へのアドバイス
近年、少しずつ景気は良くなってきましたが、少し前は不景気により就職が困難になっていましたので、手に職を付けようとマッサージ師を目指す人が多くなってきました。
また、高齢化社会・ストレス社会によりマッサージの需要が高まっていますので、更にマッサージ関連施設が急増しました。
関連施設の急増により、マッサージ師は様々な選択肢が増えました。
ここには紹介していませんが、リラクゼーションサロン、整体院、介護施設、訪問マッサージ施設、エステサロン以外にも勤務先は多数存在しています。
例えば、整骨院・接骨院、マッサージ院、スポーツジム、チームトレーナーもあります。
頑張って勉強して資格を取得しても、絶対に年収だけで勤務先を決めないで下さい。
自分が学びたいこと、やりたいこと、頑張りたいこと等をしっかりと考えてから決めると後悔しないと思います。
最初は年収が高いからと勤務先を決めても、働いている間に何か不満や嫌なことがあると、勤務先に何も熱意がないため簡単に辞めたくなります。
それでは、せっかく時間をかけて働いていても意味がありません。
自分の将来のことを考えて、どんな勤務先が良いのか、しっかり吟味して決定することをおすすめします。
さいごに
マッサージ師の年収、給料について理解していただけましたでしょうか。
マッサージ師は技術職なので、知識と技術を積極的に身につけて、資格を取得しましょう。
資格を取得した後も、更なる技術・知識向上のために邁進していくことが大切です。
特に自分のお店を開業したいと考えている人は、マッサージの技術や知識だけでなく、お店を経営するための知識も身につけていきましょう。
やはり成功して高い年収を得るには、マッサージの技術だけでなく経営能力が必要です。
一番の近道は、自分が理想としているお店と似ている勤務先に就職して、その場でマッサージの技術・知識とともに経営のことも一緒に学ぶことです。
より近くで自分が目指す経営者を見ることができるので、リアルに経営のことを感じることができます。
マッサージで人の役に立ちたいと考えている人は、マッサージ師を検討してみてはいかがでしょうか。
最終更新日:2020年6月8日