マンション管理士の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
マンション管理士という仕事があるのをご存知でしょうか。
依頼主はマンションの管理組合で、マンションにおける分譲マンションの修繕計画の作成やコンサルティング。
様々なクレームに関する管理会社への対応や窓口業務。
騒音問題、ペット問題、管理会社への対応や窓口。
総会、理事会の会合運営など専門的な知識を有し、問題を解決することができる専門家という職業です。
国家資格に合格して、マンション管理士としての仕事ができます。
では、マンション管理士の年収はどのくらいなのでしょうか。
また、どのようなことをすると年収が上がるのでしょうか。
詳しく解説していきましょう。
マンション管理士の平均年収は400万円が相場
マンション管理士の平均年収はどの位なのでしょうか。
これは、おおよそ400万円前後だと言われています。
平均月収は25万円前後です。
ただしマンション管理士だけの仕事を専門的に行っている人はまだ少なく、不動産業やコンサル業と並行してマンション管理を行っている会社が多いのが特徴と言えます。
宅地建物取引士や業務管理主任者といったほかの資格と併用して活用している人が多いのです。
これらの資格を持っているマンション管理士の場合だと年収は更に上がり、500万円以上の年収を得ている人も少なくありません。
現状では、不動産会社やコンサルティング会社で勤務する人が資格の一つとして活用していることが非常に多いようです。
マンション管理士の年収・給料の構成要素
マンション管理士の年収を構成するものは、どのような構成で成り立っているのでしょうか。
会社によっても異なりますが、他の業種と同じように「基本給」「能力給」「賞与」といった形で構成されています。
先ほどから不動産会社で並行して行っているケースが多いと述べました。
不動産会社の年収を構成する中に「歩合給」というものがあります。
歩合給とは、不動産会社の場合だと、賃貸や売買の仲介件数や金額に応じて一定の割合を掛けた金額が別途支給されるお金です。
しかし、マンション管理士の場合は一般的に依頼されたマンションの維持管理に努める仕事ですので、契約をとってくるという類のものではありません。
マンション管理士の給料構成に歩合給という手当はほとんど加算されていないのです。
ここからは、マンション管理士の給料を構成するそれぞれの手当などについて詳しく解説していきましょう。
基本給・能力給などはどうなっているの?
マンション管理士の基本給は、他の業種と比較しても大きな違いはありません。
年齢や勤続年数などによって異なり、会社ごとに基本給の取り決めを行っています。
平均の基本給は、月20万円前後だと言われています。
しかし、基本給に重きを置いて多めに設定している会社もあれば、基本給は低く設定している会社など様々です。
基本給が高い会社か低い会社かで賞与に大きく影響しますので、マンション管理士として転職したい場合などは、転職する会社の給料構成はきちんと確認しておきたいものです。
能力給は、マンション管理士として能力の差が給料に反します。
マンション管理士としての勤続年数が長くなると、経験年数も増えるのでキャリアが増えることを意味し、様々なタイプのマンションの管理を行うことでスキルが上がります。
つまり、経験年数が増えることで能力給にも反映しやすいので、基本給と能力給はセットで給料が伸びていく会社が一般的です。
特にマンション管理士は経験から学ぶことが多く、あるマンションの管理内容を他のマンションで活かせるので、多くの物件を担当するキャリアを持つことは年収にも良い影響を及ぼします。
能力給は平均2万円前後が相場ですが、キャリアを積んで能力給を上げることもできるのです。
分譲マンションの管理組合からはマンションの専門家的な位置にあるマンション管理士のニーズは高いため、今後マンション管理士の需要は高まると言われています。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
次に、賞与について考えてみましょう。
賞与に関しては、会社の規模や経営状況によって賞与が出る会社と出ない会社があります。
平均は、年2回の賞与が支給されるとして3ヶ月分の60万円程度でしょう。
しかし、賞与は会社の業績により大きく異なります。
業績が良いと賞与に反映し、更なる支給が見込める可能性もあります。
逆に業績が悪ければ、賞与の減額やカットといった事態も否定できません。
しかし、マンション管理士は比較的業績の浮き沈みが少ない業種でもあります。
一定の報酬が見込める仕事なので、安定した賞与を支給される可能性が高いと言えるでしょう。
各種手当てはどういったものがある?
マンション管理士における他の手当には、どのようなものがあるのでしょうか。
何度も繰り返しているのですが、マンション管理士の資格は他の資格と複合することで大きな力を発揮します。
一般的に多いのは、「宅地建物取引士」や「管理業務主任者」といった不動産に関係する資格を複合して持っていると大きなメリットがあります。
宅地建物取引士は、手当として毎月1万円から3万円を支給している会社が一般的です。
管理業務主任者は、毎月1万円程度支給の会社が多く、この資格を持っていることで年収は大きく上がります。
マンション管理士の雇用形態別の年収を見る
マンション管理士の雇用体系別に見る年収には、どのような違いがあるのでしょうか。
マンション管理士は一般的に正規社員が資格を持っていることが多く、アルバイトのマンション管理士はほとんどいません。
非正規社員のマンション管理士は、少ないものの非正規の雇用体制をとっている会社もありますので、正規社員、非正規社員の雇用別に年収を見てみましょう。
正規社員の場合のマンション管理士の年収
正規社員の年収ベースを見てみましょう。
マンション管理士の場合、ほとんどが正規社員として勤務しています。
マンション管理士の仕事内容の主だったものと言えば、管理組合側に対してのアドバイスやコンサルティングといったものです。
専門的な知識の中からマンションのデイ規模改修の問題や維持管理に対しての助言を求められる立場にあるので、マンション管理のスペシャリストでなければいけません。
ですので、多くは正規社員のマンション管理士が役割を担っています。
年収で見ると420万円前後の年収であるケースが多く、月収では25万円~30万円といった層が一番多いようです。
非正規社員の場合のマンション管理士の年収
派遣社員に代表される非正規社員について、マンション管理士はあまり多くありません。
不動産業の一環としてマンション管理の業務を行っている場合がありますが、あくまでも不動産業務の一環として行っている場合が多いようです。
しかし資格として保有している場合、月収ベースにおける給与は正規社員とあまり開きはあまりありません。
とは言え、正規社員と異なり賞与の部分で差が出ますので、年収ベースとしては350万円~370万円前後だと言われています。
メインは正規社員のマンション管理士が行い、サブ的な位置でマンション管理を行うことやメインの業務として任せられることもあるので、会社によって異なるということを理解しておいた方が良いでしょう。
マンション管理士は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
マンション管理士の年収についてこれまで述べてきましたが、マンション管理士として最高でどの程度まで年収を上げることができるのでしょうか。
何回か繰り返しましたが、マンション管理士の資格は単体としてよりも複数の資格をかけあわせることで大きなメリットを受けることができる資格です。
特に不動産関係の資格と相性が良く、宅地建物取引士や管理業務主任者といった資格との組み合わせが効果的です。
資格を持っていると、それぞれの資格手当が支給されます。
併せて、どれだけの分譲マンションでマンション管理士として業務ができるかといった点もポイントです。
複数のマンションを担当できるだけのスキルがあると、更に年収が上がります。
また、会社の規模によっても年収は異なります。
大企業で勤める、マンションの管理業を主軸としている企業などに勤めることでも年収アップが見込めますので、転職による年収アップといったことも可能です。
最終的には700万円前後までの年収アップが見込めることでしょう。
マンション管理士はどういった勤務先だと年収が高くなるか?
先ほど、最大年収はどの程度まで上げることができるかという点について解説してきましたが、勤務先によっても大きく異なります。
ここからは、会社の規模による年収の推移について解説していきます。
小企業で働く場合の年収
他の業種と同じ傾向ですが、小企業よりも大企業の方が年収ベースは高いと言えます。
厚生労働省の企業規模比率やマンション管理士の平均年収などから算出すると、小企業の場合は年収400万円前後といったところでしょう。
これも、宅地建物取引士や管理業務主任者との併用などで年収ベースは異なります。
小規模の会社だと、取り扱うマンションもあまり多くありません。
そのため、中企業や大企業と比較してもあまり年収は高くはありません。
中企業で働く場合の年収
次に中企業について考えてみましょう。
マンション管理の頭数が比較的多くなりますので、その分年収アップが小企業よりは見込めます。
450万円前後というのが、一般的な年収相場と言えます。
しかし中規模の企業となると、主としてマンション管理を行っている会社だとその分マンション管理士の需要や重要度は高くなりますので、更に高い年収も貰っているマンション管理士も存在します。
要は、どれだけのスキルがあるのかという点に尽きるでしょう。
大企業で働く場合の年収
最後に大企業についてですが、どの業種においても大企業の年収は高い傾向にあり、マンション管理士も同様です。
しかし、これは受け持つマンションの規模も大きく数も増えますので、年収が高くなるのは当然の結果と言えるかもしれません。
年収で500万円程度の平均ですが、管理職などとなると700万円以上の年収を得ている人も少なくありません。
更にマンション管理の仕事は、経験が大きくものを言う仕事でもあります。
多くの数を受け持つことによってスキルが上がりやすく、様々な経験を、会社に残すことも可能です。
そのため、沢山のノウハウが蓄積されますし、自分自身のノウハウを構築することができます。
マンション管理士として専門的に業務を行いたいのであれば、大企業に勤めて様々なマンション管理を経験した方がスキルアップにも繋がります。
これからマンション管理士になる人へのアドバイス
これからマンション管理士を目指そうという人たちは、どのような人が向いていて、どのような点に注意すれば良いのかが気になるところでしょう。
ここからは、マンション管理士として備わっていれば良い資質や能力といった点について解説していきましょう。
マンションは多くの人が住んで、日々生活をしているコミュニティです。
生活する中で様々な問題が発生します。
その問題を解決するためには、多くの人と関わり、社交性がある人材が求められます。
親身になって諸問題を解決するために頑張ることができるような人であれば、マンション管理士として最適な適性があると言えます。
また、マンション管理士の仕事は、決して華やかとは言えません。
どちらかと言えば地味な裏方的な仕事が多い職業でしょう。
管理組合のサポートやコンサルティングを主な仕事としているので、管理組合が順調に運営していくのを陰で支えることが一番多いと言えます。
そのため、誠実な人でないと難しい部分があるのです。
併せて、マンション管理を行っていると、管理規約の改正や規約の見直しといったことを行わなければいけません。
そのときには改善点や修正点を見つけて、他の個所に影響がないのかといった部分をコツコツと確認していく作業が必要となってきます。
つまり、地味ですがコツコツとした作業ができる人も適正があると言えます。
このような適性がある人ならば、マンション管理士として順調にスキルを伸ばすことができるでしょう。
さいごに
分譲マンションの管理組合は、基本的に住んでいる人たちで構成されるため、不動産やマンションに詳しくない人がほとんどです。
そのため、上手くいかなくなると近所付き合いすら上手くいかなくなり、最悪退去や売却といったケースになることも少なくありません。
そこで、マンションの専門家であるマンション管理士がアドバイスを行うことにより、マンション運営がスムーズ進みます。
また、適切な時期に修繕ができるようになり、マンションの資産価値を維持しながら住み続けることができるのです。
マンションは増え続けていますので、今後もマンション管理士の存在意義はますます強くなることでしょう。
最終更新日:2020年5月13日