期間工の給料を徹底解説|年収・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
この記事では、期間工として働く際に最も気になる「期間工の給料相場」の他に、「基本給以外の年収・給料の構成要素や昇給」「給料が高い期間工の特徴」等について紹介していきます。
これから期間工として働きたい人、期間工として別な職場を探したい人の参考になれば幸いです。
期間工とは?
期間工とは、正社員やアルバイトとは異なり、繁忙期等を中心に工場で一時的に働く期間限定社員のことです。
期間工の給料の相場はどのくらい?
期間工として働こうか、それとも正社員として働こうかと悩まれている方も多いと思います。
そういった方のために、同じ職場での期間工と正社員における給料状況や、正社員の中でも新卒の場合と中途入社の場合での違い等を区分してご紹介します。
結論から言うと、正社員で働くよりも、期間工のほうが給料は高い傾向があるのです。
期間工(非正規雇用)の場合の給料
本題の「期間工」に関しての給料事情についてご紹介しましょう。
期間工は、入社時に一時金が支払われる会社が殆どです。
一時金としては、50万円~80万円のレンジで提示している会社が多いようです。
さらに就労後は、月給として概ね40万円前後~50万円前後迄となっています。
これは年齢や経験、就労契約期間により大きく異なります。
平均的に見て、月40万円強といったところでしょう。
さらに期間満了時にも一時金の出る会社が多くなってきています。
つまり途中リタイアせず、満了期日まで就労してもらった人に対する慰労一時金のような形で支給されるわけです。
この金額が概ね70万円前後となっている所が多いようです。
つまり、年収としては400万円~500万円の給与が得られ、全期間を通じて考えると、一時金を含める場合には更に増えることになります。
期間工ではなく、正社員で新卒入社した場合の給料
新卒者として工場に入社した場合の給料事情をご紹介したいと思います。
このコラムを読まれる方は、期間工を希望されている方々が多いと思いますので、主に自動車産業での新卒者における給料事情をご紹介します。
ここでは、自動車製造会社での新卒者の給料を見てみます。
新卒者の給料に関しては、大手の自動車メーカーの場合横並びであることの場合が多く、違っても数千円程度です。
大学卒業の総合職(技術職)としては、月給制度で概ね月20万円程度の支給になりますので、手取り額は、17万円~18万円程度になってしまいます。
高卒者はこれよりも若干低めに設定されているのが実情です。
期間工ではなく、正社員で転職した場合の給料
転職者の場合は、若干事情が異なります。
製造現場での就労に関しては、応募職種での経験年数や資格等に大きく左右されます。
また生産ラインでの単純業務に関する中途入社の場合は、まずは期間工からスタートする場合が多いようです。
中途入社者の場合、メインはやはりエンジニア系が多く、その点全く経験や資格のない人にとってはやや壁が高いと言って良いかもしれません。
ただし、新卒者のような安い給料ではない事だけは確かです。
期間工と正社員の給料や生涯年収の比較
雇用形態による給与の差異について、期間工と正社員、月給と年棒という観点で見てみます。
まず、期間工と正社員であれば、生涯年収は当然異なります。
しかし、3年未満の比較では「正社員」<「期間工」になります。
さらに月給と年棒で見た場合、月給の12か月分+αが年棒ですので、年棒で雇用される方が比較は行いやすい雇用形態となります。
年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?
一般の正社員の場合、賞与が夏・冬の2回に分けて支給されますが、期間工の場合はどうなのでしょうか?
その内容についての詳細をご紹介します。
賞与(ボーナス)
まず、期間工では「賞与」としての支給は無い場合があります。
生産ラインであれば、特需の発生により詰めて就労しなければならないことがあります。
その際、一時金として金銭支給されるケースははあります。
しかし、定型のボーナスとしての支給は無い会社が多いようです。
一方で、ボーナスを一定額支給してくれる会社も中にはありますので、根気よく探せば見つかると思います。
昇給
次に、昇給についてです。
これも正社員のように終身で働くわけではないので、定まったルールでの昇給はありません。
しかし、現場によっては、リーダー等の責任を負わされる場合もあったりします。
そういう場合には、僅かにリーダー手当のような給与が付与されることもあります。
各種手当
期間工にとって最も期待できるのが各種手当ですが、皆勤手当、精勤手当、寮補助、特別手当等がついてくる場合が多いようです。
ただし、扶養家族手当等は支給されませんので、その点は注意して下さい。
この中でも、「特別手当」と言うのが会社側が期間工の皆さんに対して融通を効かせる手当です。
何らかの一時金を支給する場合には、この「特別手当」として支給されるのが通常になります。
給料が高い人は何が違うの?
一般的に、期間工の方々では勤続回数などが多い人が給料が高いと言われています。
その他にもいろいろな査定によって給料が異なります。
では、給料が高い人というのは何が違うのでしょうか。
スキル
同じ職場で期間工を数回続けているいわゆる「ベテラン」の人は当然高いスキルを持っています。
そうした部分を工場側で評価するような場合は、給料は高く設定されます。
役職
期間工にとって役職はあまり関係がありません。
正社員の場合、一般社員→係長→課長と昇格していくことで給料が段階的に昇給していきます。
しかし、期間工の場合、年限があることから役職手当等はもらえないのが普通です。
しかし、先程も述べましたように、現場によってはどうしても人員不足で期間工が一定役職に就く場合もあります。
そのような際には、社内基準に則った手当がつくこともあります。
勤続年数
期間工としては、1クール2年11ヵ月というのが一般的です。
したがって、勤続年数もあまり関係がありません。
しかし、2クール、3クールとなると話は別です。
一定の期間連続して就労することでベテラン度合が高まります。
そういう意味では、勤続年数の長さは高給になる道の一つなのかもしれません。
地域
多くの自動車メーカーは、地元で広大な敷地の工場を持っています。
トヨタであれば愛知県、ダイハツであれば大阪府といった具合です。
自動車産業に特化して考えた場合、全ての自動車メーカーは企業城下町を形成しており、都心部との格差はあまりありません。
学歴や過去の経験
正社員のでは、大学院卒、大学卒、高校・専門学校卒、中学卒と学歴により給料が変わる場合があります。
当然、高学歴になればなるほど高給となります。
しかし、期間工となると、、ほとんどの場合、学歴は関係ありません。
期間工の給料の決まり方
期間利益から導き出される付加価値による決定
期間工という働き方をしている方々の給料水準の決め方には一定の方法があります。
就労してもらう期間にその人が生み出す付加価値がいくらになるかを計算することから始まります。
その後、人件費として会社が負担すべき費用の概算が見積もられ、支払われる給料が決定されます。
期間工として適正な働きが出来るか
期間工として募集した職種に対して、真面目に取り組めるかによって給料支給が決定されると言って良いでしょう。
ただし、「この人は不真面目だからマイナス○○万円」というような決め方ではありません。
ある意味、「オール オア ノット」の考えになります。
つまり、まじめに働けそうにもない人はそもそも採用されません。
特需対応や戦略的採用の場合
メーカーによっては、特需という場合があります。
この場合、通常生産ラインをフル稼働させることが必要になります。
その際、将来発生するだろう会社利益を基本に考えられます。
一方では、予測利益になる為に、予測値を下回ることもあり、その場合には会社がマイナスになる勘定になります。
期間工としてはあまり影響のない話ではありますが、会社にとっては死活問題となることもあります。
給料をアップさせるための求人の選び方
期間工の求人を見るにあたっては、出来る限りパソコンを利用して、様々な情報を一画面で選ぶのが良いでしょう。
ここでは、求人内容による選び方をご紹介したいと思います。
給料相場が今よりも高いところを探す
現在、期間工として就労し、次のクールを探される場合等は、現在の給料水準より高い就労現場を見つけるようにすると良いでしょう。
最初から、一時金として支給される金額も含める方がおられますが、月給そのものを比較する所から始める方がベターと言えます。
賞与や昇給制度をチェックする
給料相場による給料自体の比較が出来た後、賞与等を含めた一時金の有無や昇給制度等の有無を比較してみましょう。
思わぬ高給が望める会社もありますので、根気よく見ていくことが重要です。
残業代はちゃんと出る?
残業代は、期間工にとっては重要なファクターです。
短期間で高給を稼ぎ出す期間工にとっては、残業時間あたりの時給が高給になるため、残業がない現場は避けた方が良いかもしれません。
中には、残業が常態化していることで、「見なし残業代」として一律支給という場合もあるので注意が必要です。
交通費や福利厚生は?
期間工にとっては、僅かな話になりますが、交通費の支給条件なども見ておくべきです。
期間工の場合、多くはメーカー運営の寮に住まう場合が多いので、通勤用の交通費は設定されていないこともあります。
また、念の為に、健康保険や社会保険なども、その会社が採用している仕組みを把握し、比較検討すると良いでしょう。
経験者が教える、実際に給料がアップしたのはこんなとき
給料のアップした実例紹介(1)
わたしの入っていたラインでは、通常5名体制でした。
しかし、その内の期間工1名が病気で退職してしまいました。
会社も即対応して次の期間工を募集しましたが、すぐには見つからず、結局4名でのラインとして作業しました。
当然作業量は20%増しになったのですが、何とか品質、数量も落とさず作業できました。
そんな時、会社側から給料の増額が提示され、約15%程度でしたがアップした経験があります。
給与のアップした実例紹介(2)
上の例とは異なる現場で、電気部品の組立をメインとする作業現場での実例です。
この現場でもチームで働くことになったわけですが、ここでは、日頃から部品供給の導線が悪く、部品を運び入れる時に落下させたり、運ぶのに手間取ったり、と効率の悪いラインでした。
こうした内容をラインの皆で改善提案し作業効率を高めた結果、僅かですが昇給しました。
工場で働く時の、雇用形態別の給料以外のメリット・デメリット
支給される給料以外に、働き方で良い点と悪い点がありますが、その点についてご紹介します。
正社員
正社員の場合、良い点は、永年勤続のため生活が安定することが挙げられます。
大きな間違いを犯さなければ定年までずっと働けるというのはメリットです。
人生設計を確実なものにしたい人には向いていると言えます。
一方、悪い点では、その会社と命運を共にしなければならないということがあります。
会社が傾けばそのまま自身に降りかかって来るということも有り得るのです。
派遣
派遣社員の場合、その仕事が嫌になれば別の職場に移れると言う良い点があります。
同じような職種を様々な会社で経験してみたい人には向いています。
一方、一時的な仕事の提供に終わってしまうことから、契約期間が過ぎての再雇用には上限があるという悪い点があります。
契約社員
契約社員の場合、自信を持つ専門性を十二分に発揮できるというメリットがあります。
また、期間工も含めて契約期間内に高給を得ることで、夢や希望を叶えたいという人に向いています。
数百万円の預貯金を元手に商売を始めたい人等にはおすすめです。
反面、有期での就労ですので契約が終了するとそれで終わってしまうというデメリットもあります。
アルバイト
アルバイトの場合、ほぼ全ての作業に関しての責任は上長が被ってくれるというメリットがあります。
一方で、社会保障面では弱い部分があり、その点はデメリットとして挙げられます。
学生やフリーターの方で、定職就労にはまだ早いと感じている人や、社会経験として就労したい人、自分探しの一つとして捉えている人には良いでしょう。
実家暮らし等の状況下で、給料が高くなくても生活に不自由がない人には向いています。
まとめ
期間工を中心に、その給料相場や給料アップのための方策、また、勤務条件も含めた観点から、正社員、契約社員、アルバイト等の働き方で、向いている代表的な人をご紹介しました。
期間工という短期間で高給を貰える仕事は、真面目に働けば働くほど実入りの良い仕事になります。
したがって、期間工として短期間にまとまったお金を稼ぎ、自身の「夢」や「やりたいこと」を叶えられる仕事でもあります。
事前にお給料や処遇の仕組みを知り、転職活動の参考にしてみて下さい。
最終更新日:2019年6月26日