競輪選手の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞金・各種手当・最高年収
競輪は、競輪場のコースを自転車で走って、1番強い選手は誰なのかを競う競技です。
その中で競輪選手は、レースを戦って賞金を稼いでいくプロのアスリートです。
競輪は日本が発祥の自転車競技で、今ではオリンピックの競技にも採用されている世界的にも有名なスポーツになります。
競輪は完全実力主義の世界ですが、チームを組んでレースに望む場合もあり、師匠、先輩、後輩、友人などとも結びつきがとても大きなスポーツでもあります。
日本の公営競技の中ではイチバン「道」というコトバが似合うかもしれません。
現在競輪選手は男子が2,190人、女子が135人、合計で2,325人います。※(2019年12月31日時点)
一時は行っていなかった女子の競輪も復活し、現在はガールズケイリンにも力を入れています。
競輪は脚力を武器に戦うスポーツです。
以前から自転車競技をしていた選手、学生時代に部活でバレーボール、陸上競技などしていた選手やアイススケート選手からの転向など、様々なキャリアを持った人が競輪選手になっています。
現在競輪選手は19歳から61歳までの男女が登録しています。※(2020年5月時点)
競輪は脚力が重要なスポーツですが、持久力、瞬発力、戦略を考える力などの要素が全て重なり合って行われ、緻密な計算や勝負勘も求められます。
したがって、選手としての寿命も大きなケガなどをしなければ、長く続けられる傾向があります。
さて、競輪選手はどれくらい稼ぐことができるのでしょうか。
こちらの記事では「競輪選手の年収を徹底解説、給料・初任給・賞金・各種手当・最高年収などをご紹介」ということで、競輪選手の収入をご紹介します。
競輪選手の平均年収は男子は1100万円、女子は650万円が相場
まず、競輪選手は脚力が違うために男女別に競技が行われます。
レースの賞金も変わってくるので、平均年収も男女で違ってきます。
競輪は日本全国にある競輪場でレースが行われています。
1開催の日数が3日~4日あって、1日1レースに出場して優勝を目指します。
1日に何回もレースに参加すればもっと賞金も稼ぐことができるかもと思いますが、レース中にケガをした場合など他の選手に変更ができないなどの理由で1日1レースの出場に決まっています。
そのようなレースを1ヶ月に2回~3回出場して賞金を稼いでいきます。
レースに出場していない時が沢山出てきますが、その時期は毎日トレーニングを積んで脚力、精神力を養っていきます。
男子選手の場合
男子の競輪選手の場合は成績に応じて六つのクラスに分かれています。
最上位クラスのSSの平均年収は104,626,311円、最下位クラスのA3は6,425,193円です。
競輪選手は最上位のSSを目指して日々トレーニングを積んでいます。
ちなみにSSは、全ての競輪選手の中でもたったの9人しかなれない競輪界のトップアスリートになります。
SSからA3までの2,190人の男子選手の平均年収は10,863,400円になります。※(2019年12月31日時点)
平均年収が約1100万円なので、しっかりお金を稼ぐことができるプロスポーツです。
その中でも、SSの選手は外資系企業CEOとか投資業を行って成功しているくらいの高年収ですね。
A3の選手でも一般の会社員の平均よりも多いくらいの年収を稼いでいるので、収入面では満足いくものではないでしょうか。
女子選手の場合
女子選手の場合はL1というクラスしかありません。
平均年収は6,468,313円で、こちらも1ヶ月に2回~3回出場して賞金を稼ぎます。
現在の最年長は門脇真由美選手で47歳です。※(2020年5月時点)
女子選手の平均年収は若手銀行員や大手メーカーの主任クラスのお給料かと思います。
一般の職業の年収から比べるとやはり沢山稼ぐことができますね。
競輪選手の初任給はどのくらい?
競輪選手は個人事業主で会社員ではありません。
したがって、会社員のようなお給料のようなものはありません。
公益財団法人JKAが選手の斡旋を行っていて、それによって全国にある競輪場のレースに出場することができます。
そして、優勝を目指してレースに出場して賞金を稼ぎます。
例えば、競輪選手デビューするとA3クラスから始まります。
1開催3日間で全て着順が最下位の場合だと100,000円くらい賞金を稼ぐことができます。
大体ひと月に斡旋が2回~3回あるので、2回出場したとすると200,000円、そしてその他諸々の手当など含めると300,000円以上は稼ぐことができるのではないでしょうか。
一般の仕事に就いた場合の平均の初任給が、高卒は初任給が約165,000円、大卒の場合は約206,000円なので沢山稼ぐことができますね。
競輪選手の年収・給料の構成要素
競輪選手の収入には様々なものがあります。
普通賞金などのレースで走ることで稼ぐ収入と日当があり、レースに出場することで貰える特別な手当、交通費などがそれになります。
こちらでは、具体的にどれくらいお金を稼ぐことができるのかを紹介します。
基本給・能力給などはどうなっているの?
基本給はどうなっているの?
競輪選手で一般に働いている人が貰える基本給にあたるものは日当になります。
レースに出走していれば貰える手当で、レースの着順に関係なく支給される手当になります。
選手は調子の良いときも、逆にスランプの時もあります。
レースに走った時の普通賞金だけだと、もしかしたら選手によっては稼ぎがとても少なくなってしまう場合もあるかもしれません。
競輪選手の生活を守るためのセーフティーネットがしっかりと敷いてあるということですね。
これなら安心してトレーニングやレースに集中ができます。
能力給はどうなっているの?
能力給は出場するレースで何着になったかで貰える賞金になります。
競輪ではレースによってグレードが分かれています。
全部で六つあり、最上位からGP、GⅠ、GⅡ、GⅢ、FⅠ、FⅡになります。
7人から9人で一つのレースを行うことになり、その着順によって貰える賞金が大きく変わってきます。
ちなみに、賞金額はFⅡクラス、女子ガールズケーリンの26,000円からGⅠの数百万円までとても幅があります。
これも完全実力主義の競輪ならではです。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
競輪選手はプロアスリートなので会社勤めをして貰えるような賞与はありません。
しかし、1開催で行われるトーナメントで決勝に進んで優勝をすれば、沢山の優勝賞金を稼ぐことができます。
こちらもガールズケイリンの265,000円から、競輪の最高峰であるKEIRINグランプリの98,400,000円まで非常に幅があります。
約1億円の優勝賞金を貰うことができるのはとても夢がありますね。
六つあるクラスの中で代表的なレースの決勝戦の1着賞金を紹介します。
GP
GⅠ
- 日本選手権競輪 59,100,000円
- オールスター競輪 42,800,000円
- 朝日新聞社杯競輪祭 33,600,000円
- 高松宮記念杯競輪 28,500,000円
- 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント 28,500,000円
- 読売新聞社杯全日本選抜競輪 28,500,000円
GⅡ
- 共同通信社杯 19,800,000円
- ヤンググランプリ 3,280,000円
- サマーナイトフェスティバル 10,600,000円
- ウィナーズカップ 19,800,000円
GⅢ
- S級4日制12レース 3,630,000円
- 国際自転車トラック競技支援競輪S級4日制 2,930,000円
- S級3日制10レース 2,730,000円
FⅠ
- S級4日制6レース 1,146,000円
- A級1,2班4日制6レース 410,000円
- ガールズケイリン3日制2レース 332,000円
FⅡ
- A級1,2班3日制5レース 365,000円
- ガールズケイリン3日制2レース 332,000円
- A級3班3日制4レース 144,000円
ご覧の通り、決勝戦に進出して優勝した場合に貰える賞金額は非常に差があります。
これも競輪選手の励みになりますし、選手の全員が年末の12月30日に開催されるKEIRINグランプリに出場することを目指して1年間頑張ることになります。
各種手当はどういったものがある?
競輪選手には一般の会社に勤めていては貰えることのない様々な手当もあり、選手の収入にとってプラスになります。
ここでは、どのような手当があるのか紹介します。
モーニング手当
競輪は早朝から開始するレースがあります。
モーニング競輪出走することで貰える手当です。
ミッドナイト手当
21:00くらいから23:30くらいまでの夜の遅い時間に開催されるレースをミッドナイト競輪と言います。
ミッドナイト競輪に出走することで貰える手当です。
正月手当
正月三が日に行われる開催に出走すると貰うことができる手当です。
落車棄権手当
レース中に自転車から落ちてしまいレースに出られなくなってしまったときに貰える手当です。
交通費
自宅から競輪場に向かうときに電車などの公共交通機関を使ったときに貰える費用です。
ちなみに競輪界の最上位SSに在籍している9名に関しては、グリーン料金などの特別料金もプラスされます。
予備選手手当
ケガなどで途中で帰ってしまう選手がいるために、予備で待機をしている選手もいます。
その選手が待機しているときに貰うことができる手当です。
先頭誘導員手当
競輪には、レースをする選手の前に先頭を走りレースを誘導する人がいます。
この人たちは競輪選手で誘導員の資格を持っています。
その選手が1回先頭誘導員をすることで貰うことができる手当です。
そのほかにも記録賞、敢闘賞、優秀選手賞、賞品など様々な手当があります。
競輪選手は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
競輪選手は1年間ほとんど休みなくレースとトレーニングを繰り返し行っています。
レースの優勝賞金の紹介のところでも見ましたが、一つの開催を優勝すると何十万円から1億円くらいまでと、賞金を多く稼ぐことができます。
最高でどれくらいの年収を目指すことができるのでしょうか?
ここでは男女別過去5年の年間獲得賞金額1位の選手を紹介します。
男子
- 2015年 浅井康太選手 189,633,600円
- 2016年 村上義弘選手 229,204,000円
- 2017年 浅井康太選手 182,787,400円
- 2018年 三谷竜生選手 255,313,000円
- 2019年 佐藤慎太郎選手 188,733,400円
女子
- 2015年 小林優香選手 29,767,000円
- 2016年 梶田舞選手 24,425,000円
- 2017年 石井寛子選手 22,631,000円
- 2018年 児玉碧衣選手 27,184,000円
- 2019年 児玉碧衣選手 28,403,000円
歴代最高獲得賞金は2018年の三谷竜生選手になります。
過去30年を見ると、170,000,000円くらいから220,000,000円くらいが年間獲得賞金額1位の年収です。
女子の1位は大体2000万円台になります。
年収2億円も夢ではない競輪選手は、レースで獲得した賞金や手当をレース終了後に現金で持って帰ることもできます。
年末のKEIRINグランプリで優勝した選手が1億円を現金で貰っている光景を見たことがありますが、まさに圧巻のお金の量でした。
競輪選手がニコニコしながらその現金を貰う姿が印象に残っています。
これから競輪選手になる人へのアドバイス
競輪選手は自分の脚力を極限まで鍛え上げて、自転車のペダルをこいでレースで勝利を上げていく、国から免許を与えられるプロアスリートになります。
4月1日時点で満17歳以上であれば、年齢制限の上限なく応募することができます。
日本競輪選手養成所の入学試験に合格し、1年間みっちり技能を身につけて卒業試験に合格すれば、晴れてプロの競輪選手です。
年間を通して常に体を鍛え、レースに出場して実力で上のクラスに上がっていく、大変やりがいのある職業になります。
また、義理人情という人間っぽさが沢山出てくる競技の一面も持っていて、チームを組んだ全員で上位の着を狙いに行くという、他の公営競技にない連携も必要になってきます。
日々の練習から先輩、後輩、師匠、同期の選手などと、共に練習して意思の疎通をはかりレースに反映させていくのも訓練です。
完全実力の世界です。
規定にある成績を残すことができなければ、引退しなければならないという厳しい一面もあります。
しかし、優秀な成績を上げてナショナルチームに選出されればオリンピックの日本代表に選ばれる可能性もあり、努力と頑張りよってはメダリストになれるかもしれません。
収入も、一般の会社員よりも沢山稼ぐことができますし、1億円以上稼ぐことも決して夢ではないです。
沢山の汗をかいて、目一杯の努力を惜しまず練習を続けることが、競輪で強くなっていく近道なのだと思います。
さいごに
競輪選手は自転車競技の経験がなくても、努力と意欲があればプロアスリートになることができます。
平均の年収も男子が1100万円で女子が650万円あり、頑張り次第では1億円以上の年収も稼ぐことができる、とても魅力ある職業です。
実際にレースに出走するのはひと月の中で10日間くらいになります。
レース以外の日はトレーニング、体のケア、プライベートと充実した日々を過ごすことができるのも魅力の一つです。
どうぞ、興味を持った方は競輪選手になって、充実した毎日を過ごしてくださいね。
最終更新日:2020年6月3日