管理栄養士の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・手当
皆さん、「管理栄養士」という職業は知っていても、その年収はご存知でしょうか。
「管理栄養士」は厚生労働大臣から認定された国家資格で、専門的な知識・技術で栄養指導や栄養管理を行う仕事です。
国家資格であるために年収相場は高いのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、知られているようで知らない人が多い管理栄養士の年収事情を徹底的に解説していきたいと思います。
管理栄養士の平均年収は350万円前後が相場
管理栄養士の年収は職種により大きく幅があります。
一般的な会社員と同じく、働いている年数によって定期的に給与がアップします。
20代では年収250万円前後、30代では年収が300万円を超えることが多いです。
40代では年収400万円前後、50代では年収が500万円前後、と年収のピークを迎えます。
管理栄養士の年収の構成要素
管理栄養士の年収は、「基本給」「能力給」「資格手当」「ボーナス」の構成になっている場合が多く見られます。
では、それぞれの項目を詳しく見てみましょう。
基本給・能力給・資格手当はどれくらい?
「基本給」は新卒管理栄養士として働く際、月に約17万円くらいからスタートするところが多いです。
そこから勤続年数と共に増えていきます。
「能力給」は試用期間中は支給されず、管理栄養士として一人前に働けるようになってから支給されることが多いです。
中途採用の場合は前職での経験が加味され、「能力給」が加算されます。
「資格手当」は5千円~3万円と、働く場所により大きく差が見られます。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
ボーナスは働き先によって支給額が大きく異なります。
年間2回10万円を支給するところもあれば、毎月の給与の数倍額を年2回に分けて支給するところもあります。
毎月の給与額も重要ですが、賞与額が年収を大きく左右することも少なくありません。
各種手当はどのようなものがある?
各種手当の内容や金額などは働き先や雇用形態等によって異なりますが、会社規定の交通費支給は、多数の会社で設けられている手当です。
その他、「家賃補助手当」や「扶養手当」、「子ども手当」などが毎月支給される会社もあります。
管理栄養士の年収を新卒や雇用形態別に見る
ここでは、管理栄養士の年収を新卒の場合と中途の場合、また雇用形態別などに分けて見ていきます。
新卒の管理栄養士の年収
新卒の管理栄養士の年収は240万円~300万円程の年収である場合が多いです。
自分自身と照らし合わせてみると、新卒時代の年収が約260万円であったため妥当な額であったと感じています。
社会人が転職する場合の管理栄養士の年収(正社員)
管理栄養士が正社員として転職する場合、年齢や経験などを加味し、できるだけ前職の年収に近い額を出してもらえることが多いです。
また、転職先で管理栄養士として更なる飛躍が期待される場合は前職以上の年収を期待することもできます。
パート・アルバイトの管理栄養士の年収
パートやアルバイトなどとして扶養内で働く管理栄養士は、出勤日数で調整を行い年収の調整をすることが多いです。
扶養内で働きたいのか扶養外で働きたいのかによって年収は違ってきます。
扶養外で働きたいパートに関しては年収200万円前後である場合が多いようです。
管理栄養士では、最高でどれくらいの年収まで目指せるの?
管理栄養士として雇われて働く場合は、職種にもよりますが年収650万円程度が限度であると感じます。
しかし、形にとらわれずフリーランスの管理栄養士として講演を行ったり栄養相談を行うなど、個人で活動する場合は年収1000万円以上も夢ではありません。
管理栄養士ではどのような勤務先だと年収が高くなるの?
では、どのような場所で働く管理栄養士が高い水準の年収を得られるのでしょうか。
以下に、勤務先別に分けた管理栄養士の年収相場をご紹介します。
病院で働く管理栄養士の年収
保育所や施設で働く管理栄養士よりも、病院で働く管理栄養士の方が年収が高いことが多いです。
更に、病院の中でも、小さな個人病院よりも大きな総合病院の方が年収が高い傾向に有ります。
大きな病院で専門性に特化した管理栄養士として働く場合、新卒であっても年収は350万円程からスタートするところもあります。
病院ではたらく管理栄養士の平均年収は440万円程と言われており、やや高めであると感じます。
企業で働く管理栄養士の年収
企業で働く場合も大手食品会社であればあるほど年収はやや高い傾向にあります。
平均年収は460万円程度と言われており、これも一般的な管理栄養士と比べると高い相場となっています。
ただし企業で働く場合は、献立作成等の食事に関わる仕事は少ないです。
公務員として働く管理栄養士の年収
保健所や役所などの管理栄養士は給与形態が公務員と同等であるため、年収は高いです。
平均年収は470万円程度と言われています。
もともと管理栄養士は高い年収が見込める職種ではないため、管理栄養士としての年収では比較的高い年収です。
フリーランスで働く管理栄養士の年収
フリーランスで働く場合の年収は個人の頑張り次第であると感じています。
講演に回ったり栄養相談を行うなど、いずれにしても知識や経験が必要となることが多いので、新卒でフリーランスとして働くことはおすすめできません。
しかしながら、フリーランスとして活動することで年収1000万円を超えることも夢ではないのです。
管理栄養士の年収の決まり方や、年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
では管理栄養士の年収はどのように決まるのでしょうか。
また、年収が高い人に条件やスキル、特徴はあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
献立作成や衛生管理などのスキル・経験がある
まず、管理栄養士の仕事内容は職場によって様々です。
管理栄養士として働いていても献立作成をしない場合や、調理現場に全く携わらない場合などもあります。
年収が高い人の条件の一つに、管理栄養士としての仕事内容を一通り経験していることが挙げられます。
仕事内容を一通り経験している人は、例え転勤がある職場であっても調理現場の運営方法が変わっても対応ができるために重宝されます。
また年収アップを目指すために転職をする場合も、一通り管理栄養士としての仕事経験があった方が採用されやすいことは言うまでもありません。
管理栄養士の収入と経験内容は比例している場合が多いです。
専門分野で3年以上働いた経験がある
例えば、病院へ転職をする際に病院での実務経験が数年必要である場合があります。
求人情報を見ると、病院の採用試験を受けるには「3年以上病院での管理栄養士経験が必要である」と記してある求人が多いように感じます。
それは病院と施設や給食施設などでは仕事内容が全く違うからです。
それに加えて、新人に一から仕事を教える手間を省く目的も考えられます。
管理栄養士は3年程の実務経験を経てやっと一人前の仕事を任せられるような職業です。
早いうちに専門分野を定め経験年数を積むことが高収入へ繋がる条件です。
栄養指導の経験がある
病院や施設などで働く際、栄養指導業務があることが殆どです。
栄養指導業務の経験がある程度あれば、採用されやすい傾向にあります。
特に病院は、3年以上の実務経験がないと個別栄養指導業務をさせてもらえないところも少なくありません。
入職する時点で栄養指導の経験がある人は優遇されること間違いなしです。
人をまとめる能力がある
管理栄養士1人体制で仕事をする場合も、管理栄養士複数人体制で仕事をする場合も、人をまとめる能力がある人の方が出世しやすい傾向にあります。
1人体制の場合も、調理職員をまとめ指示を通さなくてはなりません。
調理職員の統制がとれる管理栄養士ほど重宝され、年収のベースアップも見込めます。
また複数人体制で仕事をする場合は、管理栄養士同士が役割分担をして円滑に仕事を進めていく必要があります。
円滑に仕事を進める中で、人をまとめる能力のある人が管理職に抜擢されることも少なくありません。
管理栄養士の年収査定で特に大事なのは、「経験年数」と「仕事内容」
管理栄養士は、一会社員であることが多いです。
やはり年収査定で重視されるところは、「経験年数」と「仕事内容」です。
転職する際は、それまでに経験してきた仕事内容が重視されて年収が決まることが多い為、様々な職種の経験があるに越したことはありません。
しかし管理栄養士は会社員であるため、入社する会社を見極めて一つの会社で経験を積むことで毎年年収は確実にアップしていきますし、定年を迎える頃には年収500万円~600万円を超えることも少なくありません。
また就業年数が増えるほど定年時の退職金も増えるため、一つの会社で長く働くことが高収入に繋がる近道であることもあります。
年収をアップさせるためには、転職することと一つの職場で定年まで勤めることのどちらが自分にとって最善であるか試算をして、一度きちんと考えてみても良いかもしれません。
管理栄養士として年収をアップさせたい人にやって欲しい4個のこと
管理栄養士として年収をアップさせたい人にやってほしい事を以下にまとめています。
参考になれば幸いです。
研修会等には積極的に参加をする
管理栄養士は自分自身で情報を得なければなりません。
日々新しい情報を得るためにも、研修会や講演会などはこまめにチェックし、積極的に参加しましょう。
新卒のまま情報が更新されていない管理栄養士は必要とされません。
年収アップを望むのであれば、管理栄養士としての自分を磨く努力を怠らないようにしましょう。
専門分野の資格取得
「公益社団法人栄養士会」を知っていますか?
4年制管理栄養士養成学校や2年制栄養士養成学校を卒業する際、学校から入会を勧められた経験がある方も多いかと思います。
栄養士会では高度な専門性を身に付けたい管理栄養士のために各分野のスペシャリスト認定を行っています。
その他の民間資格にも管理栄養士がスキルアップできるようなものもあります。
このように、管理栄養士免許を取得した後も専門分野の知識を身に着け認定してもらうことで、職場から認められ年収アップが見込める場合があります。
コミュニケーション能力を上げる
いくら仕事をコツコツと一生懸命こなしても、周囲に認めてもらえなければ年収アップは見込めません。
周囲と上手くコミュニケーションを取り、人に伝える力や人をまとめる力があってこそ年収アップに繋がるのです。
コミュニケーションを取ることが苦手な方も、まずは少しずつ周囲と上手く関わる努力をしてみませんか?
今の職場で成果を出す
年収アップを目指すためには今の職場で与えられている仕事をきちんとこなし、現状に満足せず日々問題点を改善していくことも必要です。
現在の仕事を満足にこなせなければ、スキルアップや年収アップは望めません。
まずは、今の職場で成果を出すことを目標としましょう。
転職を検討する
先程も少しお話ししましたが、管理栄養士は一会社員であることが多いです。
あまりにも年収が低かったり数年勤めていても年収が変わらなかったりする場合は、自分自身ではなく会社の体制や財政に問題があることがあります。
一度、管理職に収入について相談してみて、変わりようがなければ転職をおすすめします。
管理栄養士として年収アップの点から転職を行う場合は、自身の経験したことのある仕事内容であると交渉がしやすく年収アップが見込めると思います。
そもそも管理栄養士の年収自体が低いと感じる人は、他の職種にジョブチェンジも検討すると良いでしょう。
これから管理栄養士になる人へのアドバイス
管理栄養士は決して楽な職業ではありません。
新卒の頃は、仕事量は多いのに年収と割に合わないなと感じる方も多いと思います。
しかし経験を重ねるに連れ、仕事に対するやりがいや楽しさなどが増してゆくことも管理栄養士の魅力の一つです。
また、一会社員であることが多い為、比較的収入が安定しており、年収は確実にアップしていくというところも管理栄養士の良さであると言えます。
現に、新卒から就職した職場で定年を迎える管理栄養士も多いです。
管理栄養士になったばかりで辛い時期があったとしても、それは一瞬のことです。
物事を点で捉えず線で捉えて、長い目で管理栄養士という職業を選んで頂けたら、同じ管理栄養士として嬉しいです。
もし管理栄養士になったのなら、管理栄養士として共に頑張りましょう!
最後に
今回は管理栄養士の年収を徹底解説しました。
管理栄養士の年収の実情について、たくさんの方に興味を持って頂けると幸いです。
最後まで読んで頂き、有難うございました。
最終更新日:2019年7月3日