海上保安官の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
巡視船艇や航空機等に勤め「海の警察官」と呼ばれる海上保安官は、名前は知っているけど実態はよく分からないというような職業です。
海の安全を守り、時には人命を守ることもある海上保安官という仕事は、一体どれくらいの年収なのでしょうか。
金銭面が意外と知られていない海上保安官について、今回は解説していきます。
この記事を読み海上保安官の収入について知ることで、海上保安官への興味関心が増すでしょう。
海上保安官の平均年収は655万円が相場
海上保安官の年収の相場の平均は655万円です。
海上保安官は比較的業務が忙しく、また時には海難事故の救助など人命に関わる国家公務員のため、サラリーマンや他の業種に比べると年収は高いです。
海上保安官の初任給は?
海上保安官になる人は、海上保安官になる前に海上保安大学校または海上保安学校に通います。
入学した時点で学生は国家公務員扱いなので、月額14万円〜15万円の給与と年に2回の期末・勤勉手当(ボーナス)が支給されます。
尚、在学中は金額は一律です。
しかし、所得税や教科書代、食費、その他諸々で手取りは8万5,000円程度になります。
海上保安大学校または海上保安学校を卒業して海上保安官になった際の初任給は月平均20万円〜25万円です。
海上保安官は海上保安大学校か海上保安学校を卒業しないとなれないため、初任給は他の業種に比べると高いです。
海上保安官の年収・給料の構成要素
では、海上保安官の年収・給料の構成要素はどうなっているのでしょうか。
海上保安官は国家公務員なので、公務員と同じような構成要素になっています。
しかし、海上保安官の中にも船艇、航空機、陸上など様々な種類があるため、各配属先で手当てが異なってきます。
海上保安官の年収は、「基本給」「各種手当」「ボーナス」「その他」の構成になっている場合が多くあります。
基本給はどうなっているの?
海上保安官の基本給は、級と号給によって定められます。
級とは仕事の責任や難しさに応じて区分するものです。
号給とは、定められた級の中で更に細分化するために、習熟度や経験年数を給与に反映させたものです。
例えば地方公務員で5級で1号の人の給与は月289,700円ですが、10号になると月310,100円、20号だと月332,000円のように上がっていく仕組みになっています。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
海上保安官のボーナスは、サラリーマンや他の業種に比べると高い2.5ヶ月分です。
中小企業は1ヶ月分、大企業でも2ヶ月分がほとんどですが、2.5ヶ月分も貰える海上保安官にはそれ相応の仕事や責任が伴うということになります。
各種手当はどういったものがある?
海上保安官の手当ては国家公務員と同じ手当のため、手当の種類は数多くありますが、主な手当として「地域手当」「扶養手当」「住居手当」「超過勤務手当」があります。
地域手当は主に民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給されます。
東京での民間賃金と地方での民間賃金は異なるため、地域によって金額は上下します。
扶養手当は扶養親族のある職員に支給されます。
配偶者6,500円、子は10,000円などです。
住居手当は借家などに住んでいる職員や、単身赴任手当受給者であって配偶者等が借家などに住んでいる職員に支給されます。
超過勤務手当は残業代です。
正規の勤務時間を超えて勤務した職員に支給されます。
海上保安官は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
海上保安官は最高で700万円を超える年収が目指せます。
40歳を超え、組織のマネジメントや人材育成、より責任の伴う役職に就くことができれば、高額な年収を見込めます。
その分、様々な責任を背負う必要があります。
海上保安官の年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
海上保安官で年収が高くなるには、当たり前ですが長く続けていく必要があります。
そのために必要なスキルや特性があり、向いている人向いていない人がはっきりしている業種です。
責任が大きく伴う業種であり、配属先では海に関わる仕事なので、責任感があまりない人や海が苦手な人は必然的に長続きしません。
しかし、責任感が強く、海が大好きな人は長く勤めることができ、必然的に年収も上がります。
海上保安官の仕事を長く続けられるためのスキルや経験、特徴は以下です。
1.海が好き
海が好きであれば年収が直接的に上がるわけではありませんが、海上での役職や業務の場合、海が嫌いだと長続きしません。
海が怖い、苦手な人はあまり不向きな職業です。
2.責任感、正義感が強い
海上保安官は日本の領海を保守したり、海難事故に遭ってしまった人を助けたりする役職もあり、誰かを助ける、守るという気持ちがないと成り立たない職業です。
人を助けることが好きな人や正義感が強い人であれば、やりがいを感じることができ、年収アップにも繋がるでしょう。
3.コミュニケーション能力や協調性がある
コミュニケーション能力や協調性はほとんどの職業に必要なスキルですが、潜水士や救助隊になるとより一層潤滑でスムーズなコミュニケーションが必要です。
海中を捜索する際はボディランゲージでコミュニケーションをとることもあるため、相手の気持ちを読み取れる必要があります。
4.リーダーシップ、マネジメント力がある
海上保安官で年収を上げるには、組織をまとめたりマネジメントしたり、大勢の部下をコントロールする役職になる必要があります。
そこで重要なのが、リーダーシップとマネジメント力です。
この人にはついていける、という気持ちを部下が持てるようなリーダーシップを持つ必要があります。
また、高いマネジメント力で適切な人材育成をし、優秀な人材が育てば結果的に自分の年収アップに繋がります。
海上保安官として年収をアップさせたい人がやって欲しい4個のこと
海上保安官として年収をアップさせたい人がやってほしいことの多くは、自分自身のスキルアップです。
筋力や専門的な技術よりも、メンタル的な能力が重要になってきます。
判断力
務める役職にもよりますが、救助隊や潜水士は適切な判断を素早く行える人材が昇給し上の役職に就くことができます。
はじめの内は上司の判断の基準や素早さに着目し、良い部分は盗み、悪い部分も知っておくことで同じ間違いをしないようにしましょう。
リーダーシップ
年齢が上がるにつれて責任が多く伴う役職に就く海上保安官では、リーダーシップがない人材には重要な役割を与えてくれません。
責任や人命がかかっている業務で曖昧な指示を出したり、自信のない人は、年収アップは見込めません。
自分が統率するという意思を若い内から持っておくことが重要です。
語学力
海上保安官に意外と必要なのが語学力です。
外国船を相手に仕事をすることもあるので、英語を話せるだけで重要な外国船との交渉などの業務を任せられるかもしれません。
持久力と精神力
海上保安官は決して楽な仕事ではありません。
潜水士は潜水しなければなりませんし、船上で業務をすることもあります。
また事務的な仕事も多くあるので、持久力と精神力を鍛えましょう。
これから海上保安官を目指す人へのアドバイス
まずは海上保安大学校か海上保安学校のどちらに進学するかを決めましょう。
海上保安大学校と海上保安学校では将来なれる役職も異なるため、きちんと調べてから入学しましょう。
そして大まかな将来の設計をすることで、辛い時を乗り越えるためのモチベーションを作っておきましょう。
さいごに
海上保安官の年収などついて理解できましたでしょうか。
国家公務員であり、人命を救助し国の領海がかかっている責任の重い職務のため、収入はサラリーマンより高いことが理解いただけたかと思います。
責任感や正義感が強い人、海が大好きな人にはうってつけの職業ですので、ぜひ職業選択の一つにしてみてくださいね。
最終更新日:2020年9月14日