准看護師の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
看護師はなんとなく年収が高いイメージがありますが、果たして准看護師もそうなのでしょうか?
この記事では、厚生労働省のデータ(令和元年賃金構造基本統計調査)に基づき、准看護師の年収について解説していきます。
准看護師の平均年収は400万円が相場
准看護師に平均年収は大体400万円程度と考えておくと良いと思います。
- 平均年齢:50.2歳
- 勤続年数:11.6年
- 労働時間:158時間/月
- 超過労働:3時間/月
- 月額給与:282,400円
- 年間賞与:641,600円
- 平均年収:4,030,400円
※平均年収は、「月額給与×12+年間賞与」で計算しています。
ちなみに男性と女性で若干の差はあるものの、多職種と比較するとそこまで大きな差はありません。(男性の平均年収は425万円、女性は401万円)
准看護師の年収・給料の構成要素
准看護師の年収は、「基本給」「ボーナス」「各種手当」の構成になっている場合が多くあります。
では、以下でそれぞれの項目について解説していきます。
基本給はどうなっているの?
看護師の場合と同じく、准看護師であってもこの基本給をしっかりと確認しておくことが大切です。
なぜなら、賞与や退職金、傷病手当は基本給をベースに計算される為です。
基本給が少ないとその分支払われる額が少なくなってしまうので、求人を探す際には注意しましょう。
看護師は給料が高いイメージがありますが、新卒看護師で約20万円と他業種と比較してもそこまで高いわけではありません。
准看護師の基本給の平均は正式なデータとしては公表されていませんが、求人情報を見る限りでは、概ね看護師よりも2万円~3万円程度低くなることが多いようです。(勤務先により、差があります)
准看護師も基本給はそこまででもありませんが、この後に説明する「各種手当」により、年収がかなり高くなるというケースが考えられます。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
准看護師の年間賞与の平均値は641,600円となっています。
20歳~24歳の女性の場合ですと374,400円ですが、経験年数により賞与も上がる傾向にあります。
統計によりますと、55歳~59歳の時の賞与が802,200円と最も高くなっているようです。
賞与は基本給を基にして算出されますので、経験年数が長いと基本給が上がり、その結果として賞与が高くなっていると考えられます。
各種手当てはどういったものがある?
先ほど説明したように、看護職の給料はこの各種手当によりかなり底上げされることが多いです。
各種手当の代表的なものとしては、「夜勤手当」「資格手当」「危険手当」「休日手当」「住宅手当」「残業手当」などが挙げられます。
ここでは、特に重要な「夜勤手当」「資格手当」について説明していきますね。
「夜勤手当」とは?
准看護師も看護師と同じく夜勤勤務が発生しますので、当然夜勤手当が支給されます。
夜勤手当は労働基準法によって定められているもので、必ず支給しなければならないものです。
支給金額は病院により異なりますが、二交代で約100,00円、三交代で5,000円程度の病院が多いようです。(日本看護協会:2016年病院看護実態調査)
准看護師であっても、看護師と同じ夜勤手当の病院もあれば多少低く設定されている病院もあります。
看護職の給料はこの「夜勤手当」の金額により高くなる傾向になりますので、求人情報はしっかり確認するようにしましょう。
「資格手当」とは?
資格手当は、その名の通り取得している資格に対して支給される手当のことを指します。
准看護師の場合は「准看護師資格」に対して支給されますので、正看護師とは明確な差が出てしまう手当となります。
また、夜勤手当と異なり必ず支給しなければならない手当ではありませんので、この手当のない病院もあります。
支給額も病院により幅が見られます。(20,00円~100,000円程度)
正看護師であれば認定看護師や専門看護師の資格を取得することで資格手当が加算されることもありますが、准看護師のままですとこれらの取得はできませんので、資格手当を上げるということはなかなか困難であると考えられます。
准看護師は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
最も高い年収が5,159,800円という結果でした。(企業規模計1,000人以上の職場で、15年以上の経験年数のある55歳~59歳の女性の平均年収)
ですので、同じような条件であれば、准看護師であっても500万円以上の年収を目指すことも不可能ではないようです。
准看護師はどういった勤務先だと年収が高くなるか?
准看護師の年収は、勤務する職場の企業規模(従業員の数)によって差があります。
企業規模数が大きい職場ほど年収が高く、逆に小さい職場は低くなる傾向になります。
その為、准看護師として高い年収で働きたいという場合は、なるべく従業員の数が多い総合病院や大学病院を選んだ方が良いと考えられます。
「企業規模10人~99人」で働く場合の准看護師の年収
クリニックや小規模な病院、施設が当てはまります。
この場合ですと、年収の平均は「4,178,100円」となっています。(平均年齢:57.9歳、勤続年数:12.2年)
「企業規模100人~999人」で働く場合の准看護師の年収
中規模程度の総合病院が当てはまります。
この場合ですと、年収の平均は「4,460,500円」となっています。(平均年齢:57.6歳、勤続年数:15.4年)
「企業規模1,000人以上」で働く場合の年収
大学病院、比較的大きな総合病院が当てはまります。
この場合ですと、年収の平均は「5,593,500円」となっています。(平均年齢:57.8歳、勤続年数:22.5年)
やはり大規模の病院の方が年収も高い傾向にあると言えます。
勤続年数も長いので、このあたりも年収アップのポイントになっていると考えられます。
大きい病院は福利厚生や勤務環境がしっかりと整っている職場が多いので、長く安定して働けるということも関係しているかもしれません。
これから准看護師になる人へのアドバイス
ここまで、准看護師の年収について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
予想よりも結構高いなと思う方もいらっしゃると思いますが、それでも看護師の給料と比較すると低くなってしまうということが分かったと思います。
そこでアドバイスとしては、是非、正看護師免許を取得することをおすすめします。
というのも、准看護師は看護師の指示により働くという制約はあるものの、実際にしている仕事はほぼ正看護師と変わらず、命を預かる責任も大きいです。
それにも関わらず、年収が看護師よりも低くなってしまうのはとても勿体ないかなと思います。
正看護師免許を取得するには、また学校に通い国家試験を受けなければならないのでハードルが高いとは思いますが、今後の人生を考えますとその方が年収的にもキャリア的にも幅が広がることは間違いありません。
看護師免許を取得すれば師長や部長など管理職を目指すこともできますし、専門看護師・認定看護師を取得し専門職として更にキャリアを深めていくこともできます。
その結果として年収も大幅に上がることが予想されます。
是非、挑戦してみてください。
さいごに
今回は、准看護師の年収について解説してきました。
准看護師の年収は看護師と同様に、各種手当により底上げされる仕組みとなっています。
その為、各種手当を確認することは大切なことですが、この時に「基本給」も忘れずにチェックしてみてください。(賞与、退職金算定のベースとなるため)
年収をグッと上げる為には、余裕がある方は正看護師を目指すことも視野に入れておくと良いかもしれません。
1年の差で言えば70万円程度だとしても、これが10年働くと700万円もの差額になります。
とは言え、自分に合った環境・ペースで働くことができるのが一番だと思いますので、その点も考慮しながら職場や今後のキャリアを選んでいきましょう。
最終更新日:2020年6月30日