行政書士の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
行政書士とは、様々な書類の作成や提出の代行を行うことができる、士業の一つです。
毎年10月に国家試験があり、高くても15%と言う難関の法律系国家資格です。
そのような行政書士の収入はどのようなものなのでしょうか。
将来行政書士になりたい人、勉強している人のために有益となる情報を提供させていただきます。
行政書士の平均年収は600万円が相場
行政書士は国家資格を持つお仕事なので、とても高給そうなイメージを持っている方もおられるかもしれません。
では、実際の平均年収はどれくらいなのでしょうか。
行政書士の平均的な年収は500万円~600万円くらいです。
中にはとても高給取りで1000万円を超える人もいますが、とても腕が良くお客さんが絶えないくらい売れている人でないと1000万円を超えるのはなかなか難しいです。
実際に行政書士になる人は大学の法学部などで学び、法律系科目の勉強が得意な方で、20代にして行政書士の資格をとることもできますが、開業するとなると備品などにお金が必要となりますので、40代以降の年代で多く開業されています。
40代の行政書士となると、大体600万円~700万円ほどの年収がありますが、20代や30代では資金が足りないため、雇われの行政書士として働く方もいます。
また、会費などもかかってきますので、資格を取ってもすぐに行政書士の登録をせず「行政書士補助者」という公的なアシスタントの地位で働く人も多いです。
行政書士の年収・給料の構成要素
行政書士の年収やお給料の内訳は、基本給とボーナスのセット、またインセンティブがあれば追加で数十万円稼ぐことができます。
基本給・能力給などはどうなっているの?
一般的にはインセンティブやボーナスは事務所によりけりで、ない場合もありますが、大きな事務所であればボーナスも数十万円は貰えます。
行政書士の年収やお給料の構成はどのようになっているのでしょうか?
行政書士は、40万円ほどが月給です。
開業している行政書士の人がほとんどなので、自分のボーナスはないといった感じです。
しかしこれも40代くらいの経験を積んだバリバリのベテランであって、20代や30代の若手の人ですと月収が40万を超えることは少ないと言えます。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
雇われている行政書士の場合ですと、20代では基本給が月20万円強、ボーナスが60万円程度です。
30代になると、基本給が月30万円ほどでボーナスも80万円ちかくになり、ぐっと多くなります。
それでも苦労して取った国家資格の割りにはあまり多くないと感じられるかもしれませんが、ボーナスが少ない中小企業に勤務することを考えると、努力して行政書士の資格をとり、登録して働くことは意義があると思います。
40代になるとやっと基本給が月40万円を超えますし、雇われている場合はボーナスも100万円を超えます。
日本の平均年収と比べてみると、40代での一般的な会社員とは150万円ほどの開きがあり、多めのお給料を手にすることができます。
各種手当てはどういったものがある?
行政書士としてその道で働くとなれば、自分の分の手当はありません。
所長となると、自分のお給料は自分で管理するか、事務員さんに計算してもらうくらいです。
総売上から必要経費や人件費を引いたものが自分の手取りとなるからです。
では、雇われている行政書士の場合はどうなのでしょうか?
大手の企業などに勤めると一般的に家賃補助などが出ますが、行政書士事務所では家賃補助があるところはあまりありません。
各種手当てとしては、福利厚生として健康保険、労災保険、雇用保険、厚生年金への加入などがあります。
こちらは正社員として働く場合であって、パートタイマーやアルバイトでの勤務だと手当てが出ないこともあります。
例えば主婦の方で夫の扶養範囲に入っている場合だと、健康保険はそのまま夫の社会保険などに入ることが多いためです。
また、各種資格手当というものもあります。
行政書士を目指している人で行政書士補助者として働く人には、資格手当として月に1万円~2万円ほど支給されます。
1年で12万円~24万円ほどになるので、結構大きな収入源となります。
一般の民間企業で働く際に、行政書士の資格を取っていて有利になる場合は、資格手当で10万円以上が貰えるので、目指す価値はあると思います。
行政書士の雇用形態別の年収を見る
では、行政書士の雇用形態別に年収を見てみましょう。
正社員だけでなく、自営業として事務所を営んでいる人、またパートやアルバイトとして働く場合はどれくらい貰えるのでしょうか
自営業の場合の行政書士の年収
自営業として所長になると、非常に儲かるイメージがあるかもしれませんが、今は行政書士は飽和状態にあり、敏腕の人でないと高収入を得られなくなっています。
自営業として独立開業する人でも、年収は低くて200万円、高くて2000万円ほどになりますので、事務所の方針や立地にも左右されることと思います。
行政書士の仕事内容で多いのが、在留資格などのビザ関連業務です。
東京、横浜、京都など外国人が多く住む場所であればあるほど、こうした仕事も多く取れますが、それ以外ですと相続関係や内容証明などになります。
行政書士でなくては絶対できないという仕事は実はあまり多くないので、限られたパイの取り合いになってしまうことも多々あります。
安定して仕事があれば大体600万円~700万円ありますが、行政書士の仕事は机上の空論ではなくあちこちに赴くことがありますので、割とハードワークだと感じるかもしれません。
正職員の場合の行政書士の年収
では、雇われている正職員の場合はどのくらいの年収になるのでしょうか。
こちらは先にも少し触れましたが、若い内は一般的な民間企業に務める人とそれほど大差はありません。
しかし、30代から40代にかけて徐々に手取りとボーナスが増えていき、年間で100万円ほど同年代の人より多く稼ぐことができます。
正職員の場合は、30代でボーナス込みだと年収は450万円~500万円ほどになります。
日本の総人口の内、労働できる人が稼いでいる平均年収は約400万円なので、若い内から多く貰うことも夢ではありません。
とは言え、雇われている正職員の行政書士ですと、大体600万円~700万円で頭打ちになってしまうことが多くあります。
ですので、自分の力でがっつり稼ぎたいと思う人は独立開業を目指したほうが良いかもしれませんが、無難に安定した生活を送りたい人は雇用されている正職員のほうが向いていると言えます。
パートやアルバイトの場合の行政書士の年収
結婚している女性の場合は「夫の扶養範囲で働きたい」という方もおられるでしょうし、資格取得のため事務員のパートをしている方も結構おられます。
パートやアルバイトですと、時間給にして1時間900円から1,000円ほどと、他のアルバイトよりは多く貰えます。
これは専門的な知識も必要になってきますし、行政書士補助者としてパートやアルバイトをするにしても準公務員的な立場になるので、比較的高い時給を得られます。
がっつりアルバイトをして15万円ほどの月収、年収で180万円ほど貰えることになります。
扶養範囲の場合は、短時間で130万円以内に抑えることも可能です。
行政書士は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
行政書士は、最高で1000万円から2000万円ほどの年収が見込めますが、本当に敏腕な一握りの方です。
たゆまぬ営業努力も必要なので、元営業マンだった方などは売り込みが得意で多くの仕事をゲットできる可能性があります。
行政書士はどういった勤務先だと年収が高くなるか?
では、行政書士はどのような勤務先だと年収が高くなるのでしょうか?
行政書士になりたい方は、勤務先もぜひチェックして念頭に置いていただければと思います。
大手事務所で働く場合の年収
行政書士の他に、司法書士という国家資格を持つ人もいます。
行政書士専門の事務所ではなく、司法書士の人もいる事務所などの大手事務所であればあるほど福利厚生もしっかりしていますし仕事の分量も多いので、年収は高いです。
司法書士や税理士の資格も持っていると、ダブルライセンスで700万円~800万円ほど貰えることもありますので、資格は無駄にはなりません。
また、そこにボーナスが追加されるので、専属の行政書士になれば年収1000万円近くまで達することができます。
しかしその分仕事は多く、ハードワークになりがちです。
個人事務所で働く場合の年収
小さな個人の事務所で働く場合は、どれくらいの年収になるのでしょうか。
個人の事務所ですと必要最低限に人員配置しかしていないこともあるので、大手よりは少なくなってしまいます。
それでも同年代に比べれば多く、30代で500万円ほどに達することも可能です。
所長さんが仕事を多く取ってきて配分したり、自分で営業をかけて顧客をゲットしていけば、インセンティブも上がります。
個人の事務所で経験を積んでから大手に行ったり独立開業することも、良い選択肢です。
個人の事務所で多くの給料を得ようとするならば、自分でいかに仕事を取ってきて成功報酬に持ち込むかがポイントです。
これから行政書士になる人へのアドバイス
行政書士の資格は、1年で取れる人もいればかなり時間をかける人もいます。
また、試験科目では憲法、民法、行政法がメインで出ますが、実際の業務では相続法や入管法が必要になってくるので、常に勉強する必要があります。
多くのことを勉強して様々な日人の悩みの相談に乗りたい人、ライフスタイルに合わせて働きたい女性にもおすすめの職業です。
資格を持っていなくても、将来行政書士になりたいのであれば、まず行政書士補助者から始めててみても良いと思います。
さいごに
行政書士は、町の法律相談家として気軽に誰でも相談できる人物であることが求められているのではないかと思います。
特に相続や離婚関係などでナイーブな話だと、女性のほうが話しやすいという人もいますので、女性にもおすすめです。
子育てと両立して在宅で独立開業する人もおられますので、これからの生活に合わせて行政書士という選択をしてみてはいかがでしょうか。
皆さんがこの記事を読んで、行政書士に興味を持たれましたら幸いです。
最終更新日:2020年4月21日