ファンドマネージャーの年収を徹底解説|給料・賞与(ボーナス)・各種手当
ファンドマネージャーとは、投資信託や年金の運用を行う専門家です。
一般的に運用会社に所属して業務を行っています。
投資家から預かった資産を運用するために、アナリストやトレーダーと連携し、投資家の期待に沿ったパフォーマンスを積み上げていきます。
巨額の資金を運用することもあるので精神的なプレッシャーが大きくのしかかる一方で、実績を積み上げれば高い年収も望める職業です。
この記事では、ファンドマネージャーの年収について詳しく解説していきます。
ファンドマネージャーの平均年収は720万円が相場
DODAの平均年収ランキング2019年のファンドマネージャー/ディーラー部門の平均年収は720万円です。
年収はファンドの運用成績にも左右されるようです。
男女別平均では、男性758万円、女性549万円です。
年代別平均では、20代477万円、30代765万円、40代1236万円と年齢が上がるごとに年収もアップしています。
また、企業からの募集要件では年収500万円~1200万円と幅があります。
ファンドマネジャーの年収・給料の構成要素
ファンドマネージャーの給料は、「基本給」「残業手当などその他手当」の構成になっています。
年収は、月々の給料に加えて「賞与」で構成されます。
「賞与」の査定に歩合制を導入している運用会社もあるようです。
基本給・経験・スキルなどはどうなっているの?
日系運用会社のファンドマネージャーの募集要件から見てみましょう。
- 基本給320,000円~550,000円
- 残業手当80,000円~150,000円
- 賞与年2回
とされていますが、経験・スキルを考慮して上下します。
英語でのコミュニケーション能力も必要とされています。
日系運用会社に比べ外資系運用会社のほうが年収が高い傾向にあります。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
賞与は年2回の企業もあれば成果報酬を採用している企業もあり、運用成績次第では大きな金額を稼ぐことができます。
日系の運用会社ではボーナスが最大で基本年収の1.5ヶ月分までですが、外資系運用会社ではそれ以上の額が望めるようです。
各種手当はどういったものがある?
ファンドマネージャーの募集要件には、通勤手当、残業手当、住宅手当、家族手当など、一般的な会社員に支給されるものと変わらない手当が用意されています。
残業手当は固定残業手当とされているところが多く、超過分については追加で支給されます。
ファンドマネージャーの雇用形態と、年収による応募資格は?
ファンドマネージャーの雇用形態は正社員がほとんどです。
ファンドマネージャーとして働くには、運用会社に就職し、調査部門の「アナリスト」としてリサーチや分析の業務を経て、ある程度の経験を積み重ねる必要があります。
ファンドマネージャーには高い専門知識と経験が必須になるので、いきなりファンドマネージャーとして働くことは難しいでしょう。
750万円からの場合の年収
必須スキルは資産運用に関数する知識はもちろんのこと、PCスキルとしてExcel、Word、PowerPointその他に、ビジネスレベルの英語力も必要とされます。
1000万円からの場合の年収
応募資格として、金融機関において運用業務または調査業務の実務経験が必要です。
ファンドマネージャーとしての経験によって高い年収が提示されています。
ファンドマネージャーが年収を上げるために、有利な資格は?
CFA(米国のCFA協会が認定する投資に関する資格)
外資系の運用会社を希望する場合に、CFAを取得しておくと優遇されます。
日本人の資格保有者は1,300人程度で、希少性の高い資格と言えます。
試験はLevel1~3まであり、全て英語で行われ、レベルが上がるごとに高い専門性が問われる試験になっています。
証券アナリスト資格
「証券アナリスト協会」の通信講座を受講し、試験を受ける必要があります。
試験は2次試験まであり、2次試験に合格後、実務経験を3年以上経てから取得できる資格です。
TOEIC
実務では海外のレポート、ニュースを読むため高い英語力が求められ、外資系の運用会社で働くためにはTOEICでも高いスコアが要求されます。
ファンドマネージャーは最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
ファンドマネージャーとしての経験を積み、ファンドを立ち上げ、自ら投資家から資金を集めることができれば、年商数億円も現実味を帯びた数字になります。
ファンドマネージャーとしてどのくらいの年収を目指せるのか?と言われれば、個人の手腕にかなり左右されます。
自分の腕次第ではいくらでも稼ぎ出せると言っても過言ではありません。
その証拠に、年収100憶円を稼ぎ出して2004年の高額納税者番付で1位となった清原達郎氏が有名です。
業界人からは「伝説の男」と称されるほどの有名なファンドマネージャーです。
世界のヘッジファンドマネージャー年収ランキング
2018年のヘッジファンドマネージャーの年収ランキングを見てみましょう。
- 1位:ジェームズ・シモンズ 16憶ドル(約1,700憶円)
- 2位:レイ・ダリオ 12.6憶ドル(約1,339憶円)
- 3位:ジョン・オーバー・デック 7.7憶ドル(約818憶円)
と、途方もない年収になっています。
このような巨額の年収を手に入れるヘッジファンドマネージャーの特徴として、独自の視点が挙げられます。
ジェームズ・シモンズは現在主流となっている数学的な投資アプローチの開祖とも言うべき存在です。
学者と共に、価格に対して数学的・統計的なアプローチから予測モデルをつくり、改善を繰り返すことで巨額の利益を生み出しました。
レイ・ダリオはヘッジファンド「ブリッジウォーター」の創業者で、創業後まもなく大損を被ることになります。
この失敗経験から情報に対する疑い深さを持ち自ら調査を行い、2006年にはアメリカの経済が非常に危険な状態にあることを見出し、リーマンショック時にはその影響を受けずに12%ものリターンをたたき出しました。
その人にしかない独自の視点から運用を行い利益を上げ続けられるからこそ、希少性が高まり、それが年収に大きく反映されることになるのだと思います。
ファンドマネージャーはどういった勤務先だと年収が高くなるか?
日系運用会社で働く場合の年収
日系の運用会社では、一般的な企業と同じく年功序列の給与形態に沿ったところが多く、成功報酬は多くはありません。
年収は、500万円~1200万円になります。
外資系の運用会社で働く場合の年収
外資系の運用会社では、日系に比べて高い傾向にあります。
年収は、1000万円~2000万円になります。
米国で働く場合の年収
米国の運用会社は、日本に比べて更に高い年収が見込めます。
年収が2000万円を超えることも期待できるので、英語に自信があれば、米国に活動拠点を移す人もいるようです。
これからファンドマネージャーになるためには?
未経験からファンドマネージャーになることは一般的に難しく、運用会社に就職後シニアアナリストの下でジュニアアナリストとして経験を積み、更にファンドマネージャーの下で経験を積みます。
まずはアナリストとして経験を積むことが優先されます。
アナリストとして働く場合、証券アナリスト資格やCFAを取得していれば、より優遇されるでしょう。
さいごに
ファンドマネージャーと聞くと収入が高く、華やかなイメージが先行します。
実際に平均的な年収を上回ることができます。
しかし、ファンドマネージャーになるまでにも、なった後も常に勉強が必要です。
また、勉強したことを活かして経験も積んでいかなければなりません。
地道に努力を積み重ねることで、将来的な大きな収入を得るチャンスがある職業ということができますね。
最終更新日:2020年10月28日