DTPオペレーターの年収を徹底解説|給料・年収の決まり方や年収アップを狙う方法
DTPオペレーターは特別な資格は必要としませんが、比較的専門的な知識を必要とする専門職です。
それでは、DTPオペレーターの年収の相場はいくらくらいになるのでしょうか。
この記事では、独立する際の必要資金や独立後の平均年収などと併せて、その年収事情をご紹介します。
DTPオペレーターの年収の相場はどのくらい?
DTPオペレーターは専門的な知識や技術が必要になるので、「手に職をつけられる専門職」と言えます。
一般的にDTPオペレーターの年収の相場は300万円~350万円と言われてはいますが、地域や会社によって幅があり、この限りではありません。
それでは、それぞれの入社状況・雇用形態から年収の相場を見ていきましょう。
正社員のDTPオペレーターの年収相場
DTPオペレーターは、未経験であれば月収15万円程度~、経験者として採用されればスキルにもよりますが月収で概ね20万円~となっている会社が多いようです。
DTPオペレーターとして転職する際、将来デザイナーを目指したい、などスキルアップ・キャリアアップのビジョンがある場合は良いのですが、未経験で転職する場合、前職の職種や勤続年数によっては以前よりも年収が下がる場合もあるので、注意した方が良いでしょう。
パート・アルバイトのDTPオペレータ―の年収相場
DTPオペレーターのパート・アルバイトの時給は概ね850円~1,200円程度です。
毎日8時間働けば、月収換算で14万円~18万円程度、年収では150万円~220万円程度になるでしょう。
業務委託のDTPオペレーターの年収相場
DTPオペレーターは機器さえ揃えば在宅で仕事をすることも可能です。
この場合は受注する仕事の金額にもよるため、月に5万円~50万円程と、個人や月によっての差が大きくなります。
コンスタントに仕事を貰えるとは限りませんし、印刷物のデータを作る場合、有料の書体やアプリケーションの使用料など諸経費もかかるので、その点も頭に入れておきましょう。
年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?
賞与
正社員であれば賞与はもちろん期待できますが、契約社員やパート・アルバイトの場合は賞与が必ずあるとは限りません。
例え契約社員でも賞与有りという条件で求人を出している会社もあるので、その点も念頭に置いて就職や転職をした方が良いでしょう。
また、賞与の回数などについては会社により規定が異なります。
入社前に必ず確認しましょう。
昇給
昇給に関しては勤続年数によって徐々に年収がアップする場合と、スキルアップに伴って基本給が上がる場合があります。
そのため、もしも自身の仕事量と年収に関して不満があったら積極的に交渉した方が良いでしょう。
各種手当
DTPオペレーターは基本的に残業などの時間外労働が多い職種です。
就職や転職の際は必ず残業手当などが出るか確認しましょう。
残業が多い職種なだけに、その点について触れていない場合は注意した方が良いです。
多忙を極める職業のため、やり甲斐だけではやっていけない部分も多く、残業手当などはそのマイナス要因を補填する大きなポイントとなります。
また、交通費がいくら出るのか、社会保険はしっかり加入しているのか、福利厚生はしっかりしているのかについても確認しましょう。
大手印刷会社や広告代理店であれば社会保険や福利厚生が充実していることの方が多いのですが、個人のデザイン会社などではその点が不十分ということも多々あります。
DTPオペレーターの年収の決まり方
経験年数やスキルによって決まる
転職の際、DTPオペレーターとして働いていたなどの経験者であれば、その能力によって年収交渉できる可能性があります。
また実際に働いた際、仕事が早く数多くの案件をこなせるなど評価のポイントが高ければ昇給の可能性は大いにあります。
パートやアルバイトの場合は働いた分だけ給与が増えるので、繁忙期などには正社員より多く稼ぐ人もいます。
勤続年数によって決まる
契約社員やパート・アルバイトの場合は、基本給や時給が上がらない限り年収はなかなか上がらないのですが、正社員であれば勤続年数が長くなれば徐々にアップしていきます。
DTPオペレーターとして年収を上げるためにやるべきこと
DTPオペレーターとして働くにあたり、年収を上げるためにできることはいくつかあります。
自身のモチベーションを上げるためや将来のためにも、できる限りのことをしておきたいですよね。
では、昇給のためには具体的に何をすべきなのでしょうか。
ここでは、大きく3点に絞って紹介します。
採用・就職前にできること
具体的なスキルを提示し、時給や基本給アップの交渉をしてみる
気になる会社での面接が決まったら、給与交渉も行うことをおすすめします。
基本的には募集内容に記載してある時給や基本給で採用される場合が多いですが、経験者の場合は自分にどのくらいのスキルがあるのかを具体的に指し示す指標があると、採用側でも考慮してくれる場合があります。
この場合、前職での実績を証明する成果物などを持ち込むのが良いでしょう。
チラシやポスターなど、目に見えるものがあれば交渉もスムーズに進むはずです。
今の勤務先でできること
年収アップの交渉をしてみる
雇用形態にもよりますが、正社員であれば年々スキルはアップしているはずですので、昇給の交渉はしても良いかもしれません。
しかし、勤続年数と共に年収も少しずつでもアップしているような場合は、その部分が昇給とされることがあります。
契約社員の場合は最初の契約の際に「昇給・賞与無し」という契約であれば、残念ながら交渉による年収アップは見込めないかもしれません。
しかし、契約社員として数年連続して契約更新されていたり、勤続年数が長くなっていたりするのであれば、スキルなども踏まえて交渉してみるのは有りだと思います。
スキルアップを図る
DTPオペレーターは特別な資格は必要ありませんが、業務をこなすうえで有利になるような資格があれば積極的に取得した方が良いでしょう。
その資格の取得で業績が上がったり目に見える形で何かしらの成果が出たりすれば、上司も昇給に関して積極的に動いてくれる可能性は大いにあります。
思い切って転職する
現在の職場で根本的な年収アップが見込めそうにない場合は、転職も視野に入れるべきです。
業務は比較的軽くなって基本給が一緒などの条件であれば良いのかもしれませんが、自身のモチベーションアップのためにも現在の職場より待遇の良い職場を探したいものですね。
以下に、転職の際に注意すべき点を簡潔にまとめました。
転職先の選び方1:スタート時の基本給だけでなく賞与や昇給もチェック
就職・転職前に「昇給・賞与」がどのようになっているのか確認してから求人に応募するのがベターでしょう。
契約社員やパート・アルバイト採用の後に正社員登用有りとうたう会社は数多くありますが、実際は長年契約社員やパート・アルバイトとして働いているのに正社員になれないという声を案外よく聞くものです。
その場合「昇給・賞与」がなければモチベーションは下がる一方です。
転職する際は「昇給・賞与」のどちらか一方でもある求人に応募するようにしましょう。
転職先の選び方2:社会保険完備かどうかをチェック
大手印刷会社や広告代理店であればこの点は心配ない場合が多いのですが、小さなデザイン会社などでは、基本給や時給を高くうたっていても、実際社会保険が完備されておらず、それらを自身で支払うと結局は元いた職場と手取りは同じだったということも充分有り得ます。
転職の際は、基本給などの他にこのような点にも注意した方が良いでしょう。
DTPオペレーターとして独立する
DTPオペレーターは専門職として手に職をつけることができる分、比較的自由な働き方をしやすい職業です。
そのため、ある程度のスキルをつけて独立する人もいます。
特に女性の場合、家事や育児の合間に自分のペースで在宅で仕事ができるなどの理由からDTPオペレーターとして独立する人が意外と多いです。
しかし注意したいのは、「独立したのはいいけれど仕事がない」という状況です。
そのような状況を避けるため、勤めていた会社から仕事を貰えるように予め準備しておくのがベストです。
定期的に仕事を貰えるようになれば収入も安定します。
また、昨今の印刷業界では単価が安くなっているという点も頭に入れておきましょう。
自ら営業に回らなければいけない部分も多く、中仕事と外仕事のバランスや、受注から完成までのスパンが短い案件の場合のスケジュール管理は意外と難しいものです。
DTPオペレーターに関しては、在宅で仕事ができるという状況から安易に独立すると、諸経費がかさむ問題に直面する場合があります。
例えば、データ作成用のアプリケーションは定期的に最新のものにアップデートしていく必要性がありますし、書籍などを作る際にはプロが使う有料書体を購入する必要があります。
制作したデータを出力するには家庭用のプリンタでは間に合いません。
オフィス用のプリンタをレンタルするのか、購入するのかなどの問題もあります。
また、以前はデータ制作はマックが主流でしたが、最近はウィンドウズも幅を利かせてきています。
マック、ウィンドウズ、オフィスプリンターの他、年間契約で使用できる有料書体、アプリケーション諸費用などを含めると、独立するにもそれなりの資金が必要です。
DTP業の独立にかかる費用は少なくて30万円~100万円程度と言われますが、受注する案件の種類によってかなり幅があることは頭に入れておきましょう。
DTPオペレーターとして独立開業すれば、年収1,000万円以上を稼ぐことも可能ではありますが、昨今は価格競争が増し単価自体が安くなっているので、決して楽な道ではないでしょう。
この働き方は、こんな人におすすめ!
DTPオペレーターとして働く際、雇用形態によって年収や業務内容なども微妙に異なります。
当然、メリット・デメリットもそれぞれあります。
会社ごとの違いはありますが、雇用形態別の各々の特徴を見てみましょう。
正社員のDTPオペレーター
昇給や賞与などが期待できる分、業務や責任も大きいのが正社員です。
DTPオペレーターは残業が多い職種ですが、正社員となるとすべての業務の責任がのしかかってきます。
その分スキルアップには向いていますし、その道を究めることができるので、キャリアを積みたい場合は正社員として働けるような就職先を探すことをおすすめします。
契約社員
賞与や昇給の有り無しによっても異なりますが、業務内容は正社員と変わらない場合が多いです。
残業が多いので、しっかり残業手当がつく会社に就職すれば働いた分だけ年収は増えます。
しかし、勤続年数が長くなっても正社員として登用してもらえないなど、マイナス要素も多い雇用形態です。
DTP業に限らず契約社員の雇用契約では、基本的に副業は禁止されていません。
しかし、DTPオペレーターとして働く場合は、正直副業をしている暇がないといったほうが良いかもしれません。
そのため、基本給がさほど高くない条件下で採用された場合、年収アップが望めないというデメリットもあります。
アルバイト
会社にもよりますが、たとえアルバイトだとしても正社員と同じ業務内容の場合も多く見られます。
その場合はスキルアップなどのメリットは見込めますが、正社員と同じだけ働いても給与の面で優遇されないのが現状です。
ただし、転職を考えている場合や経験者優遇の求人への足掛かりとして働いている場合は、自分の都合である程度働く時間を制限できる雇用形態なので、働きながらの資格取得が叶ったり、スキルアップのための勉強時間を捻出することもできるでしょう。
派遣
派遣社員として登録すれば、様々な印刷会社や広告代理店で働けるメリットはあります。
しかし、派遣会社にもよりますが、正社員よりも基本給が安い割に受け持つ業務は正社員と同様という可能性もあります。
ただし、長期で休みたいなどの時は正社員ほどシビアではなく、自身のスケジュールがある程度自由に設定できるという利点もあります。
まとめ
DTPオペレーターは特別な資格も不要で、機器さえ揃えば自宅で仕事もでき、クラウドソーシングで仕事の依頼を受けることも可能な職業です。
雇用形態や独立開業などで働き方を自由に選べますし、時間を自由に使いたいという人には最適な職業と言えるでしょう。
ただ、DTPオペレーターのみのスキルでは単価が安いので、デザインやレイアウトのスキルなども併せて習得していく必要があります。
DTPオペレーターとしてのキャリアアップ・年収アップを望む方は、この記事も参考の一つに、まずは身近にできることから始めてみては如何でしょうか。
最終更新日:2019年7月8日