大学助手の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・手当
この記事では、大学教授のアシストをする大学助手の「年収相場や待遇」や「年収の決まり方」「年収アップの方法」に加え、「仕事内容」や「大学助手になる方法」について詳しくご紹介していきます。
大学助手の年収の相場はどのくらい?待遇は?
大学助手の年収は大学によりけりでしょうが、「大学助手」は教授・助教授のような正式な「教員」ではありません。
立場としては事務員に近いと思われます。
教職の給与は一般的に見て高めですが、大学助手はどのくらいなのでしょうか?
基本給は?
基本給は月収にして18万円~が相場と言われています。
賞与も含めた年収に換算すると250万円~300万円程といったところでしょうか。
地域や学校によって差があるとは思いますが、事務職と同じくらいです。
担当学科や受け持ち授業の数などは全く反映されません。
教授・准教授などの教職とは全く違うので、年収相場も大きく異なってきます。
年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?
賞与
正社員であればもちろん賞与はあります。
契約社員であれば支給されないことが殆どです。
各種手当
通常通りあります。
交通費も支給されますし、有給休暇も取得できます。
勤務時間は?
8時から17時まで、休憩1時間の8時間勤務が原則です。
授業も16時30分には終わっているので、片付けの時間を含めても定時に終了できます。
しかし実験や実習は時間通りにいかないこともしばしあります。
失敗した場合、最初からやり直し、ということもあるからです。
休日は?
基本的に土日祝日は休みです。
学園祭やオープンキャンパス、入学式、卒業式などの式典が休日になった場合は出勤することもあります。
夏季休業や冬期休業中も出勤しますが、授業が無い分、日頃できなかった提出物のチェックなどに時間を使います。
学生と同じように休日は無収入になる、ということもありませんのでご安心ください。
サークル・部活動の担当責任者になることはあるの?
学生活動には全く関与しません。
しかし学園祭の催し物の手伝いなどは頼まれれば引き受けます。
試験期間中の仕事は?
授業はありませんが、試験監督補佐などがあります。
試験に直接関わることはなく、試験問題にも関与しません。
採点も担当教授のみが行いますので、生徒の試験結果は全く分かりません。
試験監督補佐は試験中の教室をぐるぐる回って監督しているだけです。
その他の時間は、助手室で提出されたノートや課題のチェック、データの修正などを行っています。
職場の雰囲気は?
大学助手には助手室が与えられ、数名の助手とそこで休憩などをします。
学科にもよりますが、大学助手は女性が多いように思います。
助手室に荷物などを置き、授業に向かいます。
助手室には、生徒や時々教授が来室します。
業務は主に助手室で行い、大学から支給されたパソコンを使います。
助手の人数はそれほど多くないので、雰囲気に馴染めれば居心地は良いです。
喫煙者は外まで行き、決められた場所で吸うことが義務付けられていますが、生徒の前で吸う教員はほとんどいません。
雪や台風のときは?
登校不可能という状況であれば生徒には休校の連絡が行きますが、職員は基本的に出勤します。
除雪作業などは事務局がやってくれます。
しかし家を出られないような状況であれば休むことも可能です。
その場合補講になり、別日に授業が行われます。
大学助手の年収の決まり方
給与が決まる基準などは?
過去に他校での経験があれば、提示された基本給に上乗せしてもらえるかもしれません。
年収が上がる条件は?
正社員であれば勤務年数により昇給があります。
ですが、教職員ではないので、なかなか実績を上げる機会はありません。
教授も人事に関してはノータッチなので、授業や業務を頑張ったことが実績として評価されるかと聞かれれば、それは難しいと言えます。
大学助手で年収を上げられるのか?
大学助手は、あくまで「助手」という立場であり、教授とは全く別の職です。
実験やレポート提出などをしてキャリアアップするような機会はほぼありません。
年収を上げることが出来るのは、昇給の際のみと考えて良いでしょう。
年収に不満を感じた場合は、他の大学を調べてみるのも良いかもしれません。
では、昇給の査定ポイントとなるものや、昇給以外で年収を上げる方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
担当業務を確実にこなすこと
与えられた仕事は期日を守り、ミスなくしっかりとこなす必要があります。
上司にあたる教授は常にたくさんの仕事を抱えており、助手に与えた仕事のミスを修正する時間も惜しい、というのが現状です。
最低限、教授の足を引っ張ることの無いようにしましょう。
また完璧主義者の教授もいますので、仕事は丁寧且つ迅速に行いましょう。
授業は座学もあれば、学科によっては実験や実習もあります。
このような場面での失敗は時として大惨事になり、学校の責任を問われることもあります。
また、生徒たちは落ち着きがないことも多々あります。
教授の話を聞かず、配布プリントを見ずに作業を進めてしまうことがあります。
助手として注意を促し、進み具合を注意深く見たりすることで教授の負担を減らすようにします。
PCスキルで教授をサポートすること
パソコンを使っての修正が多くあります。
年配の先生になるとパソコン操作は不得意だということも多く、修正の殆どを任されることもあります。
またパソコン操作について訊かれることもあります。
助手は教授にとっても頼り聞きやすい存在と言えます。
事務局や他の先生方には確認しづらい、頼みにくいことも、助手という存在がフォローに回ります。
助手経験で身につく力を活かせるで転職をすること
時間に対しての意識が高くなります。
何分以内に次の工程に進まないと間に合わない、何時までに終わらせて次に取り掛かる、などと予定を組み立てなければいけません。
また、パソコンの業務も多くあります。
担当学科や授業が理系のものであれば計算式も重要になってくるので、Excelを使う機会も多くなります。
資料作成もパソコンで行います。
指定された文章を分かりやすくまとめ、授業で使えるよう編集する作業もあります。
教授の学会に使うレポートの編集もパソコンが使われますので、一般的な作業は難なく出来るようになるでしょう。
そのようなスキルを活かせる職業に転職して年収アップを図る、というのも一つの手です。
大学助手の大まかな仕事内容は?
大学助手の仕事は「授業準備のほぼ全て」と言えます。
教授が教室に入り、すぐに授業に入れるよう事前準備から始まり、授業が滞りなくスムーズに行われるように配置を変え、授業が終わった後には教授が退出後の後片付けをします。
朝は、生徒よりも教授よりも早く教室に向かい、授業後には整理整頓をし最後に部屋を出るのが助手だと思ってください。
授業に必要なものの発注や、備品の管理も行います。
前日に授業の準備をし、当日すぐに取り掛かれるようにしておきます。
生徒、教授の両者から必要なものを聞き、次の授業に間に合うよう発注します。
授業中は教授の補佐、生徒の質問に答える、授業で使った備品の片付けなどを行います。
授業後は使用教室の清掃を行います。
次に教室を使う教授や生徒生徒や教授に迷惑が掛かってはいけません。
備品がしっかり揃っているか、机は綺麗になっているか、ごみはきちんと捨てられているかをチェックします。
これを怠るとクレームにつながります。
授業に使う印刷物のを用意もします。
印刷後、一人で数十冊の冊子を作るという作業もあります。
特に新学期の始まりはこういった作業が重なります。
大学助手になるための方法
教員免許を持っていなければなれないのではないか、と思っている方もいるかもしれませんが、大学助手に関しては資格を持っていなくてもなることが出来ます。
教授からの推薦、または求人に応募するのが一般的です。
卒業生がそのまま就職先として大学に残ることもあります。
主に実験や調査に人員が必要となる教授が助手という形で大学側に雇用したい旨を伝え、そのまま勤務となるようです。
安定や給与の面で非常に人気のある職なので、公募になると倍率が高くなります。
確実にこの仕事に就きたいのであれば、教授からの推薦があると良いでしょう。
また、契約社員を経て正社員になるケースも多く見られます。
学校側が卒業生で就職先が決まらない人の受け皿になろうしているのです。
そのため契約社員として有期雇用にし、卒業生を契約社員として迎えるというサイクルを繰り返しています。
その場合、正社員となることは極めて厳しいと言えます。
では、採用にあたっては、どのようなポイントを重視されるのでしょうか。
その学校に関する知識
学校内のことを知っていると当然有利です。
特に卒業生は、面接などでも話が弾む可能性があります。
助手の担当学科は一つでも、担当する教授は何人もいます。
その為助手として参加する授業も多く、教室から教室への移動も頻繁に起こります。
校内のことをしっかり把握し、無駄な時間を生まないようにする必要があります。
また、授業の進め方が分かる方がいいので卒業生が有利かと思います。
生徒であった経験が授業の端々で役立ちます。
例えば、実験の授業では薬品や器具の場所、実験器具の使い方などその場でわかる方が授業をスムーズに進められます。
助手が授業の足を引っ張ることの無いように心がけましょう。
質問に答えられるだけの知識
生徒からの質問に答えられるよう、個人的にも勉強していなければなりません。
質問を受けた際「分からない」では教授も生徒も困ってしまいます。
生徒は教授に対しては緊張する傾向があり、助手を頼ることが多いので、どんな質問がきても答えられるようにしっかりと授業内容を理解しているようにしましょう。
前年度と同じ授業であれば、その時の授業内容を詳細に記録しているものがあると心強いです。
また、来年のことを考慮し、今後の授業も記録しておきましょう。
基本的なPCスキル
パソコンの基本操作は出来るようにしておきましょう。
インターネット検索、Word、Excelなどが出来ると、資料作成やデータ提出に役立ちます。
教授や事務局とのやり取りをメールで行うこともあるので基本操作は出来るに越したことありません。
中にはパソコン自体が苦手な教授もいます。
そういった方に操作について聞かれることもあるので、資格を取得するほどではなくてもある程度パソコンに精通していることは有利に働きます。
求められる資格
資格支援の大学であれば、その資格を持っていないと入れないということもあるかもしれません。
専門教科が多いので、未知のジャンルだと戸惑うことが多いと思います。
資格について生徒に聞かれることもあります。
時に、必須資格として指定されることもあるかもしれませんので、確認が必要です。
中には、職員の資格支援をしている学校もあるようです。
大学助手の仕事でやりがいを感じること
生徒からは頼られやすいポジションです。
生徒にとっては教授よりも話しかけやすい存在だからです。
人相手の仕事なので「ありがとう」や「助かりました」などの感謝の言葉を直接もらえた時にはやはり嬉しさを感じます。
また、卒業式で一年間一緒だった生徒たちを送り出すときは、その一年間を思い出し感慨深くなります。
生徒からの「ありがとう」
助手は生徒から頼ってもらえる存在です。
何か困ったことがあればとりあえず助手担当に声をかける生徒が多いです。
「困った」という生徒の気持ちが分かるので、出来る限り要望に応えてあげると「良かった」と安心してくれます。
そういう時間が増えることで「ありがとうございました」と言われることも頻繁になってきます。
喜びを感じる瞬間の一つです。
また、アドバイスを求められることも多い為、事前に知識や案を用意しておくとすぐに答えられます。
答えが見つからなくても一緒に考えることで新たなアイデアが出てくることもあり、自分にとっても学びの場になります。
授業準備の達成感
一つの授業が終わった後は達成感があります。
助手が必要な授業は授業準備に時間がかかるもの、教授一人では授業時間内に終わらせることが出来ないチェック作業などがあるものです。
特に授業準備は助手が全てを担うことが多く、慣れるまでが大変です。
基本的に教授は授業準備に対してはノータッチで、事前に整っていることが大前提です。
いざ授業、というときに生徒の前で失敗するわけにはいきません。
そういったプレッシャーから解放されるのが授業後です。
慣れるまでは大変ですが、一回の授業が終わった後に安心と共に達成感を得ることが出来ます。
まとめ
何度も述べてきたように、大学助手は教員職ではありません。
しかし、授業には参加しているため、授業内容を理解し、どんな質問を受けても答えられるようにしておく必要があります。
そのためには自身でも積極的に勉強しておかなければなりません。
立場上、大変な作業も多い職業ですが、大変やりがいを感じられる仕事でもあります。
大学助手としての就職・転職を考えている人にとって、この記事が参考になれば幸いです。
最終更新日:2019年6月25日