コンサルタントの年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
昨今ではよく聞く職業になったコンサルタントですが、その働き方は多岐にわたります。
「ITコンサルタント」「経営コンサルタント」「建設コンサルタント」など、コンサルタントと一口に言っても様々な業種があります。
しかし今コンサルタントと言えば、経営コンサルタントを指すでしょう。
そもそもコンサルタントとはコンサルティング業に従事する人たちのことを指し、会社の中に入って相談に乗ったり解決策を提示したりします。
以前は外資系コンサルティング会社が主流でしたが、今では日系コンサルティング会社にも人気が出てきており、総じて就活生、転職者から人気の業界と言えるでしょう。
そんな人気のコンサルティング業界の年収を分析していきたいと思います。
コンサルタントの平均年収は700万円~1300万円が相場
コンサルタントの年収は総じて高いと言えるでしょう。
しかし、この平均年収の数字は、日系コンサルタントと外資系コンサルタントとで大きな差があります。
また、コンサルティング会社の年収は年次によって大きな差があり、年次毎に見ていく必要があります。
では、まず日系コンサルタントの平均年収から見ていきましょう。
アビームコンサルティングで働く場合の年収
- 初年度年収:約400万円
- 5年次年収:約700万円
- 10年次年収:約1000万円
- 平均年収:約1000万円
アビームコンサルティングはアジア初・アジア発のグローバルコンサルティングファームとして経営戦略からIT、アウトソーシングまで一貫したサービスを提供する総合コンサルティングファームです。
日本の福利厚生制度など良い部分もありながら、外資系のようなバリバリ働く環境も整っているそうです。
ドリームインキュベータで働く場合の年収
- 初年度年収:約50万円
- 5年次年収:約900万円
- 10年次年収:約1300万円
- 平均年収:約1200万円
ドリームインキュベータは戦略コンサルティングとインキュベーション(新興ビジネスの創出)の二つを軸に事業投資などを手掛ける戦略コンサルティングファームです。
そのため、将来、起業したい方などには特におすすめする企業です。
野村総合研究所で働く場合の年収
- 初年度年収:約500万円
- 5年次年収:約800万円
- 10年次年収:約1200万円
- 平均年収:約600万円
野村総合研究所(通称NRI、野村総研)は野村グループであり、日本初の本格的な民間シンクタンクである株式会社野村総合研究所と野村コンピュータシステム株式会社が合併し、現在のITソリューションやコンサルティングを総合的に提供する会社となりました。
今日ではグローバル化へ対応し飛躍を遂げ続ける企業です。
一方、外資系コンサルタントの平均年収はどうなのでしょうか。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの年収
- 初年度年収:約700万円
- 5年次年収:約1500万円~
- 10年次年収:約3000万円~5000万円
- 平均年収:約2000万円
マッキンゼーと言えば日本でも多くの著名人を輩出する企業です。
勝間和代さんやDeNA創業者、代表取締役の南場智子さんなどがいらっしゃいます。
そこからも分かるように、レベルの高いメンバーが揃っていることが伺えます。
ベイン・アンド・カンパニーの年収
- 初年度年収:約600万円
- 5年次年収:約1500万円~
- 10年次年収:約3000万円~5000万円
- 平均年収:約2000万円
ベイン・アンド・カンパニーはコンサルティング会社の中で働きやすい環境が整っている企業の一つです。
ワークライフバランスが取りやすい企業としても有名で、働きやすい環境と切磋琢磨できる環境の両方が整っていると言えます。
アクセンチュアの年収
- 初年度年収:約530万円
- 5年次年収:約800~1000万円
- 10年次年収:約1300万円~1500万円
- 平均年収:1000万円
アクセンチュアは特にIT戦略に強みを持つコンサルティング会社と言えるでしょう。
近年では日本でも積極的な採用活動や広報活動を展開しており、就活生からも高い人気があります。
このように、コンサルタントの職業はやはり今日でも外資系の方が稼げる印象です。
しかしながら、日系のコンサルティング会社の方が働きやすい利点があるなど、外資系にも日系にも良い点はあると言えます。
コンサルタントの年収・給料の構成要素
コンサルタントの年収は基本的には年俸制となっており、提示された給与条件を12分割した金額が月々の給料となります。
また、大手のコンサルティング会社は給与テーブルが決まっており、どの職位で入社するかによって給与条件が決まります。
また、職位のことをタイトルと呼んだりします。
このタイトルの名前は会社によって違いますが、どの会社も給与条件がこのタイトルというランクによって左右されます。
タイトル(職位)でどのくらい年収は違うの?
コンサルタント/アナリスト
平均年収:500万円~600万円
新卒や未経験の転職者などはまずこのタイトルからコンサルタントのキャリアが始まります。
タイトルの上位者(上司)の指示のもと、資料の作成をしたりリサーチをしたりします。
シニアコンサルタント/シニアアソシエイト
平均年収:700万円~1500万円
能力が認められたり年次が上がったりすると、タイトルが上がり年収が上がります。
当然、裁量権もコンサルタントやアナリストの時に比べて増え、自分の判断で分析や提言、コンサルティング業務を行うことができるようになります。
マネージャー
平均年収:900万円~2000万円
このマネージャーというタイトルにまでなると、プロジェクトの指揮監督や予算管理を行うようになります。
また、人材の採用や・教育・評価などマネジメント業務が必要です。
パートナー
平均年収:2000万円~
プロジェクト、セールス活動などの運営最終的責任者です。
マネジメント業務ももちろん、共同経営者としての経営的な意思決定に関与する立場です。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
年収に大きく影響するのがボーナスとなっております。
もちろんコンサルティング会社のボーナスは、事業会社と違って、能力を認められたかどうかが一番大切です。
例を挙げると、
- 1ヶ月の基本給が50万円、標準評価の場合:50万円×12ヶ月×25%=150万円
- 1ヶ月の基本給が40万円、最高評価の場合:40万円×12ヶ月×50%=240万円
このように、評価が上がると基本給にかけるパーセンテージが上昇し、多くのボーナスが貰えます。
評価が高ければタイトル下位者が上位者よりもボーナスを貰える、ということもあります。
各種手当はどういったものがある?
残業代
コンサルティング会社は激務というイメージですが、残業代はきちんと支払われます。
しかし、激務とは言えど仕事量に波があり、残業があまりない月などもありますが、それでも見込み残業代として月数十時間支払われる場合もあるようです。
通勤費
もちろん月々の支給は会社によって異なりますが、基本的には給料と一緒に家からオフィスまでの定期代が支払われます。
しかし、コンサルタントは自分の会社以外にも取引先に移動したり、プロジェクトによって勤務地が変わることもあります。
そのため、その移動費も会社から支払われます。
コンサルタントの雇用形態は?
外資系コンサルティング企業は勤続年数が短かったりなどブラックな印象があり、だれでも契約社員からスタートだと思われている方もいると思います。
しかし、正社員として最初から雇用される場合もありますし、最初は契約社員として雇用される場合もあります。
ここで外資系コンサルティング会社と日系コンサルティング会社の違いとして正社員に登用されるか否かという点です。
コンサルで正社員として雇用されるためには?
日系企業に勤めていると基本的には雇用形態や雇用期間に対して心配することはないでしょう。
この風潮は日系コンサルティング会社には近いものがあり、最初契約社員として雇用された場合も一定期間契約社員として勤務したあとには正社員として登用される場合がほとんどで、契約社員としての雇用は形式上の試用期間と言って良いでしょう。
一方で外資系企業においては、最初契約社員として雇用された場合、成果が出ないと判断した場合正社員として登用されないことがあります。
そのため、外資系コンサルティング会社に契約社員として入社した際には、契約期間が終了したら上司や人事に自ら確認等が必要となります。
外資系コンサルの雇用制度、理念とは
前章でも説明した通り、外資系企業には終身雇用という制度はありません。
日本では当然と言っても良い雇用制度で、終身雇用がないというのは不安かもしれません。
しかしアメリカにおいては、キャリアや人生に合った職業選択ができるという考えのもと終身雇用制度がなく、一方成果主義的な思想を持ちます。
また、外資系コンサルティング企業でよく聞く理念として”Up or Out"という言葉があります。
この言葉は外資系コンサルティング会社の理念をとても理解しやすくしてくれます。
まずUpは上にいく、つまりは成果を出して昇進することを指します。
一方Outは成果を出せなかったら退職をするという意味を持ちます。
今日では、このような制度は稀になったという意見もあります。
しかしながら、かつては強く企業理念として根付いていたため、今でも企業体質として残っていることは間違いありません。
コンサルタントは、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
コンサルタントは日系コンサルティング会社で2000万円、外資系コンサルティング会社で4000万円ほどの年収まで目指せると言えます。
しかし、年収が高ければ高いほどプレッシャーも高まり、仕事の拘束時間も長くなります。
コンサルタントに必要なスキル
プレゼン能力
数千万の価値があるとも言われるコンサルのプレゼンですが、分かりやすさに加えアイデア・革新的な発想が大切です。
このプレゼン能力こそがコンサルタントの表立った花形業務であると言えます。
分析能力
上記のプレゼンの裏付けとしてこの分析能力があります。
コンサルタントが華々しいプレゼンができるのも、徹底された分析があるからです。
浅い分析ではクライアントを納得させることはできず、費用への対価となるプレゼンを提供できません。
この分析をもう少し細かく見ると、マーケティング分析や戦略分析などがあります。
このプレゼン能力と分析能力の二点を兼ね備えてコンサルタントの業務をこなすことができると言えます。
語学力
語学力は、現代のグローバリゼーションを踏まえると、コンサルタントに限らずどんなビジネスパーソンにも必要と言えます。
とりわけコンサルタントはコミュニケーションを大切とするので、語学力は必須であると言えるでしょう。
汎用性のある知識
コンサルタントにとって必要な資格はないと言えます。
しかしながら、中小企業診断士や簿記や公認会計士などの資格があったら有利です。
いずれにしろ、専門的且つ汎用性のある知識は必要であり、就職・転職に伴いスキルを付ける準備は必要になると思います。
コンサルタントのやりがい
コンサルタントのやりがいとしては激務な分、プロジェクトを成し遂げた時の喜びなどがあります。
仕事に時間を多くかけなければならなかったり辛いことは多くあったりしますが、無事に仕事を成し遂げた時の喜びと達成感は最大の魅力であると言えます。
また、成果主義ということもあり、頑張って出した成果が給料に繋がったり評価に繋がったりするので、その点もやりがいの一つであると言えるでしょう。
さいごに
コンサルタントはとても激務というイメージがありますが、一方で成果主義で給料が高い・やりがいがある、というポジティブな面も多いです。
また様々な業種の人々やグローバルなネットワークを通じたチームなど、多種多様なコミュニケーションをとることができます。
その分濃密な経験を得ることができ、成長意欲のある人や好奇心のある人にとっては良い職場環境であると言えます。
冒頭でも述べたようにコンサルタントは幅広い業種があります。
そのため、コンサルタントの中でも様々な業務を見る必要があります。
その上でコンサルタントに興味を持った方には、コンサルタントならではのやりがいある職場があると思いますので、恐れずコンサルタント業界に飛び込んでみてください。
最終更新日:2020年4月16日