注文住宅営業の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
注文住宅の営業の仕事は、土地を持っている人や土地のみを購入予定の人、一戸建てに住んでいるけど古くなって建て替えを検討している人などに新しい家を建てる提案をすることです。
つまり建築前の「まだ形に見えない家」を売っているのであり、お客様に夢を与えることができる仕事ですが、たくさんの知識が必要でもあります。
また、家というのは人生でそう何回も買ったり建てたりするものではないので、それだけお客様を見つけるのが大変です。
何千万という大きな買い物でもあるので、営業が一件の契約を取ることがとても大変です。
そのため注文住宅の営業は、契約数や受注額などの成果によって給料が増減する歩合給の会社が多く、それだけ給料には個人差があります。
それでは、注文住宅の営業の年収や賞与など給料についてご説明していきます。
注文住宅営業の平均年収は400万円~600万円が相場
注文住宅営業は歩合給の会社が多いため、年収には大きな差があり、地元工務店や大手ハウスメーカーかなどによっても違ってきます。
また、営業は新卒社会人や社歴が浅い人が多いこともあり、契約がなかなか取れないうちは歩合給でもらえる分が少なくなります。
そのことを踏まえた上で平均を出すと、おおよそ400万円~600万円ほどの間にいる人が大半になります。
注文住宅営業の年収・給料の構成要素
注文住宅営業の年収は、「基本給」「能力給」「歩合」「ボーナス」の構成になっている場合が多くあります。
それぞれどれくらいなのかみていきましょう。
基本給・能力給・歩合給はどれくらい?
「基本給」は住宅の営業だからと言って特に高いわけではなく、他の会社とほとんど変わらず、20万円前半といったところです。
成果が出なくても毎月最低限基本給のぶんはもらえるので、特別生活に困るといったことはないでしょう。
それにプラスしてもらえるものに、個々の仕事能力に応じて算出される給与の「能力給」があります。
主任、課長などの役職に就いている、資格を持っている、勤続年数が長いなどによって能力給がプラスされます。
そして最後に「歩合給」ですが、これが住宅営業で毎月の給料に大きな差が出てくる要因になっています。
1件契約が取れればその受注額の○%、2件取れれば○%×2プラスα・・・というように、ひと月に複数の契約が取れるとうなぎ上りに給料が上がっていくのです。
歩合は契約が0件なら0円、1件の契約なら10~20万円といったところが大体の相場です。
注文住宅で毎月1件の契約をとるのは大変ですが、この場合の月収は40万円ほどになってくるでしょう。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
賞与も契約を取っている人と取れない人とでは雲泥の差があります。
賞与が年2回として、半年間まったく売れなければ0円ということもありえます。
一方で売れている営業マンなら何百万ともらえる人もいます。
各種手当てはどういったものがある?
各種手当には、扶養手当、残業手当、資格手当、通勤手当などがあります。
家に関する仕事ですので住宅手当や家賃補助があったり、自社でマイホームを建築する場合には社割が適用になることもあります。
注文住宅営業の年収を新卒や雇用形態別に見る
注文住宅の営業は新卒でも転職でも常に採用している会社が多く、そのほとんどは正社員での採用です。
ここでは、注文住宅営業の年収を新卒や雇用形態別に見ていきます。
新卒の場合の年収
大卒の新卒採用の場合、年収は300万円ほどです。
入社後しばらくは研修があったり先輩や上司に同行することが多く即戦力としては見られていないこともあり、一人で契約をとってくるのはまだ難しいです。
そのため、契約件数がそれほど多くなることはないので、歩合やボーナスのぶんがそれほど多額になることはなく、年収はほかの仕事とあまり大差はないと言えるでしょう。
社会人が転職する場合の年収(正社員)
正社員の転職の場合、年収は大手ハウスメーカーで800万円、中小ハウスメーカーで600万円ほどです。
やはり結果や実力で幅があるので、中にはほぼ基本給のみの300万円台の人もいれば、歩合給やボーナスなどで1000万円を超える人もいます。
パート・アルバイトの場合の年収
注文住宅の営業はほとんどが正社員ですが、まれにパートやアルバイトでの雇用もあります。
その場合は営業事務やアシスタントという形で、正社員の営業のサポートをするような仕事内容のことが多いです。
パート・アルバイトは時給制になるので、時給1000円~1500円ほどになります。
注文住宅営業では、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
大手ハウスメーカーは社員数も多くそれだけ営業に携わる人も多いですが、稼ぐ人は年収1000万円を超す人もいます。
その中でもさらにトップクラスの営業マンになれば、年収2000万円を目指すことも可能です。
注文住宅営業ではどういった勤務先だと年収が高くなるか?
それでは、少しでも高い年収を得るためにはどのような勤務先を選べばいいのかそれぞれ見ていきましょう。
大手ハウスメーカーで働く場合の年収
どこの総合住宅展示場でも出店していたり、テレビCMを流しているような全国規模の大手ハウスメーカーは、平均年収も高く、年収1000万円を超える人はたくさんいます。
企業名が知れ渡っているので最初から安心感や信頼感があり、広告戦略がしっかりされているので営業もしやすいです。
「高くても売れる」ので、積極的に値引きをしたり予算が合わない客はあえて受注しないこともあります。
建築事務所で働く場合の年収
ハウスメーカーは参考プランがあったりある程度デザインが決まっていたり、得意とするデザインがあります。
しかし注文住宅を建てるならデザイン性の高い凝った家にしたいという人もいます。
そういう人は建築事務所に設計を依頼しますが、その場合は自由性や提案力で割高になる傾向があります。
すると一件あたりの単価や利益率が高くなるので、営業の年収も高くなることがあります。
中小ハウスメーカーで働く場合の年収
大手ハウスメーカーに比べると平均の年収は低くなりますが、それでも同世代の他の仕事や職種の人よりは高い傾向にあります。
地元密着や限られた地域で展開しており、その地域においてはシェアが高く受注もしやすいですが、中小ハウスメーカーは数が多いので競合他社が入ることがほとんどです。
その結果、競合と値引き合戦になったり契約を取りこぼしたりしてしまうことも多いです。
契約をバンバン取れる営業とそうでもない営業がいるので、年収もそれだけ個人差が出てしまいます。
注文住宅営業の年収の決まり方や、年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
注文住宅営業の年収は年齢や社歴で決まることはなく、一年目でも入社数年目の人でも同じようにチャンスがあります。
簡単に言えば結果を出せば出すだけ年収はどんどん高くなります。
それでは、年収が高い人にはどのような特徴があるかをみていきましょう。
1.営業のスキル・経験がある
多くの会社に営業職は存在しますが、その中でも「注文住宅の営業」はより幅広い知識が必要になります。
建築や設計の知識を学校や独学で学ぶものだけでなく、不動産の取引に関すること、建築基準法や民法などの法律、デザイン、税制、銀行の借入に関することなどあまりにも多岐に渡るので経験で得るもの多いです。
その知識が多いほどお客様からの信頼を得ることができたり、適切な提案ができて、成約に結び付きやすくなります。
それとあわせて必要なのが、どうやってお客様を見つけるか、どうやってアプローチするかなどの営業力です。
この二つを持ち合わせている人が、注文住宅営業で高い年収を得ている人の特徴です。
2.仕事が効率的で早い
営業は契約を取ったら終わりと思われがちですが、注文住宅営業は契約をもらってから家の完成・引き渡しをするまでの期間も長いので、仕事量もとても多くなります。
また、契約を取ればとるほど一度に抱える顧客数も増えるので、給料も増えますが仕事量も増えます。
契約後のフォローばかりに時間を取られてしまうと新規の案件を探すことができず、コンスタントに契約を取ることができなくなってしまいます。
効率的にかつスピーディに仕事を進めていくことができるかが、売れる営業には必要なのです。
3.資格を持っている
注文住宅営業になるために必ず持っていなければいけない資格はありません。
営業は車での移動が多いので自動車免許くらいです。
しかし、一級・二級建築士、宅建士、インテリアコーディネーター、ファイナンシャルプランナーなど仕事に活かせる資格はたくさんあります。
お客様へのプレゼンの際に役立ったり、会社によっては資格手当がある場合もあります。
注文住宅営業として年収をアップさせたい人がやって欲しい3個のこと
働くことの目的や、転職するきっかけとなるのは、やはり年収アップを望んでという人は多いでしょう。
しかし、ただやみくもに働いたり転職をしたとしても、それがそのまま年収アップにつながるわけではありません。
他の仕事でも言えることですが、年収をアップさせるためにやって欲しいことには以下のものがあります。
人脈を広げる
注文住宅営業で大切なのは「人脈」です。
家を一棟建てるまでにはとてもたくさんの人が携わります。
社内・社外関わらず人脈が広い人は、さまざまな方面から協力してもらったり、ピンチのときに助けてもらったりすることができます。
また、既存客からの紹介、知人の紹介、社内や社外取引先からの紹介で新規案件を獲得できることも多いです。
信頼がものを言う仕事なので、紹介は他社の競合が入ることなくそのまま契約になることもあり、効率的に成約をもらえることができます。
知識を増やす努力や勉強を怠らない
先ほどもありましたが、注文住宅営業は多くの知識が必要です。
新卒入社後や転職直後だけでなく、日々学ぶことがたくさんあります。
ある程度経験を積んでいくと知識も増えてコツもつかんできてルーティーンワークになりがちですが、注文住宅営業はそんなことはありません。
お客様相手の仕事であり、仕事で扱う商品である「家」は注文住宅の場合は同じものはありません。
常に新しいことを学び、情報を得るためのアンテナを張ることが売れる営業になるためには必要なことなのです。
信頼される人間になる
家づくりは、依頼する会社はもちろんのこと、担当する営業がお客様に信頼されることがとても大切です。
家を建てるのは一生に一度の大きな買い物ですから、会社の商品価値や値段もありますが、お客様はやはり信頼できる営業に頼みたいと思っています。
また、営業は同僚がライバルになりますが、それでも会社の繁栄のために同じ目標を持って働く仲間です。
そして他にも同僚や取引先など外部の人にも信頼される人間でなければいけません。
営業は自分の目標を達成することのみに集中すればいいと思われるかもしれませんが、年収が高い人は周りともうまく関係を築くことで会社での地位や給料を高めていっているのです。
これから注文住宅営業の仕事を目指す方へのアドバイス
住宅の営業は転職者も多く、新卒や未経験者も積極的に採用されるので始める際のハードルは低い仕事かもしれません。
平均年収も高く、社歴や年齢に関係なく頑張れば頑張っただけすぐに給料に反映されるので、やりがいや転職するメリットも感じやすいでしょう。
しかし平均年収の高さは、年収1000万円以上の人もいるので、そういった人が平均値を上げているとも言えます。
現実的には契約を取れないと年収300万円台ということもありえるので、給料に関してはハイリスクハイリターンの仕事です。
契約をとれないときの精神的な負担や、繁忙期などの忙しい時期もあるので、楽をして稼げる仕事ではないということを今一度確認してほしいと思います。
でも、契約をとれた時の達成感はとても大きいですし、給料や昇給などは結果で評価されるのでやりがいを感じるには十分な仕事です。
最後に
衣・食・住という人間に必要なものの中でも、家は大きな買い物であり、住まいに対する思い入れも強くなります。
その家づくりに一から携わることができる注文住宅営業の仕事は、とてもやりがいがあり感謝されることもたくさんあります。
そして頑張って成果を出せば、高い給料をもらうことができます。
大変なことも多いですが、仕事へのモチベーションを高く持ちたい人にはオススメの仕事といえるでしょう。
最終更新日:2019年7月19日