地方銀行の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
皆さんが職を決めるとき何を基準に選びますか?
自分の好きな仕事をしたいと思うのは当然ですが、それに加えて、給料はどのくらい貰えるのか、というのは職を決める時の重要なポイントになりますよね。
今回は、筆者の経験を活かして、地方銀行の年収事情などを紹介していきたいと思います。
これを参考に地方銀行のことを皆さんに知ってもらえたら嬉しいです。
地方銀行の平均年収は500万円~700万円が相場
地方銀行と一括りになっていますが、地方銀行にも2種類あります。
それは第一地方銀行と第二地方銀行です。
どちらに属しているかでも年収は変わってきます。
主な違いとしては、所属している協会が違うことです。
第一地方銀行は全国地方銀行協会の会員であり、第二地方銀行は第二地方銀行協会の会員です。
規模も第一地方銀行の方が大きいです。
また、銀行の年収に関しても、総合職と一般職では年収は変わってきます。
総合職は営業職なのでその分、事務職として働く一般職より年収は高いです。
第一地方銀行の場合の平均年収
第一地方銀行の総合職の平均年収は600万円~700万円が相場になります。
一般職になりますと平均年収は300万円~400万円が相場です。
第二地方銀行の場合の平均年収
第二地方銀行の総合職になりますと500万円~600万円が相場になります。
やはり第一地方銀行の総合職よりは下がりますね。
一般職は第一地方銀行と同様300万円~400万円が相場でした。
第二地方銀行で以前働いていまた筆者の経験から言いますと、大体300万円ぐらいで、400万円には届かなかった記憶があります。
地方銀行と言いましても、都市部と地方では年収は変わってきますし、また、銀行の経営状態でも変わってきます。
ここ最近銀行業界、特に地方銀行は合併が多くなっており、経営の苦しさなどから小さな規模の地方銀行同士が合併し大きくすることがあります。
銀行員=高給取りというイメージがあるかもしれませんが、それは一部であり、大体は上記のような相場になっています。
このデータを見て少し印象が変わったのではないでしょうか。
ここで補足としてメガバンクの年収をご紹介します。
メガバンクになりますと、大体700万円~800万円が平均年収となります。
職種によっては20代で1,000万円を超える人も中にはいるそうです。
銀行と一括りにしてもこれだけ違うとなると就職する際どこの銀行に就職するか考えざるを得ないですね。
地方銀行の年収・給料の構成要素
地方銀行の年収は、「基本給」「ボーナス」「各種手当」から構成されています。
またそれに加えて肩書や役職によっても年収は左右されます。
特に総合職はその傾向があります。
あまり肩書のない一般職ですが、私の銀行では「チーフ」と「主任」があり、一般職のやる気向上のため一般行員とは基本給で差をつけていました。
基本給はどれくらい?
基本給も総合職と一般職では違います。
総合職では初任給は大体月に20万円前後で、他の職業と同じぐらいだと思います。
そこから、どんどん上がっていき、役職や肩書もつくと大幅に上がっていくことでしょう。
一般職の初任給は大体月15 万円前後です。
筆者自身の経験を言うと手取り額で月10万円程でした。
それには理由があり、最初のうちは研修が多く、実践的な職務を行っていないという理由で低くなっていました。
そこから、年数を重ねていき、大体月20万円前後になっていきます。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
地方銀行でも第一地方銀行で大きな銀行ともなると月に80万円前後貰えることもあります。
第一地方銀行やメガバンクでは40代になると100万円前後にもなる場合もあります。
しかし、80万円や100万円前後も大きな銀行や利益が上昇している銀行の話であり、実際私が以前働いていた銀行は経営があまり上手くいっておらず、経営が悪化する前まではボーナスは給料の200%を請求できていたのですが、私が入行した頃は給料の180%に変わりました。
他の職種でも同じだと思いますが、企業が今どのくらい払える状態かによって、ボーナスの金額も変わってきます。
各種手当はどういったものがある?
地方銀行も他の企業と同等に扶養手当、住宅手当などがあります。
総合職は原則3年以内には異動するようになっているので、寮や社宅は充実しており、住居費は安く抑えることができます。
また、銀行は残業手当も多いと思います。
銀行は忙しい時期があり、給料日や月末になると一般職でさえ定時に帰ることは難しく、残業になることが多いからです。
また、あまりあってはいけないことなのですが、現金が足りない時、伝票のお金が合わない時などは合うまで帰れません。
その為、残業を申請しなければなりません。
地方銀行の年収を新卒や雇用形態別に見る
続いて地方銀行の年収を新卒や雇用形態別に見ていきます。
新卒の場合の年収
新卒の総合職の場合、上記にも書きましたが、初任給は月に20万円前後です。
平均給与額も大体その前後となります。
ボーナスは80万円前後とし、年収は大体350万円前後が相場でしょう。そこから、役職、肩書などが付き、上がっていきます。
社会人が転職する場合の年収(正社員)
こちらは銀行によって初任給は変わってきますが、新卒で入行するよりは初任給は高いです。
また、その金額もどのような資格があるかで変わってきます。
以前筆者が働いていた銀行では、預かり資産(保険や投資信託のことです。)に力を入れていく為に証券会社から何名か引き抜きをしました。
その方たちはお客様への営業も上手く、専門的な知識をつかい、利益を上げていきました。
このように銀行にとってもプラスになるような方なら自ずと年収も高くなっていくのではないでしょうか。
パート・アルバイトの場合の年収
こちらも銀行によって変わりますが、時給に換算すると大体800円~1,200円が相場です。
しかし気を付けてほしいのはボーナスが出ない銀行もあるということです。
それはきちんと把握し、選んでいただくことをおすすめします。
パート・アルバイトといっても一般職と同じような事務作業をするため、責任ある仕事です。
また、大手銀行になるとテラーを全てパートにすることもあり、お金を扱うということでミスはできません。
それに見合うような給料を貰える銀行を探すことも重要です。
地方銀行では、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
地方銀行で最高の年収を目指すとなると支店長クラスになる必要があります。
支店長クラスになって800万円~900万円が相場になります。
しかしそれは第一地方銀行でのことで、第二地方銀行になると650万円~750万円が相場になるでしょう。
ここでも大きな差となっています。
補足としてメガバンクの支店長クラスにの年収を紹介します。
メガバンクの場合ですと1,200万円~1,500万円が相場になっています。
第二地方銀行と比較するととても大きな差です。
地方銀行ではどういった勤務先だと年収が高くなるか?
筆者が以前働いていた経験では、最初に配属される先が本店よりも遠い支店の人が出世していく傾向にありました。
最初に小さな支店から始めて勉強していき、県外の支店などで実力をつけて本店や本部に戻ってくる人こそ出世が早く肩書が大きくなっていった傾向にあります。
しかし、これはあくまでも総合職の話であって、一般職には関係のない話です。
一般職は勤務先がどこであれ年収は基本変わりません。
また、筆者の知人で第一地方銀行に勤めていた人は大学院を卒業し、銀行の専門的な知識をつけて、支店などには配属されず外国為替など専門的な知識の部署に配属されました。
大学院卒だった為、初任給も大学卒で支店に配属された人とは違っていましたし、専門的な知識があるとのことで年収も他の人に比べて高かったです。
専門的な知識があり銀行にとって利益になると判断された人には、それ相応の給与が支払われるということになります。
地方銀行の年収の決まり方や、年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
地方銀行の年収の決まり方はやはり肩書です。
上司に認められ、主任、課長、次長、支店長と上がっていくことで年収は決まってきます。
一般行員として働いていたときは年収が低かったが、主任になって一気に上がったという話をよく聞いていました。
しかし、主任になるにもそれ相応の努力が必要になります。
主任になると一般行員のノルマも管理しないといけません。
そして一般行員のノルマが達成する見通しができないのであれば、自分が補うように努めなければなりません。
以下に年収が高い人の条件を書き出してみましたので、参考にしてみてください。
1.支店長に認められる
出世していくにあたって、まず配属先の一番の長である支店長や部長クラスの人に認められなければなりません。
支店長や部長が人事に推薦して初めて主任という肩書を手に入れます。
その支店長や部長に認められるにはどうするかというと、渉外の場合は営業成績を上げてノルマもこなすことが大切になってきます。
また自分の顧客から信頼を得ることも大切です。
大事なお金を任せることができる人物ではないと顧客も満足できず、不手際があればそのことを上司に言うこともあるでしょう。
顧客の信頼を得ている人物こそ出世していくことができる銀行員と言えます。
2.試験に合格する
銀行員に試験はつきものです。
試験に合格しないと投資信託や保険の販売もできません。
それでは営業成績も上がりませんし、ノルマもこなすこともできないですよね?
そのため、休日も惜しんで勉強しないといけません。
日々の仕事をする中で、コツコツと真面目に試験に向けて勉強することも銀行員にとって大切なことの一つです。
3.部下の信頼を得る
銀行員は支店ごとにノルマが決まっています。
そのノルマを達成するには団結力やチームワークが必要です。
渉外担当になればノルマも大きいです。
一人達成しなければその穴を埋めるのは大変なこと。
それでもその穴を埋めるためには一人一人が補い合い、助け合うことで達成することができます。
主任になるにはその補い合いを積極的に行い、部下の分までカバーできるような人物でなければいけません。
そのような仕事をしていけば部下からも信頼を得ることができ、出世していくことができるでしょう。
4.仕事以外でも上司や部下と交流する場所を作る
交流すると述べましたが、すなわち飲み会のことです。
お酒を飲むことが苦手な人もいるでしょう。
その場合はご飯を食べに行ったりでも構いません。
とにかく仕事場以外で上司や部下と会話ができる時間を作ることが大切になってきます。
これは銀行以外の職場でも同じことですが、飲み会など交流する場を作ることで上司や部下の絆も深まっていきますし、悩みを相談したりされたりすることで信頼関係を築くことができます。
筆者が以前働いていた職場でもやはり出世していく人は、そのように飲み会などを開いたり積極的に行動している人が多かったです。
プライベートの時間まで仕事の人と会いたくないと思うこともあります。
しかし、毎回ではなくてもそういう場に行くことで、仕事上のトラブルや悩みを解決するヒントを得ることができるかもしれません。
実際、筆者も普段ゆっくり話すことができない上司と飲み会の場で話す機会ができ、仕事上の悩みを解決することができました。
交流することで仲間との絆が生まれれば、支店全体の営業成績にも繋がり、出世していく道も開けてくるのではないでしょうか。
これから地方銀行で働く人へのアドバイス
上記で述べたように、銀行はメガバンク、第一地方銀行、第二地方銀行で年収が変わります。
銀行の規模の大きさでも年収は変わりますし、自分が就く職種によっても然りです。
一概に大きな支店が良いのかと問われるとそうとは言えません。
メガバンクなどになると仕事が細かく分かれていて、何を担当するかはっきり決められています。
しかし、小さい支店になると人数も少ない分、自分が様々な仕事を任してもらえ、学べることも多いでしょう。
どちらが自分に向いているかしっかりと考え、自分に合った銀行を選んでください。
また、総合職ならノルマなど求められることが多いですが、一般職に比べると明らかに得られる金額は大きいです。
一般職は年収は低いですが、ノルマなど求められるものも給与に見合った仕事です。
そのことを諸々考慮して、自分に合った働き方を見つけてください。
さいごに
いかがだったでしょうか?
銀行員=高給取りなんて昔の話で、今は地方の銀行は合併してやっと経営が成り立っているところだって沢山あります。
そのことを頭に入れ、銀行への就職を改めて考えてみてくださいね。
最終更新日:2019年8月6日