ボートレーサー(競艇選手)の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞金・最高年収・各種手当
ボートレーサーは、様々なレースに出場して勝利をあげたり、優勝をして賞金を稼ぐプロスポーツ選手です。
年収も高く、選手としての寿命も長くて、大変やりがいのあるプロアスリートになります。
現在ボートレーサーの人数は1,600人ほどで、その中でも220人が女性レーサーです。※(2020年4月1日時点)ほかのプロスポーツ選手と比べると、圧倒的に女性の数が多いのもボートレーサーの特徴です。
プロスポーツは男女を分けて行う競技が多いですが、ボートレースは同じレースに男女が一緒に出場します。
女子レーサーが男子レーサーと対等にレースを行ったり、結婚、出産を経てママさんレーサーとして活躍しているレーサーも沢山います。
定年制度もなく現在の最年長レーサーは73歳です。
ちなみに最年少は16歳※(2020年4月1日時点)で、幅広い年齢のレーサーが同じレースで戦います。
さて、ボートレーサーはどれくらい稼ぐことができるのでしょうか。
こちらの記事では、「ボートレーサーの年収を徹底解説、給料、初任給、各種手当などをご紹介」ということで、ボートレーサーの収入、やりがいをご紹介します。
ボートレーサーの平均年収は1500万円が相場
ボートレースは毎日、日本全国にあるボートレース場でレースが行われています。
ボートレーサーが出場するときは1日1レース~2レースを行い、その出場選手の中で優勝を目指します。
そのレースで賞金を稼いでいくのですが、ボートーレーサーの平均年収はいくら位になるのでしょうか。
ボートーレーサー平均年収はいくら?
ボートレーサーの平均年収は、おおよそ1500万円です。※(2018年時点)ボートレーサーはレベルによって四つのクラスにランク分けされています。
そのクラスによって収入には大きな差が出てきます。
クラスによる平均年収はいくら?
ボートレーサーは成績で四つのクラスに分けられていて、そのクラスによってかなり年収に差が出てきます。
レーサーは一つでも上のクラスでレースができるように、日々一生懸命にレースをしています。
次はクラスごとの平均年収のご紹介です。
A1レーサーはいくら?
A1は一番上のクラスで、全てのボートレーサーの内20%(約320人)います。
平均年収は約3000万円です。
他の職業だとプロスポーツ選手、社長、芸能人、投資家など収入と同じイメージです。
言うまでもなくトップレーサー達で、全てのボートレーサーはA1を目指します。
A2レーサーはいくら?
A2は2番目のクラスで、全てのボートレーサーの内20%(約320人)います。
平均年収は約1800万円です。
他の職業だと、大手上場企業の部長クラス、士業の方がこのあたりに該当します。
B1レーサーはいくら?
B1は3番目のクラスです。
全てのボートレーサの内44%(約700人)います。
B1クラスのボートレーサーが最も沢山いて、平均年収は1100万円です。
他の職業だと上場企業の課長クラス、インセンティブが高い専門職のような方がこのあたりでしょうか。
B2レーサーはいくら?
B2は一番下のクラスです。
全てのボートレーサーの内15%(約250人)います。
デビューしたばかりのレーサー、長期で休んだしまったレーサー、レースの中で様々な減点行為をしてしまったレーサーなどがいて、平均年収は500万円です。
上場企業の一般職、中小企業の管理職などが当てはまります。
ボートレーサーの初任給はどのぐらい?
ボートレーサーはプロ試験に合格して初めてレースに出場することができるようになります。
全国にあるボートレース場から斡旋されてレースに出ます。
サラリーマンのような月給制ではないので、レースを走ることで賞金を稼ぎます。
例えば、一般的な6日間開催のレースでデビューをして、出走したレース全て6着の場合だと、おおよそ140,000円くらいです。
通常だと月給いくらというイメージですが、ボートレーサーは基本、ボートレースに出場して賞金(お給料)を貰います。
先ほどの6日間開催のレースが同じ月にあり、もう一度出場した場合にはおおよそ280,000円くらいです。
ちなみに、高校卒業しての初任給が月約165,000円、大学卒業しての初任給が月約206,000円なので、それと比べても沢山貰えますね。
とても魅力があると思います。
ボートレーサーの年収・給料・福利厚生の構成要素
ボートレーサーの収入は会社員やアルバイトなどで働くよりも様々な要素があります。
優勝賞金、着順賞金、日当、レースに関わる諸手当、交通費、宿泊費などの手当てがあります。
更に、クラスが上のレーサーになるほど沢山のレースに出場でき、高い賞金の大きなレースにも出場できるようになります。
具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
基本給・能力給などはどうなっているの?
給料明細の項目にあるような基本給・能力給と同じようなものが、日当・レースの着賞金にあたります。
こちらでは、どのようなものがあるか紹介します。
基本給はどうなっているの?
ボートレーサーで基本給というと、日当にあたります。
レーサーはレースの前日にきちんとレースに出場できる状態か検査があり、まずその検査日に検査をすることで手当が貰えます。
また、合格してから節間(そのレースの大会)で参加している日数に対しても1日ごとに日当が出ます。
更に節間の手当はデイレース(日中に行うレース)とナイトレース(夜間に行うレース)によって手当の金額にも差があり、ナイトレースのほうが沢山手当が貰えるようになっています。
能力給はどうなっているの?
能力給はレースで何着になったかで貰える賞金です。
この賞金は何種類もあるレース体系によって金額も変わってきます。
SG、G1、G2、G3のグレード戦は1着~6着まで何着でも賞金が貰えます。
もちろん、グレードの高いSGのほうが賞金も高く設定してあります。
しかし、一般戦の予選だと1着~3着までは賞金を貰えますが、4着~6着は賞金貰えないレースのほうが多いです。
金額も少なくなっているので、レーサーとしての能力や実力がないとかなり少なくなってしまいますね。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
ボートレーサーはプロスポーツ選手なので、やはり一般の会社のような賞与(ボーナス)というものはありません。
賞与に近いものは、大会に優勝した時に貰える優勝賞金ではないでしょうか。
その優勝賞金はレースによってとても差があります。
一般戦の100万円くらいからSGのグランプリの1億円まであるので、普通の会社に勤めているのとは比べものにならないくらい沢山のボーナスを貰うこともできますよ。
各種手当はどういったものがある?
ボートレーサーの収入はやはりレースを走ることで貰える賞金、優勝賞金がいちばん高いですが、それ以外にも他の仕事ではない珍しい手当が沢山あります。
ここではどのような手当があるかご紹介します。
- 完走手当:無事故でレースを終えたときに貰える手当
- 特別参加賞:大きなグレードレースに出場したときに貰える手当
- スタート無事故手当:スタートをするときにフライングなどの事故をしなかったときに貰える手当
- 中止打ち切り順延手当:悪天候などでレースが中止になってしまった場合に貰える手当
- 宿泊費:レースに出場しているときは指定のホテル、宿舎などに泊まるのですが、その宿泊料金に出る手当
- 交通費:指定された公共交通機関で自宅からレース場まで移動するときに貰える手当
- 金一封:節間(大会開催中)の全てのレースで1着を獲ったときに貰える手当
このほかにもまだ色々とあります。
公平性を保たなければならないレースです。
ある程度の収入があるから安心してレースに挑むことができるのだと思います。
日本全国にボートレース場があります。
そこへ行く交通費や宿泊費が手当てで保証されているという点はとても安心できますね。
貸与されるものってなに?
ボートレーサーはレースに関わることは貸与して貰えるものも結構あります。
- 通勤着(スーツなど)
- レースで使用するボート、モーター
- レースに出場するときのユニフォーム
レーサーのスーツを着こなしている姿をボートレース場近くで見ることもありますが、体は絞ってあるので、男子レーサーなら格好よく、女子レーサーなら清楚な感じでとても好印象です。
色々貸してくれるので本当に良いですね。
自分で用意するものってなに?
ボートレーサーは支給、貸与されるものが様々ありましたが、逆にレーサー個人で用意するものはどのようなものがあるのでしょうか?
ボートレーサーの身を助けてくれる大事なヘルメット。
以前はレース場が用意したものを使っていたのですが、現在は安全面の観点からボートレーサーが各々用意するようになりました。
ボートレース用のヘルメットは、一般に市販されているものとは違い特殊に作られています。
金額は数万円~数十万円するようで結構高額ですね。
ボートレーサーはピットと呼ばれる場所でボートやエンジンの調整などを行います。
ボートを走らせるだけではなく、調整も基本的には1人で行います。
作業着もレーサーごとに様々な個性があって見ていても楽しいですよ。
ボートレーサーにも保証制度ってあるの?
ボートレーサーは水上の格闘技とも言えるスポーツなので、常にケガの危険もあります。
レーサーは個人事業主になるので、公的な保険は国民健康保険に加入します。
レースに関するケガで治療や入院をした場合には、保険で支払った金額に対して保証されます。
更に、大きなケガや人命に関わるようなことの場合には、その後の家族、子供の生活をサポートするようなセーフティーネットも充実しています。
また、金額は分かりませんが、賞金の一部を少しずつ積立てていき、引退したときに退職金として貰う制度もあります。
更に、国民年金に加入しているので、受給年齢になれば年金も貰うことができます。
これらの保証制度が充実している点も、他の職業とは違う良いところです。
万が一のときにも充実な制度があるので、安心してレースに参加することができますね。
ボートレーサーは、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
ボートレーサーはとても夢がある職業です。
実力次第では沢山の賞金を稼ぐことができるようになります。
ここでは2019年の獲得賞金を見てみましょう!
- 1位 石野貴之選手 225,642,666円
- 2位 毒島誠選手 179,419,000円
- 3位 吉川元浩選手 161,896,000円
- 4位 桐生順平選手 149,641,000円
- 5位 瓜生正義選手 124,615,000円
※2019年12月31日現在
1位の石野選手は獲得賞金で2億2500万円稼いでいます。
これに諸々の手当も加わるので、年収はもう少し高くなると思います。
2019年だと獲得賞金が1億円を超えたボートレーサーは10人います。
最近の獲得賞金1位のレーサーの金額は2億円台が多いので、このあたりが目安になるでしょう。
ボートレーサーはどのようなことをしていくと年収が高くなるか?
2019年で一番稼いだボートレーサーは2億円以上でした。
一般の仕事ではとても稼ぐことが難しい金額です。
さて、どのようなことをしていくと年収が高くなるのでしょうか?
新人時代に沢山勉強、練習をする
ボートレーサーになる国家試験に合格して養成所を卒業すると、プロデビューすることができます。
デビュー後すぐに結果を残せるレーサーもいますが、ほとんどのレーサーは地道な下積みをすることが多いです。
しかし、その間に先輩レーサーの走りや整備の仕方などを勉強してスキルを上げるのが、年収を上げる近道だと思います。
またその間にも、日当などのお給料もしっかり貰えます。
同じ年齢の社会人と比べても多いくらいの収入があるので、安心して勉強できますね。
レースで結果を残しクラスを上げる
先に述べたようにmボートレースはレーサーの実績に応じて四つのクラスに分かれています。
A1、A2、B1、B2とありますが、最初はボートレーサー全員がB2からのスタートになります。
勝利をあげることでクラスを上げることができます。
A1でレースを走ることが、レースに最も出場することもできるし賞金を稼ぐこともできるのです。
クラスが違うとどれくらい差があるの?
ボートレースでは、クラスが違うとレースに出られる回数も変わってきます。
どれくらい差があるのでしょうか。
クラス 1ヶ月のレース出場日数
- A1 15日
- A2 15日
- B1 12日
- B2 8日
A1とB2では2倍ほどの差があります。
ボートレーサーは全国にあるボートレース場から「うちのボートレース場の大会に出てくれませんか」と斡旋されます。
当然、A1の実力、人気共に兼ね備えているレーサーには沢山の斡旋がきます。
逆にB1、B2のレーサーは、1ヶ月の出場できる日数も少ないですし斡旋されるレースも減ってくるので、収入は少なくなります。
節間(タイトル)で優勝して収入を増やす
ボートレースの節間は3日~7日あり、その中で優勝するために競い合います。
ここではタイトルごとの優勝賞金の違いを紹介します。
SG
タイトル名 優勝賞金額
- グランプリ 100,000,000円
- ボートレースクラシック 39,000,000円
- ボートレースダービー 39,000,000円
- ボートレースオールスター 39,000,000円
- ボートレースメモリアル 39,000,000円
- グランドチャンピオン 33,000,000円
- オーシャンカップ 33,000,000円
- チャレンジカップ 33,000,000円
- グランプリシリーズ 33,000,000円
G1
タイトル名 優勝賞金額
- クイーンズクライマックス 15,000,000円
- BBCトーナメント 11,000,000円
- マスターズチャンピオン 11,000,000円
- ヤングダービー 11,000,000円
- レディースチャンピオン 11,000,000円
- 周年記念 10,000,000円
- 高松宮記念 9,000,000円
- ダイヤモンドカップ 9,000,000円
- 地区選手権 4,800,000円
G2
タイトル名 優勝賞金額
- 秩父宮妃記念杯 4,500,000円
- レディースチャレンジカップ 4,500,000円
- 全国ボートレース甲子園 4,500,000円
- レディースオールスター 4,500,000円
- モーターボート誕生杯 4,500,000円
- モーターボート大賞 4,500,000円
G3
タイトル名 優勝賞金額
- クイーンズクライマックス 2,000,000円
- イースタンヤング 2,000,000円
- ウエスタンヤング 2,000,000円
- マスターズリーグ 1,050,000円~2,000,000円
- オールレディース 1,050,000円~2,000,000円
一般戦
タイトル名 優勝賞金額
- タイトル競走 1,500,000円
- ボートレースバトルトーナメント 1,300,000円
- ボートレースレディースVSルーキーズバトル 800,000円~1,020,000円
ご覧の通り、タイトルの優勝でも一般戦とSGとではものすごく差があります。
頑張って努力して結果を残せば、より多くの収入を得ることができるようになります。
レース以外でも稼ぐことができるの?
ほとんどのボートレーサーは1ヶ月の半分くらいはレースをしていますが、それ以外の空いた日は自由に日常生活を過ごすことができます。
そのときに、全国にあるボートレース場から呼ばれてトークショーに出演したり、マスコミ出演などしても収入を得ることができます。
また、残念なことですが、フライングなどの事故を沢山してしまうと、一定期間レースに出場できなくなることがあります。
その時は、アルバイトをして生計を立てるボートレーサーもいます。
これからボートレーサーになる人へのアドバイス
プロスポーツ選手というと、小さなころから英才教育や有名学校で徹底的に鍛えられた一握りの人しかなれないと思うかもしれません。
しかし、ボートレーサーのほとんどはボートに乗ったことがない人で、ボートレーサー養成所に入学して試験に合格すれば、誰でもプロのボートレーサーになります。
養成所に入る基準も一般試験と、他のスポーツで秀でた実績を残している人が対象の特別枠があります。
更に、在学中の費用は一切かかりません。
お金もかからなくてプロ選手になれるのは、とても夢と希望がある特別な職業です。
プロ選手は選手寿命が短いと思われますが、ボートレーサーの選手寿命は大体28年、平均の引退年齢は50歳です。
とても長く続けることができるプロスポーツ選手になります。
好きなことを長く続けることができるのは、素敵なことだと思います。
また、レーサーによってはボランティア活動を積極的に行ったり、YouTubeに公式チャンネルを作ってボートレースのあれこれを発信しているレーサーもいます。
レースで収入を得るだけではなく、様々なところで社会に貢献できる職業でもありますよ。
さいごに
ボートレーサーは全くの未経験でもプロ選手になることができ、平均の年収は1500万円になります。
努力次第では年収2億円超えも夢ではありません。
1ヶ月の半分くらいは休みになるので、家族、趣味、プライベートのために充実した時間を費やすこともできます。
選手寿命も長く、普通の人が稼ぐよりも多くの生涯年収を得ることができることも魅力です。
レースでケガをしても万全の保証や支援制度もあり、退職金、年金も貰うことができます。
ボートレーサーはとても夢がある職業です。
興味を持った方は是非ボートレーサーを目指し、様々な夢を叶えて下さいね。
最終更新日:2020年6月5日