本記事では、日本国内海運業界においてトップシェアを誇る海運会社「日本郵船株式会社」の転職情報をご紹介していきたいと思います。
日本郵船は創立から135年以上にもわたって海運業のリーダーカンパニーとして日本の貿易業を支えてきました。
そして海運事業から総合物流事業へと裾野を拡げ、日本だけではなく世界の人々の暮らしを支えるモノ運び企業へと変革を遂げています。
国内トップを誇る企業となった今も尚「総合力」と広義の「技術力」、誰も考え及ばない「創意」をもって未踏のビジネスに挑み続けている企業です。
企業規模を数字で表すと、2021年度における売上高は1兆8500億円を見込んでおり、国内業界ではトップに位置しています。
連結従業員数35,057名(2021年3月31日付)、従業員の平均年収は958万円で、国内上場企業と比較しても非常に高い水準です。
そんな日本郵船の会社概要や年収、福利厚生や転職における必要なポイントを、現役社員の口コミなども交えてお伝えします。
是非参考にしてみてください。
目次
閉じる日本郵船は日本3大海運企業の一つであり、1885年(明治18年)9月29日に創立されました。
国際的には副称である「NKY」として知られています。
また日本三大財閥グループの一つ三菱グループの中核企業であり、三菱重工と共に三菱グループの源流企業でもあります。
1893年(明治26年)12月15日には株式会社となりました。
戦後の東京証券取引所の指定銘柄の一つでもあり、海運業界の代表として日本経済の流動性を保つ企業として一任されていたことでも有名です(※現在は指定銘柄制度は廃止されています)。
陸・海・空で一貫したサービスの提供及びグローバルな展開を示しながら、総合物流企業グループとして安全・確実なモノ運びを通じて国内外における人々の生活を支えているのです。
法務・調査・財務・経理・客船・システム開発・海外勤務・航路管理・運航管理・蒐貨営業・企画・物流企画等
※数年おきのジョブローテーションにて様々な業務を経験します。
船舶保守/管理・新技術開発・造船計画・舶試設計・工務監督等
※数年おきのジョブローテーションにて様々な業務を経験します。
日本郵船が運航する船舶の航海士、機関士
人材育成・営業支援・技術開発・安全管理・環境保全・危機対応・船舶管理・保船管理等
新卒採用では下記3職種の募集を行っているようです。
営業や運搬管理、資金調達や収支管理など貨物輸送から事業運営まで多岐にわたって活躍
新技術開発から建造監督、就航船管理など、造船計画からハード・ソフト両面において関与
機関士・航海士として、大物貨物船の安全で効率的な運航を担う
日本郵船の平均年収は958万円です。
平均年齢は39.6歳、平均勤続年数は14.3年となっており、長く働きやすく、また高収入を得られる環境が整っていると言えます。
上場企業全体と比較しても非常に好待遇です。
業界内でのランキングは2位となっています(2021年現在)。
(上場企業平均612.5万円 全国平均432.2万円)
経営方針としても人材育成に力を入れており、社員の研修制度体制も整っています。
またリフレッシュ休暇など休暇の推進運動も盛んに行われており、福利厚生は大変充実していると言えるでしょう。
グローバル企業なため、海外志向が強いことは必須条件です。
またジョブローテーションによって職種が変わることもあるため、変化に対する柔軟性と新しいことに積極的に取り組む気概のある方が求められています。
海運業界は貿易というグローバルな仕事や年収の高さから、非常に人気の業界です。
日本郵船は少数精鋭であることが特徴の一つであり新卒採用であっても毎年の入社人数は50名程度と、エントリーシートや筆記試験など書類選考は鬼門と言われているほどです。
キャリア採用は更に狭き門となります。
過去10年間の採用人数は最多で4名、2017年にいたっては0名です。
一定以上の経験やスキルが求められるのはもちろん、やはり世界を舞台にビジネスを広げている日本郵船でなので最低限の英語力は備えておくことが必要でしょう。
日本郵船への転職を目指すなら、他の応募者に負けないようなスキルや能力を持っていることが肝心であると言えます。
選考は、書類・筆記試験選考通過後に面接となります。
面接者1人に対し複数の面接官で行われるようです。
時間にしておおよそ30分〜1時間と言われています。
【想定選考官】人事担当・現場社員・課長
【想定内容】志望動機や今後のキャリアプランなど、オーソドックスな質問をされます(ある程度エントリーシートに沿っての質問の可能性があるため、事前に提出した内容をまとめ口頭で伝えるよう準備しておくと賢明です)。
【想定選考官】部長・役員
【想定内容】これまでの質問に加え、運送業界ならではの質問をされます。
募集要項などの詳細をきちんと確認・把握し、なぜその職種を希望するのか、なぜ競合他社ではなく日本郵船でなければならなかったのかをしっかりと伝えられるようにしましょう。
「運送業界のイメージ」や業界ならではの「海賊対策案」なども質問される前提で、アンテナは多岐に張り巡らせておきましょう。
日々海外と関わりがある企業なので、海外旅行、留学、海外勤務などの経験、自身の体験や感じたことなどをまとめておくと良いと思います。
グローバルな観点から様々な角度の質問がされる場合もあるため、それらに対応できるよう世界経済の動きや各国の情勢、文化、世界中の気象など幅広い知識を持つことが重要です。
比較的和やかな雰囲気で進行されることが多いため、心のままに正直に理路整然と伝えることができれば自ずと良い結果に結びつくでしょう。
日本郵船への転職時に限りませんが、中途採用の際は必ずこれまでの実績や経験が重視されます。
今までの経験を今後どのように活かし貢献できるのかアピールすることが重要です。
また日本郵船では海運ビジネスをモデルとしたグループワークや大型外航船の訪船等を行うキャリアスクールを開催しているため、このようなスクールに参加することで日本郵船をより深く知ることができ、採用へ近づくことも考えられます。
更には、転職エージェントへの登録を行い業界に精通したプロのサポートを受けることも転職への扉となるでしょう。
応募方法の一つとして、求人サイトの活用があります。
本日時点(2021年8月15日)で日本郵船が掲載されている求人サイトの一部をご紹介します。
応募方法二つ目として挙げるのは、転職エージェントの活用です。
転職を希望する求職者に対して担当のキャリアアドバイザーがつき、無料で転職に関する様々なサポートをし転職を成功に導く支援を行ってくれます。
その時々の各企業の採用状況や非公開の求人、どのような企業にどのような人が採用されやすいか等エージェントにしか知り得ない詳しい情報も保有しています。
日本郵船の求人だけではなく日本郵船グループ会社の求人も保有するエージェントや、日本郵船のような高額な希望年収の企業を紹介するハイクラス転職に特化したエージェントなどもあるため、ぜひ活用してみて下さい。
※現在該当求人の掲載期間は終了していますが、掲載実績があるため今後も掲載される可能性は高いと考えられます。
応募方法として最後にご紹介するのは公式ホームページからの直接応募です。
現在キャリア採用での募集は陸上職技術系(総合職)と長期海上職(航海士/機関士)。
エントリーシートをダウンロードし郵送にて応募することができます。
▼エントリーシート提出
▼適性検査(SPI)受検
▼筆記試験
▼書類選考
▼一次〜三次選考面接
▼最終選考
▼内定・入社
最初の数年間はキャリア基盤の形成期として海外勤務も含む多様な経験を積みます。
可能な限り業務経験値および幅を広げ、国内外、営業、管理部門と垣根なくあらゆる職に従事することとなります。
ジョブローテーションで複数の職種経験後のステップとしては、キャリア確立期としてマネジメントにも携わりながら、ジョブローテーションで得た成功体験を通じて自身の適性のある職種で管理職にキャリアアップしていきます。
最終的には専門領域を定め、これまでの経験値を統合しコアな人材としての幅広く活躍していくこととなるでしょう。
世界第6位日本の海運業のCEO、グローバル人財育成と企業コンプライアンス領域でのコンサルティング・セミナー講師、沖縄の海運業専務、JR貨物の会長、更には相談役や地域航空会社の代表取締役社長など、グローバルの舞台における物流のスペシャリストとしての地位を築かれている方が多数です。
日本郵船の転職にあたりよくある質問とその回答についてご紹介します。
A)日本郵船は女性の活躍支援に力を入れています。
例えば2007年度以降管理職における女性比率は増加傾向にあり、2020年度までの各年度比率も継続的に10%以上を推移しています。
この数値は帝国バンクが2020年に行った意識調査における女性管理職比率の平均値7.8%を上回るものです。(https://eleminist.com/article/792)
その他、2016年より男性社員への積極的な育児休業取得を促す育パパプラス制度も導入するなど、性別を問わない多様な人材が活躍できる環境の整備に注力しています。
女性の活躍、出産後の積極的なキャリア形成、働き方に制約のある社員の活躍を支援しているのです。
A)2018年度の日本郵船の有価証券報告書や元従業員の口コミなどからボーナスを予測すると、100万円~300万円程と窺えます。
国際的な海上輸送を中心とした総合物流事業を展開する日本郵船にご興味のある方におすすめの企業を3社ご紹介します。
転職をご検討の際には参考にしてみて下さい。
日本郵船と並んで海運業界大手3社の一つに数えられているのが、共に財閥系海運会社として知名度も高い商船三井です。
日本郵船が海運事業だけに留まらない陸・海・空を利用した物流のスペシャリストならば、商船三井はその9割以上が海運事業により稼ぎ出すという生粋の海運スペシャリストと言えるでしょう。
運航船舶数も日本最多を誇ります。
日本郵船が三菱系で組織力(チーム力)を重視するのに比べ、商船三井では「人の三井」から来る個人の裁量を重視する社風が存在しているそうです。
どちらもそれぞれの社風を重んじながら、海運業界のトップとして君臨し続けています。
連結従業員数8,571名(2021年3月31日付)、2020年度連結売上高は1兆1,554億円。
平均年収は986万円で、日本の上場企業と比較しても非常に高いと言えます。
川崎汽船では海運事業を主な収入源とし、事業のリスクを減らして安定収入を増加させることを目指しています。
具体的には、最新鋭の船を投入しコスト面・サービス面で他社との違いを生み出すと同時に、中長期契約で安定的な収益を見込める不定期船の運航を増やすことを目標としています。
日本3大海運会社の中で唯一の非財閥系企業です。
日本で初めて自動車船・LNG船を導入した企業として「進取の気性」を売りにしています。
連結従業員数6,080名(2021年6月付)、2020年度連結売上高は7352億円。
平均年収は832万円で、こちらも日本の上場企業と比較しても非常に高い額です。
飯野海運は、原油をはじめとするエネルギー輸送のエキスパートとして世界で活躍する独立系海運会社です。
日本の海運業界はこの100年間で多くの合併を繰り返し集約されてきましたが、そうした中において不動産というもう一つの事業の柱を持つことで独立系のポジションを守り続けてきたのが飯野海運です。
このような背景やこれまで築き上げてきた実績により、全世界の荷主から大きな信頼を得ている会社なのです。
社員一人一人の業務の守備範囲が広いのも飯野海運の特徴で、若くして責任の大きなポジションが与えられることもあります。
連結従業員数659名(2021年3月31日付)、2020年度連結売上高は892億円。
平均年収は937万円で、2020年度業界ランキングにおいては4位と、日本の上場企業と比較しても非常に高い年収です。
日本郵船への転職をご検討中の方へ、求人情報や転職する上での留意点をご紹介しました。
日本郵船は、国内においてトップクラスの売り上げを誇る海運業界のリーディングカンパニーです。
更に他の海運会社にはない陸運・空運まで事業傘下に収めるという独自のスタイルで、総合物流事業をグローバルに展開しています。
日本郵船のグループ・バリューである「誠意」「熱意」「創意」の三本柱を軸に、これからも国内の海運業界を牽引して行く存在であることに違いありません。
日本郵船でキャリアアップを目指される方は、是非本記事を参考にしてみてください。
最終更新日:2021年9月14日
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