日本の学校教育では、年収や稼ぎなど「お金」に関する教育がほとんど行われていません。
お金よりも、職業体験を通じて、「どのような職に就くか」ということが重視されます。
職業の選択も大切ですが、年収や稼ぎに関する知識も同じくらい、もしくはそれ以上に大切です。
今回は、学校では教えてくれない、社会に出てからの年収や稼ぎについてお話していきます。
目次
閉じる仕事を選んだり、実際に働く中で、夢ややりがいは確かに大事です。
自分がやりたい仕事をしたり、なりたい職業に就ければ、高い確率でやりがいも生まれるでしょう。
ただ、ここで一歩下がって考えてみると、最低限、生活できる稼ぎないと、生きるだけで精一杯になってしまいます。
世の中には、夢を追いながら、アルバイトでなんとか生計を立てている人が多くいます。
彼らの生活環境を見ると、お世辞にも良いとは言えません。
夢を追うというのは、それぐらい厳しく、大変なものなのです。
「どれぐらいちゃんと稼げるのか」で、生活のレベルが決まってくるということを覚えておいて欲しいです。
では、具体的に稼ぎがないとどんな状態になってしまうのか、お話していきます。
まず、稼ぎがないとまともなマンションに住むことができません。
隣の人の声がだだ漏れだったり、お風呂場が古かったりなど、暮らす場所の質が悪くなります。
また、毎日の出費もおさえなければなりません。
食べるものも質素になり、外食なんて滅多に行けなくなります。
稼ぎがないと、貯金しようと思ってもできません。
毎月の生活費の支払いで手一杯になり、手元にお金が残らないのです。
結婚することも、稼ぎがないと厳しくなります。
結婚相手や将来生まれるであろう子どもを養うことができないのです。
稼ぎがないと、「普通」と呼ばれていることができなくなります。
世の中は、良くも悪くもお金を軸に回っており、そのお金がないとどんどん生活レベルが下がっていくのです。
これを教えてくれる場所は、残念ながら今の日本にはほとんどありません。
保護者の方が、お金の教育に熱心であれば、聞く機会があるかもしれません。
ただ、たいていの小中学生は、このような現実的な話は聞かずに、進学していきます。
そして、何も知らないまま社会人となり、生活に苦労することになります。
お金の稼ぎ方は、様々な形があります。
最も知られているのが、「サラリーマンとして、企業に勤めること」ですね。
上司から課せられた仕事をこなして、月に決まった額を給料としてもらいます。
サラリーマンとして働く場合、基本的に「時間を売る」ことが年収に直結します。
残業時間が多くなれば、その分、残業代が支給されますし、勤務日数によって給料が加算されることもあります。
サラリーマン以外の稼ぎ方として、自分で起業することが挙げられます。
企業に雇われて働くのではなく、自分の力でモノやサービスを売って、収入を得ていきます。
日本では、欧米諸国ほど起業が盛んではないです。
「起業=お金儲け」という面が、マイナス評価に映ることに加えて、「失敗したら大変」というリスクも影響しているようです。
ただ、日本で突き抜けた稼ぎがある人たちは、例外なく起業に成功しています。
起業に成功して、ビジネスが加速していくと、サラリーマンの何倍、何十倍もの収入を得ることができます。
世の中の大人たちの大半は、サラリーマンとして働いています。
サラリーマンの平均年収は、ざっと300万円~400万円ほどです。
もちろん、職種や勤めている企業規模によって、年収は前後します。
ただ、相場として、年収400万円以上あれば、かなり良い方と言えます。
サラリーマンが稼ぎを増やしていくには、「役職」につくことが大切になります。
役職とは、課長や部長といった、組織の中の管理職のことです。
役職につくと、「役職手当」が貰えるようになり、給料の額が大幅にアップします。
ただ、役職の数には限りがあるため、役職の席をめぐって、熾烈な出世争いが待ち受けています。
出世争いに勝利すれば、年収アップが見込めますが、敗れてしまうと給料アップは中々望めません。
公務員も、一般のサラリーマンと給料水準はほぼ同じです。
公務員は、残業数が制限されることが多いので、実はサラリーマンよりも稼ぎにくい面があります。
定時に帰ることはできますが、その分、時間の切り売りができないため、月収が少なくなるのです。
年収が高い仕事は、以下の2つに分けられます。
①の仕事は、医師や弁護士、公認会計士など高度な専門知識が必要な仕事を指します。
専門知識は、一部の限られた人しかもっていないため、一般のサラリーマンよりも貴重な存在となります。
替えが効きづらいという面もあり、職を失うということもほぼありません。
ただ、これらの仕事に就くには、国家試験に合格する必要があります。
国家試験の難易度は非常に高く、10代、20代を勉強に捧げないと中々合格できません。
医師に関しては、大学の医学部に合格する必要もあり、小中学生から勉強漬けというケースも少なくないです。
それだけ、時間を勉強に費やすという面もあり、収入が高くなる傾向にあるのかもしれません。
年収は、ざっと1000万円を超えてきます。
サラリーマンで、年収1000万円を超えるとなると、大手企業や外資系企業で、部長クラス以上の役職に就かなければなりません。
高度な専門職に就けば、若い年代のうちから年収1000万円以上を実現できます。
②の仕事は、不動産や証券といった単価が高い商品を売る仕事を指します。
いわゆる「営業」という職種に分類されるのですが、不動産、証券の営業は「売ったら売った分、給料にボーナスが上乗せされる」しくみが導入されていることが大半です。
1つの契約が取れれば、一気に利益がでるため、その利益の一部がボーナスとして入ってきます。
こう言うと、不動産や証券の営業は魅力的に映るかもしれません。
ただ、現実はそこまで甘くありません。
不動産、証券を売る場合、お客さんは「個人」になります。
一軒家、マンションを1つずつ回って、インターホンを押して直接売りに行くのです。
訪問された側は、不動産や証券を買う予定があるとは限りません。
時には、かなり厳しい言葉を投げかけてくることもあります。
契約が中々とれないと、次は上司から圧力がかかってきます。
このように、不動産、証券の営業は稼ぎは良いですが、ストレスが重くのしかかる仕事でもあります。
お金を稼ぎたいからといって、安易に選んではいけません。
年収を高くする手段は、サラリーマン(医師や公認会計士も含める)か起業した経営者かで異なってきます。サラリーマンの場合、年収を高くするには、
の2つが重要になります。
業務量が多くなると、自然と残業時間が増えてくるので、自分から仕事を多く引き受けるようにすると稼ぎが増えていきます。
課長や部長の役職につくと、役職手当がついて、収入が跳ね上がります。
ただ、「役職につく=責任が重くなる」ということでもあります。
部下の管理が主な仕事になってくるので、精神的な負担は増えてきますね。
起業した経営者の場合、「収入を増やす=売上を高める」ことになります。
自分が売っている商品やサービスの売上を増やせば、その分、収入アップという形で自分に返ってきます。
自分の努力が、収入の向上につながる訳です。
逆に、時間を売るわけではないので、どんなに時間をかけても、売れなければ収入は上がりません。
成果を出すことにこだわれないと、途中で挫折してしまう可能性もあります。
海外の中でも、ヨーロッパやアメリカといった先進諸国の大企業で働ければ、日本で働くよりも断然稼ぎが多くなります。
ただ、発展途上国や日本よりも経済規模が小さい先進国の場合、日本で働いた方が稼ぎが多い場合もあります。
ヨーロッパやアメリカの大企業の場合、サラリーマンでありながら年収1000万円以上を軽く超えてきます。
日本で同じポジションにまで這い上がるには、上場企業の部長クラス以上の役職に就かないといけません。
その点を考慮すると、海外の方が稼ぎやすいと言えます。
ただ、海外で働く場合、「英語」は必須となります。
しかも、ビジネスレベルで流暢に扱えるぐらいでないと、海外では話になりません。
英語を自在に操れないと海外では働けないので、その点、日本人にとってハードルが高いですね。
東南アジアなどの発展途上国の場合、給料自体は日本よりも低いかもしれません。
ただ、物価が日本の10分の1以下の値域もあり、現地で暮らす分には、日本にいる時よりもゆとりのある生活を送れます。
働かなくても稼げる方法は存在します。
その方法は「投資」です。投資には、株式投資や不動産投資など、いろんな種類があります。
投資で得られる収入は、労働を伴うものではないので、放っておいてもお金が入ってくることになります。
ただ、まとまった収入を得るには、ノウハウを学ぶ必要があります。
簡単に利益を出せるほど、投資の世界は甘くありません。
投資は大損する可能性もあるので、常にリスクを考える必要があります。
最近は、サラリーマンの方が本業の傍らで、投資に取り組むケースも増えてきました。
サラリーマンの場合、社会的信用が高いため、銀行が不動産の購入資金を貸してくれるので、意外とスムーズに投資を始めることができます。
始めは少額で経験を積みながら、徐々に投資額を増やしていくことがおすすめですね。
勉強と年収は、確かに関係しています。
社会人になってから、英語の勉強を継続して行い、海外企業に転職すれば年収は上がります。
ただ、すべての勉強が年収アップにつながる訳ではありません。
例えば、歴史の勉強を毎日しても、自分の年収が上がる可能性は低いです。
また、目的もなくセミナーや勉強会に参加するのも年収アップには直接つながりません。
年収アップにつながる勉強を厳選して行わないと、時間を浪費することになります。
勉強自体は、自分の知識を増やしたり、思考力を高めてくれたり等、大変すばらしいものではあります。
しかし、年収に結び付けて考えると、闇雲に勉強しても中々年収アップにはつながりません。
学校では、勉強して成績が上がることが、評価の基準になりましたが、仕事の場では、勉強するだけでは評価されません。
勉強した結果、それが仕事につながることでないと、意味をなさないのです。
これは、日本を含めた先進諸国で言えることで、稼ぎが多いほど税金が高くなります。
これを「累進課税」と呼びます。
年収が高くなればなるほど、税率が高くなってゆき、支払う税金の額が増えていきます。
特に、日本の税金は高いですね。
年間で600万円ほど稼いだとすると、税金を引かれた後に手元に残るのは460万円ほどです。
年収1000万円になると、手元に残るのは700万円ほどです。
毎月の納税額に、ため息がでてしまうサラリーマンも少なくないでしょう。
稼ぎが多い人が、日本を離れて、税金が安い国へ移住するケースも増えていて、今後、人材の海外流出は避けられないですね。
あまり稼ぎたくない場合、あらかじめ「労働時間が少ない」仕事を選ぶ良いです。
日本のサラリーマンは、労働時間に応じて、基本の給料が決定されますので、労働時間が少ない仕事は、給料も低めに設定されています。
給料が少ないと、自由に使える時間は少ないですが、その分、自由な時間が多くなります。
お金を稼ぐことよりも、自分の趣味や勉強に時間を割きたい人も、一定数存在します。
人の価値観は、それぞれ異なるので、このような働き方を選択するのも全然アリです。
ただ、収入が少ないことで苦労することが多くなるので、その点は覚悟しておく必要があります。
年収や稼ぎは、人生において非常に大切なものです。
どうやったら年収、稼ぎを増やせるかは、学校では教えてくれません。
夢を追うことは否定しませんが、実際に自分が働いて生活するときに、稼ぎが生活の糧になることは忘れないでください。
その点を踏まえて、自分の歩む道を選択して欲しいと思います。
最終更新日:2019年5月23日
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